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2011年1月16日 日曜日

スポーツ

サッカー アジアカップほか

 またまたサッカーですみません。これ、べつにサッカー日記じゃないし、だいたい私はそれほど熱心なファンでもないくせに、最近の目次見てたらサッカーの話ばっかりだな。まあ、これまでもワールドカップ・イヤーはいつもそうだったけど。
 あ、2010年はもう終わったのか(笑)。いやー、なんか年取ると半年ぐらいあっというまで(笑)。でも実際、あのワールドカップはまだ昨日のことみたいに鮮明だし。
 というわけで、まじめなサッカーファンでないばかりか、自他共に許す非国民で、日本代表なんかほとんど眼中になかった私が、なんでここまでサッカー日本代表に狂ったかというと、あの奇蹟のベスト16と、本田圭佑という選手の登場のせい。

 だっておもしろいじゃん。前にもB級スポーツ映画に例えたことがあるが、そういうアホな映画でなきゃありえないような、ご都合主義としか言えない「奇蹟」が平気で起きちゃうのがサッカーのおもしろさなのだが、最近の日本代表って、映画どころかもうマンガだよ
 というのも、W杯直前までの評価では、この代表はどう見ても歴代最弱、こんなチーム、W杯に出るだけで日本の面汚し、国辱って思っていたのは私だけじゃない。プロの評論家の皆様なんて、それで本書いちゃった人までいますからね。ところがワールドカップをはさんで評価は大逆転。ばかりか、親善試合とはいえ、ワールドカップ優勝のスペインに大勝したアルゼンチンにあっさり勝ってしまって、(もちろん冗談だけど)日本が世界最強説を唱える人まで出てくる騒ぎ。もうこんなバカげた展開、マンガでしかないって! それを実写どころか、リアルでやってくれてるんだから、これはもう見るしかないっしょ。

 しかし、例によって書くのをサボってる間に半年もたってしまったので、その間のできごとをかいつまんで。

ザッケローニ新監督

ザッケローニ新監督

 夏の英国旅行から戻ったとき、いちばん楽しみにしていたのは、私が帰る頃には新代表監督が決まっているはずなので、誰になってるだろう?ということだった。
 これはもう何度でも言うが、W杯の成功は岡田武史監督の功績だなんて私は絶対に認めない。何が「岡チャンごめん」だ。(これが流行語大賞にノミネートされたのだ) ごめんじゃねーよ。日本代表が崩壊寸前まで行ったのは、そもそもすべてこいつのせいじゃないか。日本が健闘したのは監督じゃなくて、追い詰められて開き直った選手たちのおかげ。それまでの岡田戦術もフォーメーションも全部ご破算にして捨てたことで勝てたんだから、そもそも監督が悪かったってことじゃないか。
 というのは結果論だと思われるかもしれないが、オシム監督が倒れて以来、私は、「これで監督さえまともな人なら‥‥」と思わなかったことはない。その岡田をやっとのことでお払い箱にできたんだから、これはもう次期監督に期待するしかないじゃない。
 ところが帰ってびっくりしたのは、もう8月半ばだっていうのに、まだ決まってない! 他の国はどこもW杯終了直後から、次のチーム作りに動き出してるってのに。結局、あっちでもこっちでも断られて迷走してたらしい。これこそいつもながらのJFA(日本サッカー協会)の手際の悪さで、またかよって感じ。
 それでも私は楽観してましたけどね。とにかく岡田でさえなければタコのパウルくんだってましとさえ思ってたから。で、迷走のあげく、連れてきたのはイタリア人のアルベルト・ザッケローニ。セリエA(イタリア1部リーグ)の有名監督って‥‥上等じゃん。確かに年は多少取ってるが、今が盛りの監督が日本になんか来てくれるはずはないので、少なくとも今にも死にそうでさえなければなんでもいい。

 私も私なりに新監督には注文があった。第一に日本はまだまだ子供なので、基礎からちゃんと教えてくれる先生タイプの人がいい。ジーコみたいな往年の名選手は、たいてい人に教えるのが下手なのでダメ。そして理論派の戦術家で頭のいい人がいい。
 あと、威厳とカリスマ性のある人。一癖も二癖もある選手たちを束ねて行かなきゃならないのだから、やっぱり選手が尊敬の念を抱けるような人でないとね。選手に好かれるような人だともっといい。あの監督のためにも勝ちたいと思えるような。
 でもって、前前監督のイビチャ・オシムはほぼこの公式にぴったり当てはまる人だったので、私の期待も大きかった。彼は志半ばで倒れてしまったので、なんとも評価は下しづらいし、最初のうちこそ、戦術が浸透しなくて(たぶんオシムの言うことが選手にはむずかしすぎた)ギクシャクしたけど、倒れる直前あたりでは、これが日本チームかと思えるようなすばらしい動きが見えてきて、ほんとにほんとに期待してたのに!
 で、ザッケローニだが、ほぼこの基準に当てはまるじゃない。選手経験のない策士タイプで、頭も良さそうだし。イタリア人というところもおもしろい。日本の外国人代表監督はこれまで、ドイツ(クラマー)、オランダ(オフト)、ブラジル(ファルカン、ジーコ)、フランス(トルシエ)、旧ユーゴ(オシム)の人たちが勤めてきたが、サッカー強豪国のイタリア人はいなかったから、どう違うのか見るのもおもしろい。イタリアと言えば守備的サッカーだが、日本はそれでW杯を勝ち上がったわけだし、同時にザッケローニはイタリアでは攻撃的なほうらしいので、攻撃力不足も見てもらえそう。

