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2011年3月18日 金曜日

時事

東日本大震災5

 ACのコマーシャルがまさにそうだが、完璧な正論で、純粋な善意から生まれたものでも、耳にタコができるほど短期間に集中して強制的に聞かされると、しまいにはむかついてくるものである。しまいには好きだったオシムを見てもイライラするようになった。
 ああ、私も書いたが、あのCMやっぱりすごい不評みたいね。しまいには不気味だの、怖いだの言われちゃって(苦笑)。
 非常に不謹慎な言い方だが、この地震に関する美談や哀話もそれと同じだ。いや、被災者の話はやっぱり何度見ても気の毒で泣くんだけど、被災もしてないやつがそれをネタに偉そうなこと言ったり、お涙頂戴しようとしたり、博愛主義の押し売りをしようとしたりしているのを目にすると、めっちゃくちゃむかつくようになってしまった。(いや、そんなんでも被災者にしてみればありがたいのもわかってるんだけどね)
 よってこの日記は、皮肉、意地悪、斜に構えた見方、不謹慎の平常運転モードに戻そうと思う。

 相変わらず、外国のニュースを見ているんだが、放射能漏れに対する諸外国のビビりかたに苦笑する。なんか日本、完全にエンガチョ扱いじゃない。それも、中国韓国は近いからまだわかる。ヨーロッパはチェルノブイリで死ぬほど怖い思いさせられた経験があるからまだわかる。
 だけどアメリカのあの脅え方はなんなのよ。あんな離れたところまで放射能が飛んでいくわけないのに、国内で放射能パニックだなんて。アメリカって口では反省してないなんて言ってるけど、やっぱり原爆について、原罪的な罪の意識を持っているんじゃないかと思う。

 にしても、東京電力と政府の対応はひどすぎたと思うけどね。地震と津波に関する日本の備えと対応は世界に誇れるものだと思う。今回は大変な被害を出したけど、これが他の国だったら、これ以上の被害に発展したことは間違いない。それにくらべて原発事故は警戒してなかったわけか。
 もう素人が何言ってもむだだけど、原発事故時の危機管理ならアメリカが上を行っているはずなので、どうしてアメリカや、原子力関連の国際機関に助けを求めなかったのかとか、東京には超高層ビルや人が近寄れないようなところに放水するための特殊な消防車があるはずなのに、どうしてそれを出動させなかったのかとか(今日になって行ったらしい)、謎だらけですわ。
 おまけにこういうときは、いい加減な流言飛語や扇動目的のデマが飛び交うので、混乱して脅えている人も多いんじゃないか。とりあえず、専門家や信頼の置けるメディア以外の情報を信じないこと。チラッとYouTube見たら、広瀬隆(有名なトンデモ本作家)がでかい顔してインタビュー受けたりしてるじゃないか。前に書いた宗教もそうだけど、こういうのも釣られちゃダメ! 情報がほしいならこっち(放射線医学総合研究所の公式サイト)見なさい。(でもYouTubeのうんち・おならで例える原発解説〜「おなかがいたくなった原発くん」は、かわいいしおもしろかった。信憑性のほどは知らないが、何もわからずにおびえている子供の不安を取り除いてやるにはいいと思う
 まあ、それでも東京から逃げ出したい人はぜひ逃げてほしいと思うけどね。少しでも人が減るのは大歓迎だから。

 それでも各国はレスキュー隊や軍隊を派遣してくれているが、イギリスのレスキュー部隊の失態に笑う。日本に到着したのに、大使館のお役所仕事(書類の不備かなんか)で現地に入れず、そのままUターンして帰っていったんだって。当然、現地では、「バッカじゃねーの!」、「世界に恥をさらした」、「これぞ英国クオリティ」とめちゃくちゃに叩かれている。
 なんかあまりにもイギリスらしくて、こっちは笑ってしまう。個々人は実に優秀なのに、なぜか秩序だった組織的行動というものができない国民なんだよねー。ロンドン・オリンピック大丈夫かしら? というか、こういう国では原発使ってほしくないんだが。いくら地震はないと言ってもねえ。

 海外の人のコメントやフォーラムを読んでいると、糞レイシストや、糞エコロジストや、未だに戦争のことを引き合いに出すやつとかもいてむかつくし、まるで事情がわかってないオトボケ野郎もいたりするが、勘違いは勘違いで、「なるほどそういう考え方もあるのか」と思えておもしろい。

