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2011年9月2日 金曜日

スポーツ

サッカーワールドカップ アジア3次予選

 日本1−0北朝鮮
(2011年9月2日 埼玉スタジアム)

ゴールを決めて吠える吉田麻也と喜ぶ駒野、香川、内田

というわけで、

「本田抜きで惨敗して、本田様の偉大さを思い知るがいい」

なんて何度も書きながらも、「ほんとに本田1人抜けたぐらいでガタガタになるようなチームじゃお話にならないよな」と思ってたり、「選手1人の力ではチームは変わらないが、コーチ1人の力なら変わる」なんて書きながらも、「でもやっぱり誰のおかげかって言ったら本田の力だよなー」なんて思っていたわけだが、(行間読んでくださいね。この日記はけっこう行間に本音を隠してることが多い)、まさか本当にそうなってしまうとは!!!

 まあ、本田だけじゃないけどね。長友も肩の脱臼で欠場していたし、今日の代表は文字通りの飛車角落ち。でも私は、「アジア予選なんてかったるいから、飛車角落ちぐらいでちょうどいいんじゃない? ヒヤヒヤしてスリルがあるし」なんて思ってた。

 ちなみに長友は幸いもう治ったみたい。まあ、サッカー選手にとって大事なのは足で、肩ならそんなに心配してなかったけど。
 一方の本田は日本に帰って検査受けたかと思うと、翌日にはスペインに飛んですぐに手術って、やはりかなり深刻そう。スペインに行ったのはサッカー専門の名医がいるかららしい。今日の放送の中で怪我した場面を流してたけど、本当にグキッてなって痛そうでぞっとした。
 それでも怪我のあと、30分ぐらいプレイしていたようだし、普通に歩いてたっていうから意外と軽いのかと思ってたのに‥‥。診断結果とか予後とかが何も発表にならないので不安だが、彼のことだから何もなかったような顔をして、みんなが驚くほどすぐに戦列復帰するものと信じているが‥‥

 で、これまでの観戦記に何度も何度も書いてきたけれど、今の日本代表は本田で持ってるチーム。実際の得点だけじゃなく、守備にもゲームメイクにもあらゆる局面で本田の存在が大きい。いつも思ってたんだが、活躍しすぎで本田が3人いる(本来のトップ下のほかにセンターフォワードとボランチの本田がいるよな)みたいな感じ。ならば13対11で戦っていることになるかというと、いつも2人ぐらいは何もしてないやつがいるんで変わらないんだけど(笑)。だけど、本田が抜けたとたん、9対11になってしまうから当然ヤバい。
 そんなだから、本田に万一のことがあったらどうするか、あらかじめ考えておいたほうがいいというのはすでに書いた。ただ、彼の代わりが勤まる選手は1人もいないんだよなーとも。だから、その意味でこれだけ早い段階でこういうことになったのは良かったかも。これがW杯出場のかかった最終予選だったら‥‥と考えたらぞっとする。まして、本番で本田が抜けるようなことがあったら‥‥
 まあ、ザックは多少のリスクを冒しても、将来の代表を担う若手を育てるという方針がすごくはっきりしているので、3年後までにしっかり育て上げてくれることを祈る。
 って、なんか結論ぽいものが出てしまったが、言いたいことはまだたくさんある。

 あまりにクソ試合だったから、途中から2ちゃんねるの実況板を見ていたのだが、(私は大の2ch嫌いだが、やっぱりサッカーは1人で見ててもあまりおもしろくないので、ここだけはときどき見る。本スレや選手スレは荒らしと私でもわかるようなド素人が多すぎるので見ない)、そこでこれは名言だと思って、爆笑してしまったレスがあったので引用。