 ただ、決まるのが遅すぎたので、実際に彼が陣頭指揮を執るまでかなりの間があり、その間に日本人がいちばん感銘を受けたのが、彼の戦術でもなんでもなく、「いい人」だってところだというのが‥‥
 まったくこれだから日本のサッカーはいつまでたっても後進国なんだよな。とにかく毎日のようにスポーツ紙が報じたのは、彼がいかに礼儀正しくてまじめで働き者で親日家のいい人かってこと。あー、誰も無礼な怠け者の人種差別主義者に来てもらいたいとは思わないが、あまりサッカーとは関係ないね(笑)。ところがこれだけでザッケローニ人気はうなぎ登りってあたりが、これまたいかにも日本人。
 こうなると、根が懐疑派の私は、「おいおい、ちょっと待てよ」と言いたくなる。べつにいい人でも悪いことはないが、私は監督はおっかない顔付きでにらみがきく方がいいと思ってる。そういう人がベンチでにらみをきかしてるだけでも、相手にはプレッシャーになるし、選手にもにらみがきくし。その点、オシムは顔の怖さも、選手の誰よりもでかい、威圧するような巨体も申し分なしで、普段厳しくおっかない顔した監督だからこそ、選手はたまにほめられたりすると舞い上がってがんばろうという気になるからいいんじゃないかとまで、勝手に妄想してたぐらいだ。
 それにくらべ、ザッケローニはいかにも好々爺然としたところが物足りないなー。もちろん、本番になればキリッとするんだろうけど。ついでにいうと、体型も日本選手より小さい、ただのチビのおっさんで、「ガイジン」としてはありがたみがあんまりない。
 何かにつけて日本をヨイショするのも、本当に日本が好きなのかもしれないが、ちょっと眉にツバ付けたくなる。あー、もしかして単に外交手腕に長けているだけの口先男だったらどうしよう? でも口先でセリエ優勝できるはずもないしなー。とにかくお手並み拝見と、かなり辛辣な目で見ていた。

何がバロンドールだ
ちびメッシ(右)なんざケチョンケチョンにしてやんよ
という貫禄十分の本田さん

(ちなみに上の2行は私のセリフ。ただ、あれだけ背が違うのに体幹の太さは本田と変わらないあたりがさすが超一流の外人選手)

キリンカップ アルゼンチン戦

 そのザッケローニが初めて指揮を執ったのは、10月の親善試合2試合。問題のアルゼンチンと、韓国との試合。特にワールドカップ優勝国のスペインに大勝して、俺らこそ世界一と意気上がるアルゼンチンとの一戦は、重要な試金石と見られていた。個人的にはアルゼンチンは「宿敵」なので、その意味でも重要。しかも、アウェーだからと言って2軍ではなく、ほぼフルメンバーのスター軍団、しかも向こうも監督が変わったばかりで、選手たちは新監督にアピールしなきゃならず、モチベーションも十分という相手に、どこまで食い下がれるかが見物だと思っていた。

 ところが信じられないことに結果は1-0で日本の勝利。岡崎、本田、長谷部が阻まれつつもシュートをたたみかけるように浴びせかけ、最後再び岡崎が押し込んだ。勝ったというだけでも十分奇蹟なのに、その内容がまた信じられないもの。
 確かにワールドカップで日本は善戦したが、あれはなりふり構わず、ただひたすら負けないための、徹底した弱者の戦い方だった。ところがこの日の日本はどうだ? 堂々たる強者の試合運びでアルゼンチンを翻弄したのである。はっきり言って、テレビを見ながら時々どっちがアルゼンチンだかわからなくなったぐらい
 素早いパス回しの正確さもそうだし、ゴールへ向かう積極的な姿勢もそうだし、相手への執拗で容赦のないプレスもそうだし、これのどこが日本代表なんだ!?という豹変ぶり
 もともと日本人並みに小さい(てか、私より小さい!)メッシなんか、寄ってたかってつぶされて、かわいそうなぐらいだったし、確かにアルゼンチン人はそんなに大きい方ではないとはいえ、空中戦で栗原がアルゼンチンのはるか上空を飛んでいるのにも仰天した。
 戦術的にはまったく奇をてらったところはなく、実にシンプルで基本に忠実なもの。だけど、ラインを上げてコンパクトにとか、チンタラ中盤でパスを回してないで縦へボールを通すとか、これまでもさんざん言われてたのにできなかったことを、何の苦もなくできてる(しかもそれが効いてる)のを見ると、これまでの代表ってなんだったの?と言いたくなる。

 その後の韓国戦は、昔から苦手にしている相手だけあって、戦前から苦戦するだろうという評判だったが、日本が押しながら勝ちきれずに0-0で引き分け。でも、戦後は「よくやった」という声のほうが高く、これも合格点の範囲内。

 とにかく親善試合とはいえ、ザッケローニ・ジャパンは上々の船出を飾ったわけだが‥‥まあ常識的に考えて、数日の指導でチームがガラリと変わるはずもないので、これはまだW杯の余波のうちだろうねえ。実際、アルゼンチン戦で得点にからんだのも、本田、長谷部、岡崎のW杯組だったし。
 とにかくこれでザック人気はますます上昇。そのぶん私はますます懐疑的になったわけだが。いや、私もザッケローニにはぜひ成功してもらいたいですよ。ただ、些細なことで一喜一憂するという日本の悪い習慣に染まりたくないだけで。