 中でも頭について離れないのは、寒さや飢えに苦しむ避難所のレポートを読んで、「なんで被災しなかった地域の人たちが自分の家に連れて行ってあげないの?」という素朴な疑問。
 いや、日本人の物の考え方とか日本の住宅事情を考えれば、そんなこと助ける方も助けられる方も、かえってひどい負担でしんどいというのはわかりますけどね。でもそんなこと言ってる場合じゃないだろうって感じ。永遠にいるわけじゃないんだしさ。
 私がそれをいちばん強く感じたのは新潟大地震のとき。例によっていい加減な記憶で書いてるから勘違いもあるかもしれないけど、町中の壊れていない建物の前の路上で、焚き火をたいて夜を明かしている人たちの姿とかがテレビで流れて、「入れてやれよー!」と絶叫したのを覚えている。あのときはプライバシーのない避難所を嫌って、車で寝起きして凍死した人とかいたんじゃなかったっけ?
 避難所へ物資を運ぶトラックを見ると、「そんなの持ってくより、人をここから救い出して、電気や水道や、あったかい寝床のあるところへ連れて行ってあげればいいのに」と思わずにはいられない。というのも、前にも書いたと思うが、私自身が被災したとしたら避難所暮らしなんか絶対いやだし耐えられないと思うから。まして病気のお年寄りや赤ちゃんを、食料も水もない状態で寒い体育館の床に寝かせておくなんてひどすぎる。

 え? 私? もちろんOKよ。いつも言うように私はガイジンだから、他人を家に入れることなんてぜんぜん平気。むしろ楽しい。たぶんうちの惨状を見たら、被災者のほうがお断りだろうけど、それでもいいという人なら一人ぐらいは泊められる。地震の日も、あんな状態じゃなかったら、帰宅難民の人を誘って連れてきたかった。自分が疲れ切って、足が棒で、喉が渇いてたら、どんなにかうれしいだろうと思うから。でも帰宅難民には喜んでもらえるだろうけど、被災者はそんなの絶対いやがるんだろうな。
 いきなり思い出したが、そう言えば、外人って日本人よりプライバシーにはうるさいのに、他人を家に入れる(ついでに他人の家に入り込む)ことは気にしないのね。そもそもそうじゃなければ、アンドレは2週間も私を泊まらせてくれなかっただろうし。もし日本が本当に放射能に汚染されて住めないほどになったら、きっとベルギーに来いと言ってくれるはず。(たぶん)
 以前、日本で友達になったイギリス人をうちに招待したら、「日本には何年も住んでるけど、日本人に家に招いてもらったの初めて」と感動してたこともあった。向こうじゃ人を自宅へ招待するのは最大の好意のしるしなのに、誰も招待してくれないから嫌われてると思ってたらしい。
 都心は無理としても、都下や田舎には使ってない部屋がいくつもあるような大きい家に住んでいる人たちはたくさんいるでしょうに。共稼ぎの核家族じゃ無理としても、田舎なら大家族で一人や二人増えても大して変わらないような家もあるだろうに。でも田舎ほど、よそ者を家に入れるなんて抵抗大きいだろうな。
 だったら過疎地の空き家を貸してあげればいいのに。そういうところなら救援物資の輸送だって被災地よりは楽だろうし。なんか世の中の仕組みってよくわからない。

 余震はまだ続いている。やっぱりそうじゃないかと思っていたが、友達の話とか聞くと、うちは異常に揺れが大きかったみたい。千葉の浦安とかはかなり被害大きかったようだし、うちはそのディズニーランドから川ひとつ越えた近さだもんなあ。
 特にビビッたのは風呂に入ってるときとトイレに入ってるときに揺れたとき。こういう無防備な状態のときは勘弁してほしいです。