「 僕  達  の  日  本  代  表  が  戻  っ  て  き  た  ! 」

 いや、帰ってくんな(苦笑)。だけど確かに、これこそ南アフリカ以前にみんなが知っていた日本代表だよね。10人になった北朝鮮程度に手こずって、パニックになって右往左往して、シュート打っても全部宇宙の彼方へ飛んでいって、しまいには勝手に自滅っていうパターン。(おっと、今回は自滅はしないでちゃんと勝ったんだっけ) やっぱり日本がバルサみたいなサッカーするなんてどうかしてる。日本代表はこうでなくっちゃ。
 というのは、実はちょっと言い過ぎ。これでもいくらかは進歩している。いちばん悪かった時代の日本代表って、言っちゃ悪いけどやはり南アフリカ前の岡田ジャパンが頭に浮かんでしまうのだが、あの頃はただ中盤でパス回してるだけで、たまにペナルティエリアにボール持ち込んでも、ゴールを怖がるようにバックパス(それどころかボールを怖がるように逃げ回ってるやつも)というイメージしか残ってない。あのころに較べると、少なくとも前へ行こうという意識も、シュートしようという意識もあるし、全体のスピードも上がってるんだが‥‥。

 あと笑ったのは、「戦犯はどうみても本田だな。本田がいないのが悪い。本田死ね」っていうレス。これも(「死ね」ってところは別として)大いにうなづくしかない。「本田がいるとタメが作れる」とか、「本田が前でキープできるおかげでうんぬん」というのは、これまでも耳タコに言われていたことだが、それがあるとないとではこれほど違うって、理屈ではわかってたけど、目の当たりにするとけっこうショック。
 本田以外にそれができる選手がただの1人もいないってのもなあ。まあ、それを言ったら過去の代表にもほとんどいなかったけど。今振り返ってすぐに思い浮かぶのって中田ヒデぐらい? あとはタイプが違うが遠藤か。なのに2chにはタメを作ることと遅攻との区別の付かないアホがブツブツ‥‥

 もうこれ以上私が何言っても本田礼賛にしかならなくて、当てつけにしか聞こえないからこれぐらいにして、かんじんの試合について話そう。なんか負け試合みたいな雰囲気になってるが、勝ったんだからほめるところはほめてあげないと。

 というのも、これまでの日本代表ならあのままずるずると引き分けて勝ち点1で終わるか、悪くすればあせってちょっとしたミスから失点して自滅というパターンが実に多かった。そもそもあれの逆――攻めあぐねてアディショナル・タイムで決勝点取られて負けるのも「僕達の日本」の得意技で、それが逆転しただけでもすごい。
 そうはならずに勝てたのは、やっぱり地力がついてきたというのか、ザックという人が異常に「持ってる」のか。ただ、勝てて当然の試合内容でしたけどね。本田がいれば普通に3点差ぐらいで。いや、「たられば」はやめるつもりだったんだ。それでも1点でも勝ちは勝ちなんで、そこはほめてあげる。

 本田の代役を勤めた柏木(浦和レッズ)に対する風当たりが強いようだが、本田とは経験値が違いすぎるし、いきなり抜擢された若い選手に多くを求めるのも酷かなと思う。確かにあまりにも派手なミスが多すぎたが、完全に舞い上がってテンパっちゃってたみたい。それでもあれだけいっぱいシュートを打ったってことは、チャンスは作ってたし戦う姿勢は見せてたし、ここへ呼ばれるってことは素質はあるんだろうから(それにイケメンだし)、屈辱をバネにがんばってほしい。(もう呼ばれないかもしれないからクラブで)

 むしろこういうときこそ、ベテランががんばらなくてはいけない。その意味で、遠藤や長谷部、駒野、今野あたりの南アフリカ組は、さすがにダテにワールドカップは戦っていないというガッツを見せた。特に北朝鮮にボールが渡って、一気にカウンターに転じようとする「あ、あぶない!」という場面で、遠藤がとっさにかました強烈なタックルとか、前の選手の不甲斐なさに喝を入れるかのように、すごい勢いで何度もドリブルで切り込んできた長谷部の気迫には感心した。
 ちなみに遠藤は、幸い怪我には至らなかったが、北朝鮮選手の危険なタックルを受けて(故意ではなくたぶん雨で滑ったんだと思う)、あやうくスパイクを顔面に叩き込まれそうな危険な場面も。本田に続けてこの人まで壊れたら、本当にチーム崩壊もありえるのであせった。さすがに相手選手は一発レッドで退場だったが。
 彼らのクラブでの試合を見ていないから知らないんだけど、遠藤とか長谷部ってこういう選手だったっけ? クラブでもやってるのかもしれないが、それ以上に彼らの「こんなところで負けてたまるか」というプライドみたいなものを感じた。いつも言うが、ほんとにワールドカップを経験する(しかもそこで成果を残す)ってことはすごいよ。あー、なんかなつかしいっていうか、ワールドカップでは11人全員がこういう気迫の塊になってたんだよなー。とことん追い詰められてほんとに後がなかったから、死ぬ気でやってやるって感じで。

