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2012年4月10日 火曜日

身辺雑記

自転車買った ほか近況

 なんかこの春休みはもっとガンガン書くつもりだったのに、なんにも書けなかったな。1つの記事仕上げるのに1か月とかかかってるし。こういうところにひしひしと年を感じる。私はめちゃくちゃタイピングが早いので、この程度の日記1回分書くのに、以前は1時間で書けたのに。(昔の更新ペース&量をご存じの方ならおわかりの通り) 同じことが仕事にも、遊びにも、他のすべてにも言えて、年々自分がトロくてグズになってくるのがわかるのが悲しい。
 そこでめったに書けないことでもあるので、今のうちにちょっと身辺整理、じゃなかった身辺のまとめ。

はたらくじゅんこ

 45才で教授職を辞めたとき(この経緯はいろいろ興味深いものがあると思うので、いずれはまとめるつもりです)、私としてはもう仕事は「引退」したつもりだった。あとは(金はないけど)のんびり悠々自適で過ごそうと。
 私のこういう人生設計は必ず裏目に出るので驚かなかったけれど、その後10年足らずは店が思ったより繁盛して、大学講師との掛け持ちでてんやわんやだったし、(でもトータルすれば儲けは微々たるものだったな。そのぶんかけがえのない友達たくさんできたからいいけど)、店がダメになってからは、大学も少子化不況のまっただ中で、ほとんど失業者同然にしか働いてなかったし金もなかった。しかし年金もない(国民年金は払ってるけど、もらえても雀の涙なのは確実)私は、このままじゃ貯金食いつぶしすのは必定。少なくとも今のままじゃ、消費税が10%になっただけで大赤字だ、と気付いたので働くことにした。

 といっても、非常勤の勤め先をひとつ(週2日)増やしただけですけどね。それでも一般企業なら定年過ぎてる人間を(ん? 今の定年ってもしかして55じゃないの?)雇ってくれるところがあるだけでもありがたい。まして私みたいになんの資格もないオバサン、まして履歴書にブランク10年(笑)じゃ、普通ならスーパーの清掃がいいとこでしょう。(それもべつにいやじゃないけど。少なくとも頭使わなくて良さそうだし)
 さすがにこの年になって久々の就職活動はかなり精神に応えたけどね。でもいいの。日芸には前から興味があったから。
 というわけで、この4月から日本大学芸術学部にもお世話になることになりました。なんで日芸を気に入っていたかというと、いい噂しか聞いてなかったからだ。実際、有名クリエイターもたくさん出ているし、やはり芸術系だからか日大には珍しく(おっと!)いい雰囲気のところみたいだし。
 あと、私が大学院出て、初めて教えたクラスが早稲田の演劇・美術クラスで、この子たちがみんな本当にいい子でおもしろくて、しゃべってて楽しくて、それ以来、芸術系に好感持ってるんだよね。まあ、あの頃とはどこの大学も変わってしまったからいっしょにはできないけど。

 その代わり、休みなくなります。土曜日も祝日も仕事ですからー。もちろん一般社会人と違って春と夏の長期休暇はあるし、9時5時で働いてるわけじゃないけど、その代わり、精神的肉体的負担もハンパないんだよー! まして年取ると前述のように、何をするにも時間がかかるようになるし。マジでこれだけ働くのは15年ぶりなんで、体力保つのかどうかちょっと心配。体力以前に膝もあれだし。
 あと、なんか今年は午前クラスばっかりなんだな。まして週のうち4日が片道2時間の長距離通勤。6時起きだよ、うへー! なんて、働かせてもらえるのに文句言えた筋合いじゃないですけどね。
 でも昔から夜型の私は、若い頃はみんながいやがる夜間部ばっかり選んで教えてたぐらいなのに。そりゃ家族持ちはいやがるけど、夜の7時に出勤なんて、夢みたいでしたけどね。一日じゅう遊んで、晩ご飯食べてから、「やれやれ、そろそろ働くか」って感じで行けばいいんだもん。夜は割り増し給付いたし。
 年取ってくると朝型になると言うけど、私の場合、朝だけじゃなく昼も夜も眠い、となっただけだった。まあ、どうせ一日中眠いから何時起きだろうと関係ないんだけど。

