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2013年8月27日 火曜日

身辺雑記

西葛西サイクリングガイド
前編 サイクリング編

西葛西サイクリングガイド 前編 中編 後編

 今日はお誕生日。と言っても、この年になれば祝ってくれる人は誰もいないし、自分も祝うような気分じゃない。だけど、誕生日は好きなことだけすることにしている。(幸い夏休み中だし) 今朝は起きたら嘘のように涼しかった。午前11時で25度。しかも最近ではめずらしく快晴。これはもうサイクリングに行くっきゃない、というので、(しょっちゅう行ってるが)葛西臨海公園に行くことにした。
 ただ、今日はばっちり写真を撮ろうとデジカメを持って行った。前々から西葛西のサイクリング道のすばらしさを写真でお見せしたかったのだが、なんか地元でカメラを構えるのって恥ずかしくって。
 でも某掲示板あたりじゃ、江戸川区というと「犯罪多いんでしょ」という間違った認識が一人歩きしていて、江戸川をバカにするやつが多い。真実はというと、確かに窃盗などの犯罪は多い。以前、うちのマンションの敷地内に銃を持った男が警察に追われて逃げ込んで、大騒ぎになったこともある。だけど、こっちの犯罪はプロの犯行なのに、以前住んでいた杉並とか中野とかは、逆に痴漢とか強姦とか家庭内暴力とかの陰湿な素人の犯罪が多くて、そっちのほうが私はよほどやなんだが。
 それに対して、江戸川区は東京23区内で最も公園面積が広いとか、同じく23区内で最も住民の平均年齢が若く子供が多いということなんかは、あまり知られていない。前にも書いたかも知れないが、ビルの谷間や、隣と軒を接して建つような住宅密集地で、もつれあった電線しか見えない空を見ながら育った私は、「空が広い!」、「日本じゃないみたい!」とあこがれてここに引っ越してきたのだが、まあひとつ、どんなところか見てください。

 ちなみにうちから葛西臨海公園までは、追い風で20分、向かい風で40分、平均で30分という感じ。自転車はものすごく風の影響を受けるというのは、ここに引っ越して来てから知った。ご覧のように、遮るものが何もないところを走るものだから、向かい風の時はどこまでも続く坂を登ってる感じ。逆に追い風の時は勝手にペダルの抵抗がゼロになって、まるで空を飛んでいるようだ。

ここが私の住む通りです。以前遊びに来た友人いわく、「貧乏人のウエストコースト」。
アメリカ嫌いだからちょっとやだけど、まあちょっとそう見えなくもないか。
赤い服のおじさんは果物を売る露天の準備をしているようです。
Tシャツも自転車柄でやる気満々。下も自転車乗りみたいなパッツンパッツンの短いやつを履いてますが、さすがにおばさんの下半身は公衆良俗に反するので見せられません。
この辺は歩道もすごく広い上に、車道にはすべてこのような自転車専用レーンがあるので、自転車乗りは助かります。
駅へ行く途中にイオンの自転車屋があるので、ここでタイヤに空気を入れました。
ちょうどお昼なので、西葛西でいちばんのお気に入り「しゃぶ玄」でランチ。しゃぶしゃぶとすきやきの店なのに、ランチはまかない的な料理が出るんですが、本格的な日本料理の板さんの作るものなので、家では絶対作れない味です。
駅に着きました。この木は名付けて「むくどりの木」。朝晩はここに住んでるむくどりの大合唱で耳がつぶれそうにうるさいです。
ここで歩道が2つに分かれます。右は普通の歩道。左は人と自転車しか通れない遊歩道で、交差点の上をまたぐようにして、まっすぐ河原まで続いてます。
入っていったところ。ここはめったに人も通らず、すごく気持ちがいいです。利用者が少ないのは、たぶんきつい坂に見えるからだと思いますが、実は車道の方がかなり下がっているので、見た目ほどの傾斜はありません。
ここら自体が公園みたいですが、ただの散歩道です。
川に付きました。中川の看板が出ていますが、なぜか同じ川を江戸川区側では中川、江東区側では荒川と呼んでいます。元々は別の川だったのに、氾濫対策や埋め立てで1本の川になってしまったようです。
ここからは川の土手を走ります。ご覧のように海までひたすら一直線。歩行者と自転車の専用道路なので、信号もスピード制限もありません。ただの土手道じゃなく、陸上のトラックみたいな舗装で、人も自転車もすごく走りやすくできています。
対岸にはスカイツリーも見えます。橋を渡ればすぐそこのように見えますが、おそらく大きいから近くに見えるだけで、実際はけっこうあるんでしょうけどね。
対岸の江東区側は工業地帯で、あまり眺めはよくありません。夜の夜景はきれいだけど。
一方、逆側の江戸川区側はずっとこんな景色が続きます。マンモス団地地域です。
鉄橋(と高速道路)の下をくぐるときはなんかワクワクします。
海が見えてきました。川が広すぎて、どこから川でどこから海かよくわからないけど。
この終点で道は海に沿って左に曲がるんだけど、一気に視界が開けて目の前に海が広がるときの開放感がたまりません。
あのこんもりした森の中に入ると、そこが葛西臨海公園です。