 こうなるとほとんどこじつけみたいになるが、そのワールドカップに帯同しながら出番のなかった内田と香川とはその辺で温度差が付いてるような気がするんだよね。
 内田は好きな選手だし、目が覚めるようなすばらしいプレイをするときもあるんだが、その一方で急に気の抜けたようなプレイもするので、完全には信頼できない感じがする。まああの性格考えるとわかるような気もするけど。それに香川はねえ‥‥

 実はこれまであえて香川の悪口は書かないでいたのだが、実は香川が好きじゃないのは、勘のいい人なら行間で感じただろう。なんで我慢してたかというと、ご存じの通り私は本田ファンなのだが、マスコミとかが変な形で本田と香川がライバル関係にあるみたいな構図を作り上げて(中村俊輔とのあれを思い出す)、それを意識してるみたいに見えるのがいやだったのだ。本人たちはおそらくまったくそんなこと考えてないのに、なんでわざわざああいう対立をあおる演出をするかねえ?
 ただ、あのオランダでのFKで俊輔にカチンと来た(詳細は『北ヨーロッパ旅行記』に)のと同様、香川が10番を付けてるのを見るたびちょっとむっとするし、「日本のエース」という呼び方(さすがに最近は聞かなくなったが)を聞くたび、「違うだろー!」とすごんでいるのも事実。あー、この日記の読者にはサッカー興味ない人も多いのでいちおういきさつを説明しておくか。
 なぜか日本では10番はエースナンバーということになっているのだが、ザックジャパンになって番号を決めるとき、VVVでも10番を付けていた本田が「10番が欲しい」と公言していたのだ。実際、ワールドカップでの活躍だけ見ても、大殊勲者だし、本田が日本の中心なことは確実だったので、彼がもらって当然と思えたのだが、なぜかザックは香川に10番を与えたのだ。べつに香川が望んだわけでもなく、本人は「本田君がそう言うなら自分は何番でもかまわない」と言ってたのにね。ところがそれを見た一部マスコミとか2ちゃんのニワカとかが「日本のエースは香川」と勘違いして騒ぎ回ってたのが不快というだけですがね。
 あと、これもなぜか(よく知らないが『キャプテン翼』の影響?)日本ではトップ下(本田のポジション)がエースの役目ということになっているらしく、2chあたりでは香川ファンが「本田を下げて香川をトップ下に!」というのがうるさかったんだが、私は「香川になんか勤まるわけがないじゃん」とあきれていた。そしたら今日は、柏木が交代させられたあと、香川がトップ下を勤める場面があったのだが、まるで何の役にも立ってなかった。

 いや、悪い選手とはまったく思わないよ。ときどきすごいテクニックを見せるし。ただこういうテクニックに優れてすばしこいタイプのMFは日本にはけっこういるので、香川がそれほど特別だとは思えないのよ。ドイツでの活躍のせいだろうが、絶好調だった時期は短いし、(もちろん若い選手だから、たまたま今が良くないだけで、これからもっと活躍することもありうるけどね)、海外実績なら長友がダントツだし、ドイツなら高原だって無双していたし。要するに、私の印象としては、香川の評判って「作られた感」が強いのだ。(ついでに2ch風の「陰謀論」を例にとると、香川は日本代表のスポンサーであるアディダスと契約しているが、本田はミズノ。アディダスとしては他社がスポンサーをしている選手をエースとするわけにはいかないという説)
 早い話がブンデスリーガを見ていない私は、香川は代表戦でしか見てないのだが、彼が代表でいい働きした記憶って、こないだの韓国戦まで一度もないんだよね。あれ見て初めて、「香川っていい選手だな」と思ったぐらい。