 あーあ、しかし、昔の人(といっても私の両親ぐらいの世代まで)の勤め人は、私の年まで働けば、家でも買ってあとはのんびり趣味に生きることもできたんだよなあ。そもそも私は勤め人じゃないし、今はそうもいかないだろうけど。もう私はどうせ死ぬまで働かなきゃならないとあきらめてるけど、でもしんどい。

旅するじゅんこ

 実はしんどいの承知で仕事を増やしたのは、旅行に行きたいからでもある。これまでの収入じゃ、イギリス旅行なんて夢の夢ですからね。(それにしちゃ毎年のように行ってるが)
 でも前に書いたように、貧乏すぎたんで12年も我慢したんだ。それがアンドレとヴァレリーのおかげで、「イギリス行きたい病」に火がついてしまい、おまけに友達の石神さんが「スコットランド行きたい病」に感染してしまったおかげで、またもイギリス行くことになりました。とかなんとか、人のせいにしてるが、もちろん本当は自分が行きたい。
 だって私なんかいつ死ぬかわからないのに(平均寿命まで生きる自信は皆無です)、おまけにあとに残すべき家族もいないのに、好きなこと我慢する必要ないもんね。それで私がいちばん好きなのはイギリスだし。
 いやオリンピックじゃありません。あんな高いチケット買えないし、人でごった返すロンドンなんてまっぴらだし、閉会後に行くつもり。今は「今度はウェールズ!」の私と「何が何でもスコットランド!」の石神さんとで闘争中。

自転車盗まれた

 ここへ越してきてから15年間で3回目だよ。確かにあまり治安のいい地域じゃないが、それにしてもなんで自転車ばっかり! 3台のうち2台は自分のマンションの駐輪場で、1台はビデオ屋の前に停めておいた15分ばかりの間に盗まれた。
 もうひとつ謎なのは、なんであんなボロ自転車ばかり盗むのかってこと。正確には1台(ビデオ屋で盗られたやつ)はわりと新しくてきれいめだったのだが、あとの2台はガタガタのボロボロになるまで乗りつぶしたやつだった。
 実を言うと、リハビリ&メタボ解消目的で自転車に乗り始めてから楽しさに目覚めてしまった私は、もっといい自転車が欲しかったのだ。だけど、乗れないわけじゃないのに買い換えるのは貧乏人としては気が咎めるので、いっそ誰か盗んでくれないかなー、なんて思っていた矢先の出来事だった。そうすれば、心おきなく新しいのが買えるし、廃車にする料金も節約できるしね。

 それにしても、今の自転車買ってから(前の2台を盗まれて警戒心が強まったせいもあり)、ただの一度も鍵をかけ忘れるなんてことはなかったのに、たった一晩、鍵をかけ忘れたその夜に盗んでいくなんて、泥棒さん勤勉すぎる! まさか毎晩、250台はある駐輪場を巡回して、1台1台鍵の有無をチェックしてるのか? そうでないなら私がよっぽど運が悪いとしか。
 しかし、盗んでくれないかなんて言っておきながら、いざ盗まれるとかなりむかつくもんですね(笑)。ほんと、乗ろうとしてどこにもないことに気付いたときは、めっちゃくちゃ腹立った。
 今は防犯カメラもあるから、管理人に頼めば犯人探しもできるんだけど、上記の理由であえてスルー。新しいのを買うことにした。だけど、高い自転車買ったら、とてもこんなところには置いておけないなー。かといって、家は足の踏み場もないし。どうしよう?
 しかし、こうもしょっちゅう盗まれると気味が悪い。どうせ犯人は内部犯行で、住民のガキだと思うんだけど。

 ひとつ、ちょっとだけ犯人ざまーみろと思うのは、誰が盗んだにせよ、そいつはおそらく私の自転車に乗っても足が地面に着かないこと。自慢じゃないが自慢だが、私は異常に足長の体型。身長は171センチしかないし、デブってしまったからそうは見えないだろうけど、足の長さは180センチぐらいの男性には負けない。事実、駐輪場にあるどの自転車より私の自転車の方がサドルが高いし。
 サドルの高さはその私がかろうじてつま先が着く程度まで上げてあって(ちなみにママチャリだと、これ以上上げたらすっぽ抜けるという高さ)、なおかつ全体が赤サビまみれなのでもう調節が利かない(実は自転車屋に持っていってなんとかならないかと聞いたのだが、無理と言われた)。
 足の着かない自転車乗って転びやがれ!