アジア大会ほか

 この間、A代表以外にも主な試合は見ていた。やっぱり印象的だったのはアジア大会の男女アベック優勝かな。(アジア大会とかアジアカップとかあって、サッカー知らない人は頭が混乱するね。アジア大会は、アジア地区限定のオリンピックみたいなもので、サッカーのその中の一競技。アジアカップは、同じくアジア地区限定のワールドカップみたいなもの)
 ワールドカップのA代表が、近年になく期待されていなかったのと同様、こちらのチームもまるで期待されてなかったどころか、大会自体が日本じゃ軽視されているだけに、しょうがないので適当にかき集めて送り込んだという感じの急造チーム。
 Jリーグ真っ最中の時期なので、どこのクラブもレギュラークラスは出さず、もちろん海外組なんか呼べないし、香川や宇佐見のようなスター選手が出ないのはもちろん、Jリーガーはふだん試合にも出られない控え組だけ、あとは大学生。他国がプロのU23(23才以下)で来てるのに、日本だけアマチュアに毛の生えたような寄せ集めのU21。女子はともかく、男子はこれじゃあグループリーグ突破もあやしいと誰もが思ってた。
 ところが選手はそれに反発するかのような大活躍で、男女ともに初優勝という信じられないような快挙。ありえねー! これもマンガだー!
 個人的にこれはかなりうれしい。というのも、ロンドン・オリンピックではぜひこの人たちにがんばってほしいので、ここに一線級が加わればと、つい夢を見てしまうからだ。 なんでオリンピックかというと、やっぱりロンドンでやるってことは私にとっては特別だし、このところオリンピックの若手には煮え湯を飲まされてる(本田たちの北京世代も大いに期待したけどダメだった)ので。
 と言っても、とにかく消長の激しいスポーツだけに、2010年によくても、2年後にどうなってるかなんてまるきりわからないんだけどね。それでも使えるカードが増えるだけでもすばらしい。

 あとはえーと、Jリーグでの名古屋グランパスのリーグ戦初優勝。私は名古屋のサポーターでもなんでもないが、やっぱりピクシー(名古屋の監督ストイコビッチの愛称)は好きだし、彼が勝ててうれしい。それに名古屋は本田が在籍していたチームという縁もあるし。
 私は優勝決定戦をテレビで見ていたのだが、普段あまりJリーグを見ないので、スタジアム(平塚競技場)のしょぼさに泣く。専用スタジアムでさえないんだね。って、日本じゃ普通のことか。
 しかし、名選手、名監督ならずというのはピクシーには当てはまらなかったか。ピクシーこそ、日本でプレイした中じゃ最高の選手のひとりだったからね。ただ、彼もサッカーバカかと思ってたし、こういう頭に血が上りやすいタイプは監督としては向かないと思ってたんだけどなあ。この人なんか、このまま行けばいつか代表監督の声がかかりそうなんで、今から気になる。でもクラブと代表はぜんぜん違うし、うーん、むずかしいね。ちょっとは見てみたいけど、ピクシー・ジャパン。

移籍市場

 話が前後するが、ワールドカップが終わると、移籍市場が活発になるのも恒例行事。特にW杯で活躍した日本選手には声がかかるので、今回も楽しみにしていた。そしたらやっぱりサイドバックの長友佑都とゴールキーパーの川島永嗣が最初に売れたので、よしよしと思っていたが、長友はセリエAとはいえ、二部から昇格したばかりのチェゼーナ、川島はベルギーのリールスと、いかにもいまいちなクラブなので、失望の声も上がった。
 その後も、やはりワールドカップで活躍した阿部勇樹はレスター・シティで、イングランドとはいえ2部。松井大輔に至っては、ロシアのトム・トムスクって本当にシベリア送り?と、実績と実力に較べてあまりに下だという印象を持った人が多いみたいだけど、私は実力相応というか、こんなものだと思ってましたけど? 本田のCSKA(ロシア)だけは未だに納得してないけどね。
 彼らW杯で活躍した選手に較べ、W杯で出番のなかった香川真司がドイツのドルトムント、内田篤人が同じくドイツのシャルケと、いいところに決まっているのもなんか皮肉。

 でも私はむしろ、行った先でどれだけ活躍できるかに注目していた。それにしても香川の大ブレークは予想してなかったけど。香川は岡田監督にはすっかり嫌われてた選手で、何度かテスト的に呼ばれたけど、本戦のメンバーには入れなかった。私はそんなにたくさん見たわけじゃないけど、いい動きをしていたので、ぜひ代表で見たいとは思ってたんだけどね。
 それ以上に内田がドイツで通用したのも驚いたな。この人も香川も俊敏さが売りの典型的な線の細い日本人で、ドイツで活躍するには高原ぐらいのフィジカルがないと無理だと思っていたから。でも彼らのスピードがヨーロッパで武器になるというのは、うれしい発見。

レスターで活躍する阿部
(しかし香川を差し置いて阿部の写真を貼るあたり、露骨にひいきが入ってるな)

