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2011年10月14日 金曜日

身辺雑記

しょうもない日常の日記2
ファミレスのまずいものうまいもの

 前の章のハンバーグの話のついでに。ここで「安い飯屋なんてまずくて食えたもんじゃない」なんて書いてたくせに、某とても有名な定食屋チェーン(あまりにひどい話で営業妨害レベルなので、あえて匿名)でハンバーグ食って吐いた。
 いや、本音と建て前はなんとやらで、口ではいきがっても貧乏なのは事実だし、ものぐさで料理嫌いなのも事実だし、この日は仕事で足が痛くて、ほんのちょっと遠回りするのも面倒で、なんか脂っこいものが食べたくなってふらりと入ってしまったわけだ。ところでなんでハンバーグなのかとお思いでしょうが、私は味覚が子供なのでハンバーグ大好き。(洋食というもの自体がわりと珍しかった)子供の頃、世界最高のご馳走だと信じてたころの名残りです。

 あれ? ここって食券買うはずだったのに、いつの間にか普通のレストランになってる。それに店も改装して小じゃれた感じになってるし、カウンターでは隣の人と肘つき合わせて食べてたのが、荷物置き場なんかできてる。ついでに店員の態度もていねいになってるし。それはともかく、どうせ味は変わらないと思ってたから、味にはまったく期待してなかったけど、さすがにこれは吐いた。

 ちなみに「吐いた」と何度も書いてるけど、この場合は比喩です。だけど、ひ弱な私は比喩でなくて外食で吐くこともしょっちゅう。食べてから1時間半ぐらい経過してから来るので、たいてい家に帰ってからだけど、ひどい胃痛や腹痛に悩まされて、吐いたり下痢をしたりする。そのたんびに「すわ、食中毒か!?」と思うのだが、食べたものを出してしまうとけろっと治るので、単に私の胃腸が弱いだけみたい。
 その原因もいろいろ考えたんだけど、最近ひとつ判明したのは、脂っこい料理を冷たい水や飲み物と一緒に食べたときに必ずそうなること。若い頃はコーラ飲みながらピザ食べたりしてたんだけど、もうそういうはできなくなったんだなーと思うと、ちょっと情けない。

 なにしろ、運ばれたハンバーグの真ん中をナイフで切ったところ、中から正体不明の白い丸っこい粒状の物体がわらわらとあふれ出てきたのだ。肉(私はハンバーグは必ず「中までよく焼いて」と頼む)も、なんかグズグズに柔らかくて、切っても切り口というものができずにドロリと皿の上に広がってしまった。これはどう見ても、腐ったゲロにウジが湧いてるとしか‥‥(お見苦しい表現なのであえて隠しました。読むには反転してください)
 これだけ見て、思わずナイフを握りしめたままのけぞった。いやいや、これは目の錯覚だ。この白いものはウジに見えるけど、きっとタマネギに違いない。そう思って恐る恐る箸でつついてみるが、どう見てもタマネギには見えない。そこで真相を究明すべく、白いのを一粒だけ取り出して、きれいに肉汁を落として観察してみたところ、真ん中に一本筋が入ってる。これは押し麦(か、そのたぐい)じゃん!
 ハンバーグのつなぎにパンやパン粉を入れることはよくあるけど、丸まんまの麦が入ってるのって初めて見た! ていうか、麦はせめてパンに焼いてから入れろ! ていうか、ハンバーグに麦入れるって発想がどこから生まれたのか‥‥しかもその麦の量が肉より多いし。
 それでも正体がわかって一安心、と言いたいところだが、とにかく見た目が気持ち悪すぎて、見てると唾じゃなく酸っぱいものがこみ上げてきてしまう。そこで行儀は悪いが、麦を一粒残らず取りのけて肉だけ食って、「ハンバーグに麦なんか入れるな!」をアピールしてやろうと思った。
 それで麦の取りのけ作業を開始したが、これは白いから簡単。それで後に残った固形物が肉だろうと思うのだが、いくら箸で探っても、まったく固形物に当たらない。押し麦を取り除いた後に残るのは、肉汁と脂と、なんかドロドロした正体不明のものだけで。赤くないから生肉でもないし、なんなの、これ? 正体が判明した押し麦より気持ち悪いし、だいたい食べるところがない。確かに運ばれてきたときは丸く固まってたし、肉みたいに見えたのに。
 私は貧乏性なので、どんなにまずい飯でもたいてい完食するのだが、これは口に入れたら吐いてしまいそうで、とうとう一箸も食えなかった。というわけで、箸でグチャグチャにかき回しただけの残骸を後にして店を出た。この店は二度と入れないな。入れても二度と来ないが。
 しかし、こういう店でもけっこう客が入っているのは本当に不思議。というか、うちのほうってガストでさえ並んでるからなあ。さすがに赤痢事件(私の書いたことがほとんど当たっちゃったね)の直後は閑散としてたが、また客足戻ってるし。それだけ人口の割に女性やファミリー向けのレストランが少な過ぎるんだが、もっとまともなうまい店ができてほしいよ。