 と言うと、本田がやはり怪我で不在だったにも関わらず、5-0で勝ったアジアカップのサウジアラビア戦を引き合いに出す奴がいるが、サウジが最初から完全に戦意喪失というか戦闘放棄していたあの試合は論外。だいたい、岡崎がハットトリック、前田も2点入れてるぐらいヌルい相手に1点もゴールを決められなかったあたり、どうもこいつは看板倒れだなと思っていたんだ。ていうか、こいつ本田がいるときじゃないと活躍してないじゃん。
 そういや、アジアカップもアジア相手に苦戦したんだが、あのときも本田が怪我で調子悪かったんだよな。本当に本田がいないと何もできないチームってことがバレてしまったか。

 その感じは今日見ていても、ますます強まった。柏木があんなに責められるなら、香川だってもっと責められていいと思うぐらい、つまらないミスが多かったし、それ以上に無気力なプレイが目立った。いかにも軽いんだよなあ。もともと誰かにお膳立てしてもらわないと生きない選手だとは知ってたが、ついこないだのメッシみたいなプレイが(ああいうサッカーをしていると、本当にうまさが際だつ)、ここまで劣化してしまうとは。
 実は岡崎も同じタイプで、「飼い主」本田がいないとダメというのは前から言われてた。でも本人はそれに満足せず、ドイツへ行って「自力で打開できる選手になる」と開眼したはずと思っていたんだが‥‥今日はがんばっているのはわかったが、ズレまくりだったなあ。やはりFWの李も同じ。

 とにかく私はもともとがプレミア・ファンだし、前にも「点取り屋は重戦車みたいなタイプが好き」と書いたように、頑強でフィジカル強いタイプの選手が好きで、だから本田や長友に熱狂したわけだが、香川なんかはいかにも日本的な古いタイプの選手――すばしこくて小手先のテクニックはあるが、プレスをかけられると何もできないし、そのテクニックを試合で活かせない――に見えてしまう。その中では香川がいちばんまともなのは認めるが、日本のMFって(FWも)このタイプばっかりなんだよなあ。本田1人でこれだけ変わるんだから、日本にも彼みたいなタイプの選手がもっともっと出てくればいいのに。
 ちなみに歴代の日本代表で好きなフォワードは釜本、久保、高原。ああいうパワーのあるフォワードは日本じゃめったに生まれないんだよねえ。MFは言うに及ばず。
 まあ、彼は若いから(オリンピックに出られる年だというのがすごく意外な感じがする)今後に期待したいけど、あの体ではねえ。(身長ではなく細すぎるってこと) サッカーでも一流のプロは惚れ惚れするような体してるのに、そこらの町を歩いてる兄ちゃんと何も変わらないじゃない。あの体見ただけで期待が一気に減退するんだが、今から体作ろうとしてもむずかしいんだろうなあ。

 あと顔としゃべり方が嫌い。というと、もうほとんど単なる悪口だが。要するに日本人そのものの平面顔なんだが、ちょうど岡田監督がそうだったように、あの無表情な顔で淡々としゃべるのを見ると、(本当はそんなことないんだろうが)、何考えてるんだかわからないし、すごい傲慢に見えて、「なに偉そうにしてんだよ!」という感じになってしまうのだ。
 なのに日本じゃ、本田が傲慢とか生意気と思われてたんだから、やっぱり日本人の心理ってわからない。本田は若い頃から「自分の意見をはっきり言えて、まっすぐな性格の人」と思ってたんだけど、日本じゃこういうタイプが嫌われる。

 とかなんとか言いつつ、単に本田が見られないうっぷんを香川にぶつけてるだけのような気もしてきた(笑)。何の話だったっけ? そうだ、ワールドカップに出ていない内田と香川がいまいちって話だった。でもそれを言うと、彼らを出さなかった岡田が正解だったということになっちゃうので、言わなかったふりをして、名前のでなかった選手についても。

 ダメダメだった柏木に変わって投入されたのが韓国戦で男を上げた清武なのだが、今日も彼は良かった。若さに似合わぬ冷静さと正確さが柏木とちょうど正反対。これはもうレギュラー抜擢するしかないんじゃない? 香川と替えてくれてもいいよ。彼も顔は残念なんだが、あれだけいいプレイをされては認めざるをえない。それに今はまだ子供っぽさが残ってるから変な顔だけど、年取ると意外と渋い男になるかもしれない。