 あと、これは個人的見解だが(つーか、ここに書いてることすべてそうだが、この辺は特に妄想入ってる)、いちばんおいしい思いしてるの阿部じゃない? 他の若い選手はステップアップや武者修行の色合いが濃いけど、29才の阿部は次のW杯はたぶん出られないし、海外に行ったからといって特に何かが変わるような年でもない。
 このままJリーグにいたって、引退まで十分恵まれた選手生活を送れるんだけど、若手がどんどん海外に出て行くのに、ベテランの自分が海外体験ないのは寂しい。ワールドカップが終わってしまって、目標を失ってしまったのも大きいかも。そこで一念発起して、海外へ出たわけだけど、そこで声をかけてきたのがレスターというのもラッキーだ。
 2部と言っても、イングランド2部はJ1よりもよっぽど人気あってお金持ってるし、観客数も多い。若い選手と違って、すでに功成り名遂げた選手だけに、下に落ちないように必死になる必要もなければ、無理して上を目指す必要もなく、マイペースでできる。Jでは絶対もらえないような破格の年俸もらって、レスターみたいな美しくて季候が良くてのんびりしたところで暮らせて、いいこと尽くめじゃん、と、イギリスびいきの私なら思うが、本人がどう思っているかは知らん。
 問題は試合に出られるかどうかだと思っていたが、ちゃんとレギュラーで出ているばかりか、サポーターにも愛されているようで一安心。2部なのに、元イングランド代表監督のスヴェン・エリクソンが監督に就任するあたりもすごいのだが、阿部ちゃん、そのエリクソンに気に入られたみたいね。
 サポーターに愛されてることがわかるのは、クラブの公式フォーラムを見てるから。(イングランドだとこれが読めるからうれしい。好きな選手にはなるべくドイツとかオランダとかロシアには行ってほしくない理由のひとつがこれ) 日本にいたときから「いじられキャラ」だったが、それは向こうでもまったく変わってなくて、ちゃんとオモチャにされて可愛がられているのがよくわかる。
 「日本語でさえ不自由なのに(口べたな人なのだ)、英語でどうやってコミュニケートするんだ?」という懸念の声もあったが、人柄って、言葉抜きでも伝わるんだねえ。もちろんそれ以前に彼の献身的なプレイあってこそだが。日本人はいろんな意味で白人より老化が遅いと思うので、ここでもう一花咲かせてもらいたいものである。

 長友もチェゼーナにすっかり溶け込み信用を勝ち取ったようでうれしい限り。最初のうちのほんの一瞬のことだったけど、強豪ローマを下して暫定首位にはワクワクしたよ。
 川島はお気の毒としか。もともとベルギーはレベル低いし(あくまで現在のベルギー・リーグが弱いという話で、一昨年行ってわかったように、国としてのサッカー偏差値は日本とは較べものにならないほど高い)、弱いクラブだとは聞いていたが、それにしても毎試合、サッカーの試合とは思えないような大量失点で負けて、それでもキーパー首にならないってことは、本当にものすごく弱いんだな(苦笑)。別の言い方をすれば、日本人のキーパーを取ってくれるところなんて、この程度のクラブしかないという意味でもあるんだが。
 まあ、少なくとも、これだけ失点してれば、守備が完璧で、ぜんぜん失点しないクラブにいるよりいい練習になるかも(苦笑)。確かに強すぎるチームじゃ、キーパー立ってるだけですることないしね。逆に感覚が変にならないかという恐れもあるけど。
 ところでシベリアに行った松井は話すら伝わってこないんですけど(笑)。彼は完全移籍じゃなくてレンタルか何かで行ってるだけなので、帰って来られるだけましだけど。

 移籍話は11年に入ってもまだ終わらない。岡崎慎司にもようやく声がかかったし。でも彼もシュトゥットガルトって、いくらなんでもブンデスリーガ(ドイツリーグ)に日本人多くない? たぶん半分は香川効果。とにかく岡崎も大好きな選手なのでがんばってほしい。
 オランダのVVVフェンロが日本人に声かけまくってるのも、本田で味をしめたので、2匹目のドジョウを探してるんだろうな。DFの吉田麻也を取ったと思ったら、FWのカレン・ロバート(英国人とのハーフで、顔は外人だが英語はしゃべれない)の入団が決まった。どっちも伸びてほしい若手なので、ぜひ本田みたいになってほしいし、フェンロでは本田は今でもめっちゃ愛されてるので、どうか彼の名前を汚さないでほしい。

 あと、他にも大勢いたが忘れた。でも、私がいちばん感動するのは「海外組」の日本人選手の多さ。こんなに多くの日本人が海外クラブに所属していた時代ってなかったんじゃないか。昔は海外行くだけですごいステータスって感じだったもんね。ところが今は、ここに名前を挙げたような一流どころはもちろん、まったく聞いたことのないような選手が、聞いたことのないような国のリーグでがんばってる。これって底上げという点で、大事なことだと思うよ。若い選手がどんどん出て行くし、高校生の青田刈りまである。こうやって裾野をちょっとずつ広げていくことで、頂点も少しずつ高くなっていくんだよね。

アジアカップ

 でまあ、いろいろありまして、年が明けるとすぐにアジアカップ。なんて忙しいんだ!(今年は中東開催のため、暑い夏を下げて半年繰り上げた変則日程) 実際、本田を筆頭に、ワールドカップ前からまったく休んでない選手も多く、ファンの間では「アジアカップなんかわざわざ海外組呼ばなくても、国内組だけで十分」という声も高かった。それだと負けるかもしれないけど、別に負けてもいいって感じで。
 もちろんザッケローニはそうは考えてなかったはずだけどね。とにかく、日本にとってはワールドカップの次に大きな大会だし、初の公式戦だから、ここは落とすわけに行かないでしょう。よって、一部ベテランと故障者を除く全員に招集がかかった。こうなればアジアで敵はいないはず。近年3回も優勝している(1992、2000、2004年)大会だし、ワールドカップ組に香川、内田を初めとする生きのいい若手や、Jリーグ得点王の前田が加わるんだし、中東なんて敵じゃないでしょ。
 と思ったら、いきなり緒戦、FIFAランク104位のヨルダン(ちなみに日本は29位)と1-1で引き分け。それもあやうく負けそうになったところを、ロスタイムの得点でかろうじて引き分けに持ち込んだって。
 いやー、この持ち上げといていきなり落とす感じがたまらないなー。ほんとに脚本でもあるみたい。

 私はこの試合見てないのだが(大学が忙しくて、試合があることを忘れてた)、聞くところによると内容も相当悪かったみたいなんだが。ショートパスをつなごうとするばかりで、縦への動きがなく、横パスやバックパスばかりって、それ、デフォルトの日本代表じゃないですか(苦笑)。失点はDFの吉田のミスからで、その吉田が最後の最後にヘディングを決めて自分で取り戻した、攻撃の選手ってどこで何してるの?という感じのDFの一人芝居も、もうほとんど伝統と言っていいかも(笑)。
 ワールドカップを境にあれだけ変身したのに、なんで、元に戻っちゃったのー? ザック何をしてくれたの?!