 それではお口直しに(あんまり役に立たないと思うけど)うまいものの話も。と言っても、ファミレスだからあまり期待しないように。

 とは言うけど、日本のファミレス黎明時代、ファミレスは決して安くて粗悪でまずい飯や中高生の溜まり場の代名詞じゃなかった。むしろメニューは総じて他の外食店より高かったし、ゆったりしたソファーのような座席やシャンデリアの高級感や、それまで日本では味わえなかった外国料理を楽しむところだった。
 それで日本にファミレスが普及した頃、私はちょうど青春真っ盛りで、大勢の仲間と深夜まで車で遊び回る暮らしをしていたから、ファミレスには当然のようにお世話になったし、毎日のように通っていた。
 当時から似非日本人だった私は、「これは日本人の口には絶対合わないだろう?」というような料理が好きで、よく食べたのがなつかしいな。(この辺、2005年7月18日の記事と一部ダブるけど、もう消しちゃったからいいや)
 たとえばロイヤルホストにあったフェジョアータ(ブラジルの肉シチュー。ギトギトに脂っこくて、ものすごく濃厚で、色は真っ黒)とか、アメリカンが売りだったデニーズでは、いかにもアメリカンそのもののパンケーキのソーセージ添えの朝食メニューとか。(こう書くと普通だが、メープルシロップをかけた甘いパンケーキとソーセージを一緒に食すというのは日本人の感性ではつらいはず。それ以外もたいていこういう感じのメニューだった) 
 で、結局ファミレスがなんで一様にまずくなって、質が落ちて行ったかというと、やはり日本全体が不況になって、味より安さを競うようになってからだよな。あと、やっぱり客の要望に合わせたのか、「外国風」のメニューがどんどん消えていって、ラーメンだの生姜焼き定食だのを置くようになってから、いきなり大衆食堂化した。

 で、その頃のファミレスはだいたいどこで食べてもうまかったのだが、中でも別格扱いだったのがロイヤルホスト。値段も他店より少し高かったが、それに見合うクオリティの高さと量の多さでひとり勝ち状態だった。そのロイヤルでいちばん好きだったのはサラダで、しかもサラダにかかってるドレッシングが大好きだった。このグリーンゴッデスというドレッシングだけは変わらないので、もう10年ぐらいファミレスを利用してない私も、ドレッシングだけ買いに毎週ロイヤルホストに通っていた。
 だから、数年前にグリーンゴッデスの製造が中止になったときはマジで泣きました。私は野菜食いで、特に生野菜サラダが大好きなのに、かけるものがないじゃん! というのも、例によって好みがいろいろうるさいので。

 まず、大型スーパーのサラダドレッシングの棚の前に立って観察してみるとわかるが、なんと棚いっぱいに無数に置かれたドレッシングのほぼ9割が和風である。(とりあえず、醤油が入ってるものを和風と考える) 和風は和風でおいしいし好き(特にゴマドレ)なんだが、私は洋風の食生活主体なので、どうしても合わないことが多いのだ。同じ理由で中華風も却下。それで残った市販の洋風ドレッシングがまた、とにかく種類が少なすぎ、どれも同じようでどれもまずすぎる。

フレンチ

ドレッシングの基本形だが、酢が鼻にツーンと来るのが気持ち悪くて嫌い。レモンも酸っぱいが、鼻にツンツンしないので好き。グレープフルーツやパイナップルはツーンとするので嫌い。そのくせなぜか酢の物は平気で食べるので、上等な酢を使って自分で作れば良さそうだが、めんどくさい。

イタリアン

これは好き。だけど、カロリー的にちょっとヤバい。イタリアンが好きなのは、おそらくイタリアの酢やオリーブオイルが体質に合うからだろう。だけど本物使ったやつはバカ高いし、安いのはやっぱりまずい。

サザンアイランド

本物はどうかは知らんが、日本のはとにかく砂糖みたいな甘さがいや。特にこの甘さが舌に残るのが気持ち悪い。

マヨネーズ系

どれもこれも脂がべっとりと膜みたいに舌に張り付くような感じがして嫌い。くどい。

シーザードレッシングほかチーズの入ったやつ

臭い。チーズ本体は好きだが、チーズの入ったドレッシングは生臭くて主張が激しすぎて野菜のうまさを殺してしまうと思う。

コールスロードレッシング

なんつーか、味が浅い感じ。マヨネーズ水で薄めただけじゃん?みたいな。

 この範疇に入らないオリジナルのドレッシングって、ありそうでいてないんだよね。それなら自分で作れと言われそうだが、やっぱりめんどくさいし。かろうじて、ビッグシェフのグリーンナチュラルが食べられるので、グリーンゴッデスがなくなったあとはそれを主食にしていたが、これはあっさりはしてるけど、主張がなくてやっぱりなんか物足りない。

 それでサラダを食べるたびに、「あ〜、グリーンゴッデスがあったらなあ‥‥」と詠嘆していたのだが、そのグリーンゴッデスが復活!と聞いて、走ってロイヤルホストに駆けつけました。

 それではグリーンゴッデスのどこがうまいのか?
 これもマヨネーズ系でけっこう甘いので、苦手な人はかなり苦手だろう。だけど、マヨネーズみたいに脂っこくなく、口当たりがさわやかなのと、後味が甘ったるくないのがいい。特に、後味にほのかに野菜特有のシュワーとした清涼感があるところがすごい気に入っている。
 いちばん合うのはトマト。私はトマトは料理に使うのは好きだけど、生は青臭くて、酸味や臭みが強くてけっこう苦手なのだが、グリーンゴッデスがあると、あの臭みと酸味を消してくれるのでサクサク食べられる。
 かなりドロッとしてるので、ディップみたいにお皿に取って、セロリやキュウリやニンジンをスティックに切ったのに付けて食べるとめちゃくちゃうまい。あと、細かく切った野菜をこれであえて、洋風の和え物みたいにして食べてもいい。
 とにかくこの手のドレッシングが嫌いな人(そもそも私も嫌い)も一度試してみて。うちに来たお客さんには、(ロイヤルホストのだということは伏せて)食べさせてるけど、みんなおいしいって言うから。

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