 もうひとつ、自転車についてはかなりいやな思いをしていた。なぜかしょっちゅう壊されるのだ。それも、ギヤカバーが割れていた翌週には、リアライトが割れていたり。まるで誰かに恨まれて付け狙われているようで、盗まれるよりこっちのほうが陰湿な感じで気持ちが悪かった。
 でもこれについてはどうやら犯人は風らしいとわかった。こないだの強風の日、まさにその現場を見たので。並んでる自転車(駐輪場と言っても、屋根があるだけの吹きっさらし)が将棋倒しに倒れるとき、ライトが地面に当たってパリーンと砕けてたんだよね。そうか。ここらは普段の日でも高層マンションのおかげでビル風が吹き荒れる強風地帯なので、何度も地面に叩き付けられているうちに、壊れやすいプラスチック部品が損傷したものらしい。そういや、前カゴもグニャグニャになってて、誰がやったんだろうと思ってたんだ。私は毎日乗るわけではないうえ、誰かがちゃんと起こして立ててくれるので、倒れたことに気付かなかっただけ。でもますます高価な自転車をそんな目に遭わせるわけにはいかない。やっぱり部屋に入れるしかないのかなー?

自転車買った

 とにかく自転車は運動用にどうしても必要。それに今度こそはいい自転車を買おうと決めていた。

 理由はサイクリングによく行くようになって、いい自転車を意識するようになったから。私はとにかく太腿の筋肉付けろというドクター命令が出ているので、ギアをいちばん重くして、競輪選手みたいに(自分ではそのつもり)シャカシャカこいでるにもかかわらず、ロードバイクに乗った若い男が苦もなくスーッと追い越していくのに、かなりむっとしていたのだ。いや正直に言おう。私が行くサイクリング道は、ママチャリなんてめったにいなくて、みんな専用のウェアを着て、ヘルメットをかぶり、高そうなスポーツバイクに乗ってるんだが、ジャージでママチャリにまたがっている私はそいつらの誰ひとりにも追いつけない。

 その理由を私は自分の体力や筋力がないからだとあきらめていた。だけど、自転車について調べていくうちに、どうもこれは自転車自体にも問題があるんだと気が付いた。バカな話だが、私はああいうロードバイクの方がママチャリより乗るのがむずかしい=こぐのに力がいるとばかり思っていたのだが、事実はもちろんその逆。ああいう高そうなバイクは、わずかな力で強い推進力が得られるからこそレースや長距離のツーリングに使えるのだ。ちぇっ、単に高い自転車だから速いだけかよ。
 これはやっぱりくやしい。と同時にうらやましい。もちろんいいバイクは20万円とかするのは知っていて、そんなの買うのはもちろん無理だし、レースに出たいわけでもないから、そこまでは求めないが、単なるママチャリは卒業だ! だいたいが私は買い物に自転車なんか使わないし(隣がショッピングモールですから)、純粋に運動のために乗ってるんだから、速い自転車に乗る権利があるよね。
 ん? ちょっと待てよ。速い自転車は軽い、ってことは筋肉にもあまり負荷がかからないわけで、それだと重く鈍重なママチャリの方が筋肉の鍛錬やリハビリには向いてるのか? よくわからないが、そういった理由および経済的理由から、クロスバイクと呼ばれるものにしようと決めた。
 それで近所の自転車屋をいろいろ見て回ったんだが、クロスバイクと言ってもいろいろあるんだね。簡単に言って、クロスバイクというのはロードバイクやマウンテンバイクと、普通の自転車との合いの子(クロス)なんだが、はたしてどっちのタイプがいいのかもわからない。
 私が走るのはほとんど平坦な舗装道路だけだから、悪路に強いマウンテンバイクの必要はないなあ。だけど、アンドレのところで借りたマウンテンバイクはすごく乗りやすかったな。ロードバイクは速そうだけど、ツーリングとか行くわけでもないしなあ。いや、行ければ行きたいけど、今の脚ではとうてい無理だし。