シリア戦 (2011年1月13日)

 という疑問を解くために、第2戦のシリア戦はじっくり見せてもらいました。しかしこれも予想外の展開で、おもしろいっていうかなんていうか。前半も例によってフォワードの前田が何度も好機に恵まれながら決められず、かなり苦しみはしたが、内田からの鋭いパスを受けた本田が強引なドリブルで突破、それを香川−松井−長谷部の連係でゴールを決めたあたりは安心して見ていられたんだ。審判団はイラン人だったが、いつもの「中東の笛」もなく、公正なレフェリングと見えたのだが‥‥
 ところが後半26分、キーパーの川島がオフサイドの位置にいた相手選手をペナルティーエリア内で倒して、川島がレッドカード、シリアがPKを与えられたあたりから試合はグダグダに。シリアの選手がオフサイドで触れたボールを、主審がDF今野のバックパスと見誤ったためらしい。日本は抗議するも、もちろん通らず。日本は前田を下げ、代わりのキーパー西川を入れたのだが、西川はPKを止めきれずに同点。

 さー、大変。勝ち試合を誤審で同点にされたうえ、正キーパー欠いて、1人少ない10人で、まわり中熱狂的なシリア・サポーターという完全アウェーの中で、どうやって切り抜けるか? そうそう、選手や周囲の熱狂の度合いも、シリアは日本とは桁違いってことも付け加えておかなくちゃね。彼らにとってはこれは戦争なんだよ。こういうワールドカップに出られない国にとっては、ここがワールドカップと同じだもんね。そこでW杯16強の国を叩き潰せば、多少は溜飲も下がるしね。
 この判定について今野は、「あんな形で失点して本当に心が折れそうになりました」なんて情けないことを言っているが、ここで心が折れるどころか、火がついちゃった人たちがいる。それがワールドカップ組の人たち、それも特に本田、長谷部、松井、(香川に変わって後半に入った)岡崎など。
 なんかこの人たち、ワールドカップの苦しさを体験してから、逆境であればあるほど燃える体質になっちゃったんじゃないの? と思えるぐらい、急に元気づいて怒濤の攻撃が始まった。というか、4人とも不利な状況になってからのほうがイキイキして、すごい楽しそうと見えたんだが。2点目のきっかけも岡崎が果敢な突破からPKを取ったことで、そのPKは本田が決めて、辛くも2-0で勝った。

 実はこのPKも「疑惑のPK」なんですけどね。人によってはこれはPKになるような場面じゃないって言うし、私にはどっちとも判断がつかない。でもこのあと、イギリスのGoalsArena.comの試合解説を見ていたら、これはフォワードがうまいと岡崎をほめていた。つまり、それほどのファウルじゃなかったけど、先のPKでまだ心が揺らいでいる主審の心理をうまく突いて、PKを引き出したと。
 川島のレッドについては、川島のクリアが中途半端だったのが混乱をもたらしたと。確かにそうかもね。またこういうことがあると「中東の笛」と騒ぐ奴がいるだろうけど、この主審は本当に悪気はなかったんだと思うよ。ただ、一瞬「しまった!」と思っても判定をひっくり返せなかったんだと思う。
 でも今度はシリアが納得しなくて、試合後は警備員が審判団を取り囲んで守る、一触即発の雰囲気になった。だけど、最後はちゃんと握手もしたし、こいつら熱いだけでべつに悪い人たちじゃないんだよね。だから試合はグダグダだったけど、後味は悪くない
 ああ、あと、私は民放で見ていたのだが、解説の松木安太郎が発狂してるのがすごくおもしろかった。もっとも巷の評判では彼は解説者ではなく、ただの酔っぱらいのおっさんだそうだが。