 最後の方だけしか出ていないが李の交替に入ったハーフナー・マイク(ヴァンフォーレ甲府)。前にも書いた194cmのオランダ系日本人。これが代表戦(公式戦)初出場だが、とにかくでかいFWというのが他にいないので魅力だし、現在Jの得点王を争っているというので期待していた。一方で、「高いだけで強さはないし、別に空中戦にも強くないよ」みたいな話も聞いてたので、どんな選手なのかなと。見かけはのっぽでヒョロヒョロでクラウチ(イングランド)みたいなんだが。
 明らかにまだ代表のサッカーに慣れてないし、出場時間が短すぎてなんとも言えないけど、惜しいシュートは放ったし、時間があれば点取れそうな感じだった。やはりサッカーで高さというのは武器で、この日本人離れした高さ(血統的には100%白人)はたとえ見かけ倒しだとしても、少なくともアジアでは武器になる。北朝鮮のDF陣はハーフナーが入ったら幻惑されたようで、すごーくやりにくそうだったもん。

 ちなみに攻撃陣の不甲斐なさばっかりが目立ったけど、それは北朝鮮が露骨な引き分け狙いで、引いて守るだけでまったく攻撃の意思を見せなかったからで、これが普通に攻撃されたらDFも右往左往で、しまいにはパニックになってオウンゴールってのが目に見えてる。

 にも関わらず、試合を決めたのはセンターバックの吉田のヘッドだった。
 あーっ! ここでも生きていた「僕達の日本代表」の伝統! 前線の選手が手も足も出ないで、CBがゴールを決めるってやつ。
 実は、これだけグダグダな試合になると、変な奴がどさくさまぎれにゴールするんじゃないかと思いながら見てたんだ。そしたらやっぱり! いや、変な奴呼ばわりはあんまりだね。吉田はアジアカップの緒戦だったヨルダン戦でも、貴重な1点を決めて日本を敗戦から救ったもの。
 ただ伝統に従うと、こいつらは次はオウンゴールで足を引っ張ったりもするので気を付けた方がいい。と書いてから気付いたが、ヨルダン戦はそもそも吉田が与えたオウンゴールでピンチに陥ったのだった(笑)。なんだ、自分で自分の尻をぬぐっただけか。本当の意味で闘莉王の後継者だな。レッドで退場とかもしてたし。変な伝統は引き継がないでいいんだけど(苦笑) 2chを見てると吉田は柏木以上の憎まれキャラで、吉田をクビにして闘莉王を呼べという声が大きかったんだけど、まるっきり同じじゃん(笑)。だいたいワールドカップ前は、まったく同じ理由で闘莉王下げろと騒いでたのに。

 しかしなんで吉田はこんなに嫌われるのかな? イケメンが2ちゃんで嫌われるのはよくわかるんだが(笑)。確かにときどき不注意なミスをやらかすし、ブログやテレビでのチャラチャラした感じが嫌われているようだ。でも私はこういうタイプの人わりと好き。(あくまで人柄の話) なんつーかわかりやすい三枚目だし。逆に、人柄はいいんだろうけど、香川みたいに何考えてるのかわからない人は苦手。
 実際、オランダにいる吉田らと、若手ドイツ組とは、地理的にも近いし仲良しで、しょっちゅう食事会とかやってつるんでいる感じも、まなじり決して切磋琢磨し合うという感じのワールドカップ組(本田・長友・長谷部・岡崎あたり)とはえらい違いで、やや違和感を覚える。だけど当人たちはそれで対立することもなく、年長組は叱りつけながらも生暖かい目で見守り、年下組は適当に敬意を払いつつも年上をいじって遊ぶという感じで、うまくいってるのがおもしろい。
 こういう一体感は昔はなかったというか、トルシエのころまではあったんだが、ジーコになってなくなったものだな。それでどう考えてもジーコジャパンの陰険なムード(ジーコが陰険なんじゃなくて、選手間に派閥ができて、やな雰囲気だったらしい)よりいい。それにしても若い選手がみんな本田のことを「圭佑」と呼び捨てにしてるのはけっこう驚きますけどね。たぶん本人がそう呼べと言ってんだろうが。
 そういや、吉田は名古屋グランパスからオランダのVVVへ行ったわけで、完全に本田の後輩じゃないか。ならもうちょっとしっかりしろ!と本田にも言われているようだけど(笑)。
 ただ、この試合についての彼のブログで、せっかくのチャンスだからゴール・パフォーマンスやろうと思ったのに槙野(こいつも吉田と並ぶお調子者)のディフェンスに阻まれたというくだりを読んで、また大笑いしてしまったので許す。やっぱりこの手は憎めないわ。しかし、殊勲者なのにみんなにボコボコに殴られて目に青あざ作ってるって‥‥(笑)。もしかして日頃笑って許してる奴らがどさくさまぎれに袋叩きにしたんじゃないか?
 とどめにFIFAの公式サイトで、得点者の名前が試合に出てもいない安田になってたのも、狙ったギャグとしか思えない。確かに日本人の名前は外人にはわかりにくいが、コピペすればすむところでなんでこういう間違いが起きるのか。よくまあこうネタばっかりだなあ。べつに吉田が仕込んだわけでもないのに。