 ところで、これは以前も書いた「川の道」。うちから臨海公園に行くには二通りのサイクリング道があるのだが、今日は「森の道」は通らなかったので写真がない。そこで以前に撮った「森の道」もお見せしましょう。(「川の道」は正式名称らしいが、「森の道」は私が勝手に名付けた)

ここが「森の道」の始まるところ。止まってるのは私の愛車。
右は歩行者用の遊歩道で、左が自転車専用道。車道も並行して走ってはいますが、一段下がった低いところで、しかも木立で隔てられているので、まったく車の気配はしません。
それでは出発。
ジョギングしてる人もいますね。
途中、川を越えるために広い歩道橋を渡ります。人と自転車しか通らない橋なのに、なんなの、この広さは!
この橋の下はマリーナになっています。

橋の上から両岸をながめたところ。このように、このあたりは水辺のほとんどが公園のようになっています。だてに公園面積東京一ではありません。
でも今日は下には降りないで、葛西臨海公園を目指します。
この橋はかもめ橋という名前が付いているのでカモメのモニュメントが。
これは道路を渡るための橋なんですが、この辺は高いところをうねうね走ってジェットコースターみたいで楽しい。
ここからはよりうっそうとした森の中へ入っていきます。
自転車道と並んで走る遊歩道には、こんな感じです。ここは本来水が流れる人工の小川だったんですが、水の節約のためか、それとも蚊の発生源になるという近隣住民の苦情のせいか、今は水が流れてなくて干上がっています。江戸川区には至る所に親水公園として、こういう川の流れる遊歩道があって、引っ越して来た頃は感動したんですが、今はどこも水がないのがすごく寂しいです。

 このように、真っ平らな自転車道より、並行して走る遊歩道の方が圧倒的にきれいに作ってあるのだが、なぜか歩行者やジョガーはみんな自転車道の方を通り、遊歩道はほとんど歩く人もいない。なんでだろうと思っていたが、膝を悪くして理由がわかった。こういう石畳の道って、見た目はきれいだけど歩きにくいのね。特に年寄りや私みたいに足が不自由な人は、この程度の段差でもすぐに引っかかるのだ。
 もったいないがしょうがないか。しかしこういう道を何キロも作るのって、どれだけお金がかかってるんだろう。もちろん作ったきりじゃなく、定期的に業者が来て掃除をしたり、周囲の植栽もすべて手入れをしているんだよ。

町の美しさについて

 結局、美しい町を作るのって行政次第、しかもぶっちゃけた話、どこまでお金をかけられるか次第なんだよな。ヨーロッパの町並みが美しいというのも、ほとんどは帝国主義時代、湯水のように金が流れ込んだやつの残滓にすぎないし。(でもそれを保存しようという努力は見習うべき)
 西葛西も、こういった公園や公園に準ずる施設にお金がかかっているだけではない。私が住んでいるような、繁華街でもなければ住宅地でもないという半端なところもそうだ。

 私が日本の町を見ていて醜くて鳥肌が立つと思うのは、第一に電線と電信柱、第二に広告看板だが、第三ぐらいに来るのは、「傷と痘痕だらけの道路」。道路工事や水道工事で舗装をはがしたあと、黒いコールタールのつぎはぎができて、おまけに切った後が縦横に傷跡みたいに走ってるやつ。それがここではないんだな。
 うちの方の歩道はすべてタイルなのだが、よくそれをはがして工事をしている。(電線はすべて地中に埋め込んだ、電信柱のない地区なので、むしろ工事は多い方かも) それではがした後は、東京の他の地域だと、アスファルトだかなんだかを流し込んで終わり。あとには醜い虫食いみたいなものが広がる。
 ところがここでは工事終了後、ちゃんとタイルを貼り直している。しかし、同じタイルが入手できないことがあるらしく、そういう時は歩道の端から端まで、工事をしてなかったところまで全部張り替えているので驚いた。おかげで歩道はいつもぴかぴかの新品同様。これも余所ではよく見かける、「タイル張りにしたものの、手入れをしていないのであっちこっちでひび割れたり、一部がはがれたり、汚れたりしている」こともない。