PKを決めた本田と、それを祝福する松井

本田礼賛

 で、見ていてつくづく感じたのは、「やっぱ本田ってハンパねーや」ということ。もともと彼を好きになったのは、VVVでプレイしている頃の彼を見て、「フィジカル、メンタル、プレイと、すべての面で日本人離れした、まったく新しいタイプの選手」と思ったからだが、その感じはますます強まる一方。
 日本では(というか少なくとも2ちゃんねるの実況板では)韓国戦での本田のフィジカルの強さに感心する書き込みが多かったんだが、私は「この程度いつものことじゃん」と思っていた。オランダでは、でっかいDFを背負って、というのは普通比喩的に使うのだが、この場合は文字通り背中の上に載っけたままで(たぶん交錯したときに乗りかかられてそのままになっていた)、それを気にもせずドリブルする姿なんかも見てたから。
 でも今日は本当にすごいと思った。日本選手もひと頃とくらべれば本当に強くなったしうまくなったんだが、なんというか、本田と較べると大人と子供。日本が外国と対戦するといつもそう見えていたが、ここでは本田がそういう外人そのもの。
 本田がボールを持つと絶対取られないばかりか、奪う方だし、持ったままうろうろしないで的確なパスが瞬時に出るし、神出鬼没だし。2ちゃんねるでよく見るセリフに「本田が2人(3人)いてくれれば!」というのがあるが、今日はほんとに2人いるみたいだった。だって、サイドでボール受けたかと思うとゴール前にいるし、かと思うとボランチのあたりまで下がって守備してるし、守備に攻撃に完全に2人分の仕事してるから、1人欠けても日本はまったく問題ないね。むしろ皮肉なことに、人が減った分スペースができて動きやすくなったみたい。運動量もスピードも半端ない。
 あと気持ちの強さね。ピンチになると、意気消沈するどころか、目がキラキラ輝いちゃうし。
 前半、キーパーと交錯して、本田が思いっきり顔を殴られる場面があった。(意図的なものではない) リプレーで見ても首ががくんとのけぞるぐらいの強打。それで彼は鼻からダラダラと血を流してたんだが、まるでそのことに気づきもしないように、表情まったく変わらない。日本選手のひ弱さをさんざん嘆いてきた私としては、これだけでもうれしくてドキドキしちゃう。とにかく怪我しないし、疲れも見せないし、その意味、確かにゴリラかも。
 というふうにもう完璧と言っていいのだが、唯一の問題はかんじんのフリーキックやシュートが入らないこと。これだけチームに貢献してれば、点なんか他の誰かに取らせればいいと言えるが、もともと豪快な攻撃が売りの選手だけに、やっぱり得点シーンが見られないのは寂しい。今日もその点は変わってなかったな。こういうのは入らないときは入らないし、何かの拍子でまたポンポン入るようになるので、それを待つしかないのかね。

 でも、さすがにPKのシーンでは本田らしさを見せた。実はこの1点は歴史に残る1点である。日本代表国際Aマッチでの通算1000点目に当たるからだ。
 私はこれが998点まで来ているのを知っていて、どうしても1000点目を本田に取らせたかったの。この人は何らかの形で日本サッカー史に名前を刻むべき選手だと思っているから。(すでにW杯で刻みましたけどね。でもあらゆる所に名前を刻んでほしいの) でも、最近どうも得点から遠ざかってるし、まして点取り屋はほかにいくらもいるし、かーなりむずかしいなと思っていたから、あのPKのシーンでは思わず手を合わせて祈ってしまいましたよ。マジでワールドカップ、パラグアイ戦のPKより緊張したし、興奮した。
 でも蹴る人の緊張はそれ以上のはず。ああいう変なことになったあとのリベンジで、しかもタイトルかかってて、入れれば賞賛されるが、外しでもしようもんならめっちゃくちゃに叩かれるのはわかりきってるもの。それになんでここが本田なんだ? 私でもPKなら遠藤でしょと思うし、自分でこのPKをもぎ取った岡崎って手もあるんだけど。
 画面には映らなかったんでわからないけど、テレビのアナウンサーは「PKが決まった瞬間から本田がボールをつかんで離しませんでした」なんて言ってた(笑)。それが本当なら遠藤はかなりカチンと来たはずだけど、先輩だから遠慮するなんて本田がするわけないし、将来を託す意味でもこらえてね。まあ、遠藤にはW杯でフリーキック譲って花持たせたし、岡崎にもW杯でゴールをプレゼントしたからいいか。
 それでこのPKが明らかにミスキック(笑)。ど真ん中で飛んだキーパーの股の間をすり抜けるボール。これを狙って蹴ったならすごいけど、そんな危ないことするはずないので、おそらく微妙にコントロールが狂ったはず。(実際、蹴ったあとの姿勢が乱れてる) だけど、それが股抜きで入っちゃうあたりが、「持ってる男」の所以かねー。

アジアカップシリア戦 1点目をあげて喜ぶ長谷部と本田

長谷部礼賛

 長谷部もがんばった。
 前にも書いたけど、優等生が嫌いな私は、長谷部のことはあまり快く思っていなかった。もちろん選手として優れてるところは認めるけど、その反面、けっこうさらりとポカもやるしね。
 確かにハンサムでトム・クルーズ似って言われるけど、(右の写真は特に似ている)、私はトム・クルーズが大嫌いだしね(笑)。
 あと、キャプテンも本田がやるべきだと思ってた(笑)。べつにひいき目じゃなく、彼はVVVで、外国人助っ人でありながらチームを率いて優勝まで導いた実績があるし、長谷部もそうだが、つねにクールで落ち着いているところもリーダー向きだし、視野が広くて気配りもできるし、ちゃんと考えてきちんとしゃべれるし、まさにキャプテンになるために生まれてきたような男だと思ったからね。

 でも今日の長谷部を見ていて、少なくとも本田並みにはキャプテンに適任だなと。変な判定にはきっぱり抗議する一方、よけいなカードをもらわないように、仲間を牽制することもうまくやっていた。
 特にこの人がうまいなと思ったのは、審判に抗議するにしても、最後は必ず冗談言って、にっこり笑顔で終わらせてたこと。これだと変な遺恨が残らないし、暗に審判にプレッシャーかける効果もあるし、この笑顔はすごく効果的。でもインタビューを聞いたら、さりげなくけっこうきつい脅しかけてるのね。あの真っ白な歯を見せて、さわやかな笑顔で脅しかける長谷部さん‥‥やっぱりキャプテンは彼に任せておいた方がいいかも(笑)。