 デマや買い占めと並んで頭に来るのは、災害に便乗して金儲けをたくらむやつ。詐欺とかは論外だが、amazonのマーケットプレイスや、ヤフオクの電池の出品者ってなんなの、あれ? 特にマーケットプレイスはひどくて、乾電池8本で1万円とか平気で付ける悪徳業者も見た。(たぶんこういうのは業者じゃなくて素人だと思うが) 電池なんか地震直後から隣のダイソーに大量に売ってるわ!
 そうじゃなくてもマーケットプレイスの非常識な出品者って、amazonの信頼を汚すし、資格停止しろよ!といつも思う。普通に書店に並んでる(し、amazon本体でも買える)千円かそこらの本に、3万円とか付けて出品してるやつってなんなの? たぶん、絶版になってからの値上がりを当て込んで出してるんだろうけど、その本の人気がなくなってブックオフで100円になっても3万円のまま(笑)。
 まあ、そんなの誰も買わないから被害はないとは言え、見てるだけで不愉快だし邪魔。こういうのがいなくならないのは、おそらくヤフオクと同様、出品手数料がかからないからで、eBayみたいに出品手数料を上げれば自動的に変な出品者は淘汰されるって、前から言ってるのに。
 変と言えば、前から謎だと思っていたのが、amazonの1円出品。オークションなら値上がりに賭けてみるってのもわかるが、マーケットプレイスは固定価格だし。こちらは当然すべて業者だが、業者がなんでそんなことをする価値があるんだろう? ゴミに出すより得なんだろうか? 送料で多少は利益をかすめ取れるとしても、出品・梱包・発送の手間だけでも損するように思うし。
 ちょっとググってみたら、「宅配業者の大口ディスカウントを利用できるように販売数を増やすため」というのが出てきたが、これも疑問。そのためには1冊2冊じゃすまずに大量に売らなきゃならないし、たとえ送料が0円になっても、梱包材と人件費でマイナスになると思うから。

 と、首をかしげてるのも、実はその1円出品の本買ったんですわ。『ハリー・ポッターの呪い』という題の(笑)。いや、タイトルだけ聞くといかにもハリー・ポッターの怪しげな便乗本で、たぶん1円にされたのもそのせいだと思うが、実はまじめなカルチュラル・スタディーズ(文化研究)の本で、グローバリズムが英国伝統の児童文学に与えた影響を論じた本。
 英国文化は私の専門だし、ハリポタが英国児童文学の恥さらしってところは私も同感だし、それより、この本はハリポタ時代、つまり20世紀の終わりから現代にかけての英国社会や大衆文化の推移についても詳しく記述されていて、私も60年代から90年代まではかなり詳しいんだが、(主として金がなくて本や雑誌が買えないせいで)21世紀に入ってからの分の情報に飢えていたので、参考になると思って買った。
 で、届いたのを見たら、ちゃんとビニールと専用の封筒に入って、本も新品同様。この封筒の原価だけでも軽く10円は超えている。なんでこれが1円なのか?とまだ悩んでいる。もしかして、本をゴミにするのは忍びないという良心的な業者さん?

 買い占めパニックは嘘のように収まった。昨日はペットボトルの水とトイレットペーパーはまだないが、スーパーの棚には食料品が戻ってきた。仕入れすぎたのか、牛乳なんか棚からあふれてたぐらい。テレビで買い占めをやめるように警告したのがよかったのかな。だったらもっと早く言えって感じだが。買い占めは地震当日から始まっていたそうだから。
 そしたら今度はアメリカや中国で買い占めが始まっていて笑った。
 バカだよね、本当に東京で食料がなくなるなんて事態になったら、それこそ日本の終わりが近いときでしょう。まあ、そうなっても私はハト食って生きるつもりでいるけど。ここらのハトは無数にいるし、ゴキブリ並みの生命力で絶対生き延びるし、ほとんど人を恐れないので捕まえるのも簡単だしね。

 あと、停電も大変みたいだけど、うちは停電しないのでわからない。ならば節電で協力したいのに、うちはこれ以上節電できないのが残念だ。
 なにしろここ数年、極限の耐乏生活してますので、(それというのも海外旅行なんか行っちゃったせいだが)、テレビは壊れているので見ない(なぜか直ったが)、冷蔵庫は壊れている(冷凍庫しか使えない)ので、野菜などは外に出しておく、洗濯機も壊れている(そばについて叩いてないと止まる)ので、めったに洗濯もしない。一人だし、電気なんかなくても、外のネオンだけでけっこう明るいから、電灯さえ本読むときぐらいしか付けない。エアコンは壊れているし、うちのマンションは暖かい(昼間はTシャツ1枚で過ごせる)ので、冬もほとんど暖房は付けないし、そもそもガス暖房。使う電気といったら、パソコンとDVDを見るときぐらいだなあ。
 自分で書いてて驚いたが、私ってなんというエコ人間! すごい! (ただの貧乏人って言うんじゃないすか?) 日本国民全員が私みたいなら、原発なんていらないのにね!

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