 さんざん迷った末、マウンテンバイクとママチャリの中間みたいなのにした。ミヤタのEXクロスってやつ。この手で前カゴが付いてるのは珍しいんだが、これはカゴ付きなところが気に入った。買い物に使わないとはいえ、ただ運動のために行って帰るのもつまらないので、私はよく遠くのショッピングモールとかに買い物を兼ねていくこともあるのだ。それで買ったものを持って帰れないのはやっぱり困るし。リュックを背負えばいいんだろうけど、なぜか私は鎖骨が痛くなるので、リュックが使えないし。
 店で試乗(といっても、ペダル付いてないからまたがるだけだけど)させてもらったときも、サドルの感じが良かったし、ブレーキとかギアとかもすごいなめらかで、さすが中国製の1万円自転車とは違う!って感じで、気に入ったのでこれにした。

 値段は定価で4万円。クロスバイクとしてはいちばん安い部類だろうが、中国製の1万円自転車しか乗ったことのない私には目がくらむような値段。これはやっぱり4倍乗りやすくないと困る。
 車体はオールアルミ。もしかしたら部屋に入れるので、私の力で持ち上げられるぐらい軽いというのも絶対条件だった。(今のママチャリだとほぼ無理だった) 
 あとアルミならサビも出にくいだろうし。実はこのサビが最大の悩み。これまでいくら新車を買っても1か月で真っ赤に錆びてしまうので、サビに関してはほとんどあきらめてた。もともとここは海風のせいで、鉄製品は錆びやすいと聞いていたし。海からはけっこうあるのだが、実際、風の強い日は潮の匂いするしねえ。
 メーカーのミヤタ自転車というのもちょっと気に入った。ここらの自転車屋で見るのは、中国製でなければブリヂストンばかりなんだが、ミズノの靴が正解だったように、こういう昔からある国内中堅メーカーの方が職人気質が生きてるような気がしたのだ。

 買ったのは楽天で。さんざん自転車見せてくれたり説明してくれた近所の自転車屋のお兄さんやおじさん、ごめんなさい。でも近所の店じゃせいぜい10%しか引いてくれないのに、39,800円が33,400円になる(しかも送料無料、しかもポイントも付く)のは魅力的すぎたんだよ。お金ないんで許して。
 在庫を置かない店らしく、配送までには1週間ちょっと時間がかかった。別に急いではいなかったけど、せっかくの休み中に乗りたかったのにな。そういや、宅急便で送られてくるんだけど、自転車なんてでかいものどうやって送るんだ?
 その謎は届いて初めてわかった。宅急便のお兄さんから電話がかかってきて、「今ロビーにいますけど、どうしますか?」だって。そうか、自転車を部屋まで届けられても普通困るよな。そこで私がロビーに降りていった。そしたらなんと、自転車が段ボール箱に入ってる。私はてっきりむき出しで届けられるものとばかり思ってたよ。
 しょうがないからお兄さんに手伝ってもらって、ロビーの真ん中で梱包を解いたのだが、こんなに大きな箱はなかったらしく、3つぐらいの段ボール箱をつなぎ合わせてある。自分がプロだったからわかるが、この梱包の手間は大変なものだよ。梱包手数料3000円ぐらい取ってもいいほどなのに、全部無料というのはサービスいい。あとチェーン錠もおまけに付けてくれたし。
 で、やっと私の自転車が姿を現したが、これをどうしよう? いったんは駐輪場に押していったが、すぐに気が変わった。こんな高いもの、絶対盗られたらいや! そこでそのままエレベーターに乗せて部屋まで運んだ。