松井礼賛

 シベリア送りのかわいそうな松井さんだが、ワールドカップから彼のことが気になって好きでたまらない。私が最近、ドヤ顔が好きでたまらないせいもあるかもしれないけど。上の本田とのツーショットも「イイ顔」してると思いませんか? 2ちゃんでは「死んだボラのような目」とか言われて、それがまた図星だから笑っちゃうんだけど。
 松井はやっぱり、ワールドカップでPK外した駒野をしっかり抱いて慰めている(で、自分の方がワーワー泣いてしまっている)ところが印象に残っている。
 攻撃的な選手であるにもかかわらず、点を取れないことで非難もされるけど、あれだけ献身的に捨て身でボールに向かっていく姿を見ては、責められないよ。ワールドカップではそれがすごい利いてたし。これは逆サイドの大久保もそうだったけど。それに捨て身すぎて危ないしファウルを取られる場面もあったけど。
 でも意外とスタミナはなくて、後半は「電池切れ」になることが多いけど、電池が切れても必死に走ろうとする悲愴感がまたイイ。
 人柄までは知らないけど、勝手に憶測するに、男気の強い、仲間を大切にするタイプって感じ。こういう人にとっては代表チームって居心地がいいだろうなあ。実際、代表にいる松井はすごく幸せそうだ。こういう人、代表から外されたら落ち込みそうでかわいそう。

 そう言えば、やはり同じ釜の飯を食い、いっしょに修羅場をくぐり抜けてきたせいか、W杯組の結束ってその後もますます固くなってるような気がする。それに入れなかった香川とか前田は明らかに浮いてるし。
  これは彼らのせいじゃないし、バカ岡田が悪いんだけど、香川や前田にワールドカップを経験させてやれなかったのって、ほんともったいなかったね。もちろんそんなのなくても彼らは実績上げてるけど、あの経験って何者にも代え難いと思うんだよね。それに前田は年だからもういいとしても、香川はこれからの選手なのに。ワールドカップ組の息のあったところを見るにつけ、これを以心伝心の域まで高めて、新代表にも徹底できれば、このチームまだまだ強くなれるのにと思う。

なぜかかっこよくなってきた岡崎

岡崎礼賛

 岡崎は前から好きだった。「あのパァーッとした、開けっぴろげで屈託のない笑顔が好き」と書いたの覚えてるかな。でもワールドカップではとてもそんな笑顔は見られそうにない(少なくとも戦前の雰囲気では)と思って落ち込んでいたんだけど、本番ではゴールを決めてあの笑顔を見せてくれたので、すごくうれしかった。

 でも岡崎は顔つきが変わってきた。昔はひいき目に見てもお笑い系でしかなかったんだが、最近の岡崎は妙に精悍で男らしい、きりっとした顔を見せるのでびっくり。これはやっぱり心境の変化を表していると思うね。
 岡崎の売りは、自分でもよく泥臭さと言っていたが、泥臭いというのは、下手くその言い訳でしかない、というのも前に書いた。
 実際、彼自身、自分は下手だからそのぶん一生懸命やるっていうつもりで、泥臭いという言葉を使ってたんだと思う。で、実際、フォワードとしてはお世辞にも上手だとは思わなかった。
 だけど、なんか最近やけに上手くなってきたんですわ。それと同時に、実績を積み上げることで自信をつけてきたのもわかる。そういう変化が顔にも表れてるんじゃないかと思うわけ。
 日本では上手い点取り屋というと、香川みたいな華麗なテクニックにすぐ目がいくが、私はかつての高原とかルーニーみたいな、重戦車のようなパワーのある選手が好き。岡崎はそうなりそうな気配がある。(岡崎だとあいにく重戦車じゃなくて豆タンクだけど) 彼も遅ればせながらドイツに行くわけで、向こうでの香川との対決も見てみたいな。

 あと、岡崎を気に入っているのは、本田との相性の良さ。この2人はもともと高校時代からのライバルで、お互いよく知った仲なのだが、代表でいっしょに過ごすうちにすっかり仲良くなったようだ。
 今の代表では香川と本田の連係があまりうまくいっていないのが課題だが、これが岡崎とだとあうんの呼吸でピタッと決まるんだよな。今はもっぱらスーパーサブとして使われているが、この人はまだ伸びる選手だと思うし、本田とのコンビは磨けばまだまだ光るはずなので、ぜひ先発で使ってほしいんだが。ていうか、期待された前田も点とれないんじゃ、日本人で点とれるフォワードって岡崎しかいないじゃない!

内田礼賛

 香川と違って、内田のことはけっこうバカにしてたんだけど、彼はすごく良かった。というか、こんなに上手い選手だったっけ? Jリーグはあまり見てなかったし、代表入りしてからは怪我や病気ばっかりしている印象で、ほとんど試合見てなかったもんなー。せっかく選ばれて行ったワールドカップも体調不良で、とうとう一度も出番がなかったし。
 でも見たら、スピードはあるは、バシバシいいパスが出るは、もちろん本業の守備もちゃんとやってるし、こういう人がいてくれるとすごく助かるいい選手だと思った。というか、彼もドイツ行って成長したのかも。
 顔がかわいい上に、サッカーもうまいって、もしかしてすごく偉いかもしれない。私も美少年は美少年で嫌いじゃないし(笑)。香川はルックスに関しては触れないのが情けだもんな。

微妙な香川真司

 で、ドイツで絶好調で、ドルトムントの首位独走に貢献し、エースナンバーの10番をもらい、一般の予想ではこの大会の主役になるはずだった香川は相変わらず不発。まあ、理由はいろいろ取り沙汰されてますが、基本的に、今の陣形に合わないってことでしょうね。それと彼自身、どんな形でも良さが出せるタイプの選手じゃないってこと。
 それをザッケローニがどう修正してくるかも見物だったんだけど、後半早々、岡崎と替えてしまったのは見切りをつけたってこと?