 しかし笑ってる場合じゃないわ。北朝鮮だからこれで済んだけど、本番でこんなことやってたら虐殺されるレベル。ただ例年、3年も前に本番の予想なんて立たない。岡田の時なんて、3か月前でもまったく予想できなかったし、そもそもメンバーだって本番ではガラッと変わってる可能性がある。あとはザッケロー二がどう仕上げてくるかだねえ。
 そうそう、そのザッケローニ采配だが、結果がすべてという観点からは不敗伝説を守っているだけでもすごい。選手選考や選手交代も実に的確で、これはこれまでの代表監督にはまったくなかった才能。この人が付いているだけで妙に期待してしまう。

ウズベキスタン1−1日本
(2011年9月6日 タシケント)

 首の皮一枚で続いているとはいえ、さすがにこれだけ不敗記録が続くと、それがいったいいつ破れるかが気になる。「非公式世界王者」の防衛もかかってるし。(イギリスのサイトなのだが、いつ見てもトップニュースは日本代表ってところが、なんか誇らしくて、つい見に行ってしまう) それでこないだの北朝鮮戦の醜態を見ると、今日あたり危ないんじゃないかと思ってた。
 なにしろ3次予選の相手(北朝鮮、ウズベキスタン、タジキスタン)の中でいちばん強いのはウズベキスタン(こないだのアジアカップは4位)だし、このあとのベトナム(親善試合)とかタジキスタンとかに負けることはあまり考えられないからねえ。(野次馬としては、そこらへんに負けてベトナムが世界王者になるのもおもしろいとは思ってるが)

 だから開始8分でウズベキスタンに先制されたときは、「ああ、終わったな」と思った。

 前回の反省からか、ザックは柏木をあきらめ、本田の代わりのトップ下には長谷部を上げてきた。長谷部の代わりにボランチに入ったのは、代表は久々のベテラン阿部。さすがザックらしい手堅い戦術に思えたのだが、長谷部はぜんぜん機能せず期待を裏切った。まあね、急にやったこともないポジションやらされてきちんと結果出せるのなんて本田ぐらいだからしょうがない。(さりげなく自慢)
 ワールドカップでは影の殊勲者だった阿部もまるっきり精彩がなく、やっぱり年齢的衰えか、代表をしばらく離れてて勘が鈍ったのか。
 おまけに頼みの綱の遠藤は、どこか悪いのかというぐらい動きが鈍かった。(負傷という噂も聞いたが) そうでなくても、さすがに中3日でウズベキスタンというのはつらかった。全員パフォーマンスが落ちてるのは連戦と移動の疲れとしか。でもそんなのこの世界じゃ当たり前だからこのぐらいでへばってちゃ困る。もちろん香川もいつも通り消えてたし。

 主力選手がこの調子だから、ウズベキスタンに虐殺されてもやむを得ないという感じだったが、北朝鮮相手にはまったく出番のなかった守備陣が今日はがんばった。川島のファインセーブはいつも通り安定してるし、吉田も随所で攻撃を跳ね返してた。
 うーん、確かにチームとしての出来は悪かったけど、こないだのに較べたら今日の試合のほうが希望が持てたしおもしろかったよ。少なくとも互角の相手と死闘を繰り広げたわけだし、ウズベキスタンけっこう強かったし。
 ザックの選手交代もいつも通りの安定感。前半で阿部が機能してないと見て取ると、後半から清武に替えてきた。これで長谷部はまた下がって、香川がトップ下に。清武の落ち着きと安定感は本当に見るたび感心する。ただ、他の連中がヨレヨレで、点取れる気配もないから清武がゴールしてくれないかと思ってたんだが。

ウズベキスタン戦。ゴールを決めて喜ぶ岡崎。

岡崎ファンとしては彼のこのクチャクチャ笑顔が久々に見れてうれしかったんだけど、本田との熱い抱擁(これとかこれ)がないとやっぱりうれしさも半分だね。スペインで見ててくれたかな?