 のはいいんだが、これをどうしろと?(笑) 前に冷蔵庫搬入騒ぎの話で書いたように、うちの玄関はすごく狭い上に、玄関や廊下まで本や雑誌が山と積んである。だいたい内付けのルーバードアのおかげで、ハンドルすら通るかどうかわからない。でもちょっと入れてみたところ、どうにか通る。なら入れてしまえ! ということで、とにかくもう時間も遅かったので、積んである本とレコードとキャリーカートを洗面所と風呂場に突っ込み、あいたスペースに自転車を入れてみた。
 うーん、まあ、入ったじゃない。もちろん廊下にかなりはみ出すから、そこには段ボール敷いて。これだと玄関や洗面所に出入りするのに、横向きでカニ歩きしてかろうじて通れる隙間しかないけど、最近はもう来客もめったにないからこれでいいことにする。冷蔵庫の時に動かした本の山もまだそのままで、著しく居住空間を圧迫してるんだが、それも見てみないふりをする。あー、またブックオフ呼ばなくちゃな。
 少なくとも軽いのは事実で、これなら私の力でも十分持ち上げて運べるのはわかった。5キロも違わないんだけどね。それでこんなに差があるのか。

 早く乗りたかったが、仕事が始まってしまい時間がないのと、なぜか休みの日というと雨ばっかりだったので、なかなかチャンスがなかったが、先日ようやく初試乗で、毎度おなじみの葛西臨海公園まで行って来ました。

 最初に気付いたことは、乗り降りがしんどい! ママチャリと違ってフレームが水平に伸びてるから、男みたいに後ろに足を上げてまたがらなきゃならないんだが、片足で立つことすらおぼつかない膝が悪い人間にとって、「片足で立って、片足を真後ろへ水平に振り上げる」というのは、ほとんど曲芸に等しい難行なのだ。リハビリのおかげでできなくはないけど、かなり痛いしフラフラする。
 おまけにむだに足が長いもんだから、乗り降りは広くて人のいないところでやらなくちゃな。でないと絶対自転車を蹴倒すか、人を蹴飛ばしてしまう。

 しかし、乗ってしまえばチョー快適! まずサドルの形からして違う。なんか縦にニューッと細長くて、チ○○そっくりな卑猥な形をしている。最初は、私のでかい尻だとかえってお尻が痛くなるのでは?と心配したが、そんなことはなかった。まだ長距離乗ってないからわからないが、お尻が痛くならないといいなあ。前のは3時間ぐらい乗ってると、てきめんにお尻痛くなったから。
 サスペンションも違う。ママチャリでどうしても最高速度が出せないのは、ある程度以上スピードを上げると、ポンポン弾んでしまってちゃんと走れないからだったのだが、そこは安定している。だけど、こちらはなぜか普通に走ってる町中で弾んだりもするので、路面によるんだろうか? とりあえず高速走行が安定するのは良い。
 スピードに関していえば、さすがに本物のロードバイクにはかなり劣る。スピードメーター付いてるわけじゃないから体感だけど、(私に出せる)最高速度はそんなに変わらない。が、そのスピードを維持するのはわりと楽。坂道が楽になるかなと思ったが、坂を上る苦労は大して変わらない。
 そのかわり、何がいいかというと軽さ。自転車の重量じゃなくて走りの軽さってことだけど。ママチャリが農耕馬なら、クロスバイクはサラブレッドとは言わないまでも、ちゃんと調教された乗用馬ぐらいの乗りやすさ、って、人にわからないような比喩使ってどうする?
 軽いいい馬っていうのはですね、曲がるときなんかもほんのちょっとの動きでスイッと曲がるし、障害物もヒョイッと越せるわけ。ちょうどあの感じなんだな。
 そういう機敏性と安定性はママチャリにはまったくなかったもので、そこがやっぱりマウンテンバイクなんだろうと思う。さっと人や車を避けたりできるので、これはゴミゴミした町中で乗るにはけっこう決め手になると思う。サイクリング道に入ってしまえばいいんだけど、そこまではやっぱり町を横切って行かなくちゃならないからね。
 あと、走り出しが軽くてなめらかなのにも感動。ママチャリはギアを軽くしていても最初の一漕ぎがめっちゃ重いんだもの。これも車の多い町中では助かる。
 タイヤはちょっと太めで深い溝が切ってある、やっぱりマウンテンバイク仕様。あれえ? これってもしかしてパンクしてもそこらの店じゃ交換できないのか? もしかしたら純正品じゃないとダメかも。それはちょっとめんどくさいが、ちょっとやそっとじゃパンクしそうにないね。前のは私が荒っぽく乗り回すからか、よくパンクしたんだけど。
 乗った姿勢は、これもスポーツバイクほどではないが、ママチャリにくらべるとかなり前傾姿勢になる。私はもっと前傾していてもいいぐらい。