 香川についてはちょっと語りにくいんだよね。例によってバカなマスコミが本田との対立をあおってるし。私としては背番号なんかどうでもいいし、香川には活躍してもらいたいと思ってるが、でもちょっとひっかかるものもある。
 大きな理由は、私自身が、上の岡崎のところにも書いたように、この手のスピードとアジリティとテクニックにものを言わせた日本人FWやMFに飽き飽きしてるってこと。和製メッシなんて言われてるが、私はメッシ自身きらいだし。(ついでに言うとC・ロナルドも嫌い)
 本田に注目したのも彼がまったくそのステレオタイプから外れてたことと、力強さがあったからで、それにくらべると香川みたいなタイプの選手は数限りなく出てくるんだよね。もちろんその中でいちばん成功したのが香川だということに異論はないが、なんか小さいのがチョコマカ動くの好きじゃないんだ。
 なにしろ、この手の選手がガチの国際試合になると、華麗なドリブルで突っ込む→あっさり倒されてボールを奪われる、の繰り返しになるのをさんざん見せられてきたしなあ。今日も見ていると、倒されこそしないものの、それ以外はまったく同じ繰り返し。これだけ見てると、どこがいいのかさっぱりだわ。

 とモヤモヤしつつセルジオ越後のコラムを読んでいたら、そのものズバリのことが書いてあった。ここでは名指しこそしないが、「フリーでボールを持ちたがるテクニシャンタイプ」って、まさに香川のことでしょう。そういうタイプは「当たりの激しい泥臭いカウンターをしてくる中東勢とはもっとも噛み合わせが悪い」んですって。なるほど。
 「日本のサッカーは泥臭い選手よりもテクニシャン系のほうが多く、またその方が評価される傾向がある。子どもの頃からそうした環境、文化が浸透していること が、中東勢を苦手とする一因とも言える。(中略) 野性味がなくなったというか、サッカー以外の教育も含め、過保護なのだ。泥臭い選手が減ったような気がしてならない」というのも、ごもっとも。それでそういう泥臭い選手の代表として、岡崎の名前を挙げているが、これも私が上に書いたことに通じる。
 考えてみたら、私が上で好きだと書いた、本田、長谷部、松井、岡崎って、全員ぶつかり合いを厭わないし、自ら体を当てていくタイプ。(書き忘れたが長友もだ) それも、岡崎を除けば、みんな海外へ行ってから、こういうフィジカルの強さを身に付けた。こういう選手がこれだけ集まったところに、私はこの代表の勝因を見るのだが、やっぱり日本人って小手先のテクニックが好きなんだよね。
 もちろん香川が小手先だけの選手とは思わないし、連係さえうまくいくようになれば、彼が生きる場面も十分あると思うんだが。本田の強烈なシュートをキーパーがはじいたのを、すかさず香川が飛び込んで押し込むなんてシーンぜひ見たいんだけどね。

 長くなりすぎたんでそろそろ締めないと。というわけで、「すごい本田さん」が見られただけでも私は満足。試合の勝敗とかアジアカップの行方なんてわりとどうでもいい感じなんだが、ザッケローニがこれからどういうチームを作っていくのかはちょっと気になる。でも私はあまり悲観してない。
 シリア相手にこの辛勝は、普通に考えたらあまりにも情けない結果だが、上に書いたように選手の動きは良かったしね。点が取れないのは確かに問題だが、シュートなんてものは入らないときは入らないもんだし。だいたい他の国はこれを目標にチームを作って来ているのに、日本はまだろくな練習もやってないし、練習試合もやってないぶっつけ本番だったからね。連係が取れるようになってくれば、点なんか自然に入るんじゃないか?
 私がいやだったのは、点を取ろうという意欲がまったくない、中盤でパス回してるだけの代表で、今の人たちは少なくともやる気はあるから、それだけでも大きな進歩だし、応援したいという気にさせられる。ぜひここでも健闘してもらいたい。

 それにシリアはぜんぜん悪いチームじゃないっすよ。FIFAのランキングは下位のほうはどうせでたらめだしね。中東はオイルマネーにものを言わせてガンガン力を付けてるし、フィジカルなんかアフリカ並みに強そうなので、そのうち東アジアなんかあっさり追い越してしまうかもしれない。と、もともとアラブ好きで、この地域に思い入れを持っている私は思う。
 そうそう、そう言えばアジアカップのCMがめちゃくちゃかっこいいので、良かったら見て下さい。日本の騎馬武者はじめ、モンゴルの騎馬民族(たぶん)、ベドウィンの騎ラクダ軍団など、今回のカップ戦に出場するアジア諸国の騎馬軍団が戦争に向かうんだけど、そこで鎧兜を脱ぎ捨ててサッカーのユニフォームに着替えるというやつ。
 おおー、サッカーの感覚からついアジアは軽視していたけど、ここらへんって、そもそも騎馬文化の発祥の地なんだよな。でもこの中じゃ、やっぱりアラブがいっとうかっこいいな。
 でも、このあたりって戦争大好きな国ばっかりが集まってるので、リアルすぎてあまり笑えないな。現実にも馬と剣で戦えばいいのにね。それだとたぶん日本負けるけど。剣はともかく、馬が足短くてちっちゃいから。あ、それって人間も同じか(笑)。なら、サッカーの方がまだ勝機があるや。

P.S. ところで本田はこのオフもまたロシアから逃げ出せないの? 今度はリバプールだとか、話だけは景気のいい移籍話が伝わってくるのに、今度もまたガセですか。誰か身代金(移籍金のことだが、あまりにもぴったりすぎる)払ってあげて!
 いや、CSKAは強いチームだってことはよくわかったけど、かんじんの本田がこのチームにいて、ちっとも幸せそうじゃないのが気になってる。VVVでは幸福の絶頂という感じだったから特に。こればっかりは移籍を早まったねえ、ほんとに。

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