 実は上で紹介した青い自転車レーンは今年になってできたもの。私が以前自転車通勤していた杉並ほどじゃないが、ここいらでも自転車のマナーが問題になっていたのだ。
 自転車通勤というと聞こえはいいが、あれはまさに痛勤だった。危険と不快でこれなら満員電車のほうがまだましだと思って電車に戻したもん。杉並ってところは江戸川より地価も高いし印象もいいが、道路行政とマナーはひどいもので、駅前には放置自転車が山になって通勤者が通れないぐらいだし、猫の額ほどしかない歩道を平気で自転車が通行するので、歩行者が車道に追いやられたりしてた。
 どこでもいちばんひどいのは子連れやママチャリ。ていうか、親がそうなので子供がまねする。信号は無視するし、ここいらは歩道が広いのをいいことに、我が物顔で歩道で飛ばすし。自分が自転車好きであるとともに歩行者でもある私はそれがめちゃくちゃ気に触っていた。
 そしたら半年ぐらい前、警察官が駅前で自転車のマナーについてアンケートを取っていたので、日頃からしゃくにさわっていた私は、「足の不自由な人間にとって、暴走自転車がどれだけで危険で怖いか」をとうとうと訴えたのだ。
 でも普通自治体なんて、こういうアンケート取ったって、せいぜい「マナーを守りましょう」ポスターぐらいでお茶を濁すじゃない。なのに、速攻でこういうものを作ってくれるなんて期待すらしてなかったんで驚いた。それも一部地域じゃなくて、駅周辺のかなり広い地域に同じレーンができた。
 それでもマナーの悪い、頭の弱い自転車乗りは平気で無視するけどね。少なくとも目立つのでドライバーへの抑止効果はかなりのもので、おかげで路上駐車が目に見えて減った。せっかくのレーンを無視したり、交通ルールを守らないようなママチャリは減らないけど。だって、一方通行のレーンを逆走してきて一歩も譲らず、こっちが避けると思い込んでるんだぜ。そういうやつには絶対に譲らないか、わざとぎりぎりまで幅寄せして意地悪することにしている。性格悪くてすみません。でも交通ルールは守るよ。
 そうそう、都会は運転免許持ってるやつが少ないせいか、本当になんの交通ルールも知らないやつが多すぎ。いや、私だって免許ないが、一時停止とかの基本的なルールぐらい知ってる。なのにこいつらは車道を走ってて信号赤でも、自転車は止まらなくていいと信じてるし。そんなのはいずれ自然淘汰されるだろうが、ぶつかったドライバーが悲惨すぎる。自転車は左に避けるって、そんなこと私は小学校で習ったが、そんなマナーも知らない。今は小学校で交通教室ってないのかしら?

 ついかっとなって話がそれたが、美しい町の話だった。この自転車レーンの前にやっていた工事は、「横断歩道などで歩道と車道の間にある段差を削ってスロープにする」工事。本当に目立たない、健康な人は言われなきゃわからないレベルの工事だが、足が悪かったり、車いすやベビーカーやスーツケースを押してたり、あるいは単に自転車乗ってる人間にとっては本当に助かる。
 歩道のタイルや公園みたいに見た目をきれいにするだけじゃなく、こういう安全や暮らしやすさに直結することに惜しみなくお金を使ってくれるのが江戸川区のいいところ。だからこっちに来てからは区民税を払うのはまったく苦にならない。(都民税はめちゃくちゃ頭にくるが、とりあえず葛西臨海公園だけは評価する)

この自転車道は木のアーチに囲まれて、季節の花も咲き乱れてます。
最後に首都高を越えます。この橋もめっちゃ広い。
橋から下の首都高湾岸線と一般道を見下ろしたところ。右が京葉線の臨海公園駅です。

 見ての通り、どっちかというと「森の道」の方が景色がいいんだが、こちらの道は道路や川の上を通っているので、けっこうアップダウンがある。それが楽しいんだが、私のような根性なしにはちょっときついので、つい楽な川のほうを通ってしまう傾向がある。あちらはずっと土手を走るので、全部下をくぐっていくから。いずれにせよ、変化があって飽きが来なくていい。

中編に続く

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