 そういう基本性能以外にも、さすがによくできてるので驚かされること多数。たとえばライトは自動点灯だし、ライト付いててもぜんぜんペダルが重くならないし、レーザービームとかなんとか言ってやたら明るいし。これもけっこうポイント高い。私は舗装道路しか走らないが、歩道は工事で段差や小さい穴があいてたりして、それが私の目じゃよく見えないから夜はけっこう怖かったんだよね。
 あと、鍵が抵抗なくすっと回るのにもかなり感動したが、これはおそらく前のがガビガビに錆びついてたせいだから当然か(笑)。でも、サドルの高さ調節も、前のは全身の力を込めてグリグリ回さなきゃならなかったのに、これはレバーみたいなのをちょいとひねるだけ。
 えー、こんな便利なものができているなら、どうしてすべての自転車に付けてくれないの? と思ったが、もちろんお金かかるからだよね。高い自転車はそういうところが親切設計というだけで。

 結論から言うと、4万円と1万円の自転車の乗り心地の違いは一目瞭然なので、毎日通勤通学で乗る人や、単にお金がある人は絶対高い方を買うべき。とにかく乗っててストレスがないのがいい。っていうか、安いのしか乗ったことのなかった私はどんなにストレスがかかってるかさえ知らなかった(笑)。
 悩みはやっぱり邪魔(笑)なのと、部屋から外の道路まで行くのが長すぎるのと、(だからやっぱり長めのサイクリングならいいが、ちょっとそこまでには使えない)、仕事が多くて乗りに行く暇と体力がないこと。でも運動のためにも休みの日は欠かさず乗ろう。
 なにしろ葛西臨海水族園は年間パスポートまで買っちゃったから(笑)。4回行けば元取れるので、2週間で元取ってしまったよ。ペンギンや魚見るのもいいが、何より、サイクリングの時の無料休憩所代わりに使えると思って。平日午前中なんて(団体と鉢合わせさえしなければ)、まるで貸し切りみたいに空いてるしね。静かで暗くて(夏は)涼しくて休むには最高。

 そうそう、葛西臨海公園ではまたひとつハイになる要素を見つけてしまったよ。この正月、例によって水族園行って、5時の閉館と同時に出てきたんだが、目の前に真っ赤な富士山がくっきりと!
 ちょーっと待て。ここにはさんざん通ってるが、富士山見えるなんて知らなかったぞ! もしかして正月で空気が澄んでたから見えただけなんだろうか? でも東京でも少なくともこのあたりは(海岸だし、工場とかもないし)空気はいつでも澄んでるんだがな。
 とにかく東京湾の西の対岸に、真っ赤に染まったでっかい富士山がくっきり見えて、なんか自転車でちょっと走ればすぐに着けそうなぐらい。手前に黒く見える低い山みたいなのは多摩丘陵だろうか? ちょうど太陽が沈むところだったので、絵に描いたような真っ赤な空に見事なダイヤモンド富士が! ひえー! きれいすぎるー!

 と同時に、ノスタルジアに息が詰まりそうになった。私の子供時代はですね、まだ高層ビルなんてものはなかったから、ちょっとした高台や3〜4階の建物に登れば、東京中どこからでも富士山が見えたのよ。富士見なんたらという地名が都内にもたくさんあるのでわかるように。でももう何十年もそんな光景見ていないし、てっきり都区内からは(高層ビルに登らなければ)富士山は見れなくなったんだと思っていた。
 なのにまさに子供の頃の原風景に再会したというか、そういやこういう富士山見ながら下校したよなーとか思い出して、ノスタルジアで胸がいっぱいになってしまった。
 あれから普通の日でも見えるのか確かめに行こうといつも思ってるのだが、なんでか曇りか雨ばっかりでまだ晴れた日に行けてない。

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