 もちろん岡崎を見捨てたわけじゃないよ。この人はなんか無条件に(人柄が)好きで、なんだかんだ言われながらもザックジャパンでいちばん点取ってるんだから、そろそろまた彼のゴールが見たいなーとは思っていた。それに「決してあきらめない」ことでは彼も人後に落ちないし、何度も何度も必死のトライを見せていたんだが、いかんせん、それが全部空振りしていたもので‥‥
 フォワードは李も変わらず良かったんだが、この人はなんかゴールポストに愛されちゃったみたいだしねえ。それにこぼれ球がゴール前に転がっても飛び込む奴が誰もいない! 二列目からの飛び込みがこいつらの売りじゃなかったのか? まったく本田がいないだけでどいつもこいつも‥‥
 しかし後半20分、内田のクロスに岡崎が頭から飛び込んでゴールを決めた。「利き足は頭」というのは、岡崎じゃなくて巻だっけ? そうじゃなくて「生涯ダイビングヘッド」というキャッチフレーズ通りのゴールだったが、あれは見るたびハラハラしますわ。ボールめがけて突進してくるDFの足もとに頭を投げ出すのって怖くないんだろうか?

 とまあ、岡崎のダイビングヘッド、川島のファインセーブなどが見られたので、なんか納得してしまったが、冷静に振り返ってみるとやっぱりひどい出来だったな。どっちの試合も本田と長友がいれば楽勝できたかどうかは、あくまで時の運もあるので何も言えないが、少なくともこんな退屈でみっともない戦い方にはならなかったことだけは確か。
 だいたい、日本でもフィジカル、フィジカル言うようになったからフィジカル向上してるのかと言えば、まともに体張れるのは本田と長友だけってのがよくわかった。とにかく日本人はみんな軽くてひ弱すぎる。Jリーグでも当たりが激しくなってきたから変わったのかと思ったが、あれは弱い者同士がぶつかり合ってるだけだったか。
 スタミナないのもいつも通りの「僕達の日本代表」。特にこういう厳しい試合になると、「スタミナお化け」の長友がいないのがこたえる。運動量とスピードが日本の売りだから、疲れて足が止まるといきなりボロボロになっちゃうんだよね。
 本田自身は決してそんなにスタミナあるほうじゃないのだが、やせ我慢で踏ん張るし、そもそも彼がいるだけで他の連中が楽できるからスタミナを温存できる。ていうか、見ていて、「普段どんだけ本田に負担かけてるんだよ。戻ってきたら少しは彼にも楽させてやれよ!」と怒ってしまった。
 これは選手や監督じゃなくマスコミが言ってるんだが、台風の豪雨がどうとか、ウズベキスタンの芝がどうとか、ピッチや天候のせいにするのも見苦しい。そういうところでもやるのがサッカーでしょ? 

 まっ、私としては、「どこに目つけてんだよ、ボケ!」とか、「下手くそ!」と罵りながら見れるという、昔ながらの日本が帰ってきたようで、それはそれでなご‥‥んだりはしないんだが。
 まあ、私も日本に執着する期間が長すぎた。そろそろイングランド・サポーターに戻ろうかな。いくらなんでもこれよりはずっとうまいし、そのわりには罵りがいもあるし。
 そういえば、ふだん代表戦のある日は、朝からワクワクして仕事が手に付かないぐらいで、中継が始まる前からテレビの前にワクワクしながら座ってるんだが、本田が出ないとわかってると不思議なぐらいワクワク感がなくて、君が代のくだりは見てなかったりする。やっぱり私はあくまで本田圭佑のファンというだけで、日本なんてどうでもいいんだろうかと考えたりして。できたら本田が引退する頃には、他にも夢中になれる選手が出てきてくれるといいんですがね。

 なんだかんだ言って、今の代表ってほんとに本田ジャパンだけど、1人の選手に依存するのって危険すぎる。なんかワールドカップ前の俊輔ジャパンを連想させるんだよね。岡田は中村俊輔を中心にチームを作り上げて、俊輔が好調のときはよかったけど、どんどん劣化する一方で非難ごうごう、チームもガタガタになっているのに、何を思ったかそのまま使い続けた。
 ザッケローニはそんなアホと違うから、万一本田が使い物にならなくなったら何かの手は打ってくるだろうけど、どうするかは頭が痛そうだ。

 コーチについて言えば、さすがザッケローニという感じ。今日の前半みたいに、たとえ作戦が失敗しても、何食わぬ顔して修正してくるのが頼もしい。って、それぐらい当たり前のことに思えるが、それをやってくれないために、試合を見ながら「アホかこの監督! 殺されたくなかったらすぐに○○を引っ込めろ!」とわめかなきゃならないことがあまりにも多かったので。
 オシムもけっこう自分の戦略にこだわったし、トルシエに至っては何があろうと譲らなかったし、岡田なんかもう手遅れっていう本番になって、やっと間違いに気付くありさまだったからね。気付いてなかったはずはないので、あれは単に意固地になっていただけだと思うが。ジーコは逆に何にも考えていなかったからやっぱり問題点をいつまでも放置。うまくいかないのは自分の戦略が悪いんじゃなくて選手が悪いぐらいな感じで。それにくらべるとザックはあまりにまっとうなのでうれしくて涙が出る。
 交替も的確だしね。今日もハーフナーを終了間際に入れたが、芝が荒れてるから放り込み要因ってのがすぐにわかるし。誰にもわかりやすくて理にかなった人選が良い。
 さらにスターティングメンバーを固定せず、毎回細かくいじってくるのは、本番に向けてあらゆる事態を想定してのテストだと思う。前半のフォーメーションがうまくいかなかったのも、とにかく試してダメだとわかっただけでも収穫だし。

 しかしこのチーム、ここまでは運の強さ(それとも実力?)でかろうじて乗り切ってきてるが、一度は惨敗して膿を出し切ってしまったほうがいいんじゃないの? こうも負けないと、絶対負けられない所で凡退しそうでこわいよ。
 本田の代役という点も何も解決してないし、今日の試合を見てたら遠藤の代わりも早急に探す必要があるし。ザックは家長昭博(スペイン、マヨルカ)を遠藤の後継者に考えているふしがあったけど、役立たなかったので見限られたかな。普通に考えれば、家長こそ本田の代役にぴったりなんだけどねえ。

 「永遠のライバル」のはずだった本田と家長、どこでこんな差が付いちゃったのかなー。ユース時代から天才とほめそやされ、そのわりに伸び悩んでいた、わりには本田のあこがれるスペインにあっさり移籍した家長と、ひたすら苦労しながら裏街道を歩んで栄光をつかんだ本田と。
 個人的に私が家長を気にしているのは、本田とはアストロジカル・ツイン(生年月日がすべて一致する人)だってことと、いい男だってところ(笑)。星占いなんて信じないけどね。たまたま同じ日に生まれた2人が、どっちも世界レベルのフットボール・プレイヤーだなんてなんか因縁めいたものを感じるじゃない。
 細くてヒョロヒョロの日本人プレイヤーにうんざりしている私としては、がっしりした筋肉質の体格も魅力。ついでに背も高いと思っていたが、今調べて173cmと知ってびっくり。えーっ、チビじゃん! なんでか画面じゃ大きく見えるんだよね。本田と同じぐらい(182cm)だとばかり思ってた。
 顔つきもきりっとした古典的な日本男子だし、スターになる条件は揃ってると思ってたんだが、なんでかだめなのは性格的なものか。内田あたりは天然だけど私には十分理解できるんだが、この人は宇宙人かってぐらいの超マイペースだからなあ。

 本田の怪我は最長で全治3か月だそうだ。まあ、それほど重い怪我ではなくて良かったが、年内は見れないのかよー。つまんなーい! もしかしてCLも出られないの? そんなー! 最高に調子が良かっただけに、そんなときに怪我するなんてほんとついてない。

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