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2010年7月12日 月曜日

スポーツ

ワールドカップ 雑感

(決勝戦の翌日に書き始めたものですが、その後ちょこちょこ書き足していったので、7月末までかかりました)

病気のこと

 あーあ、ワールドカップ終わっちゃったよ。(涙涙) おまけに、私はほとんど見れなかったよー。いつもの年なら、仕事なんかそっちのけで朝までテレビにかじりついてるのに。だいたい、夜中の2時3時というのは私がいちばん絶好調の時間帯なのに、病気してから、夜9時ぐらいになると眠くて眠くて起きてられない。がんばって目覚ましかけて起きても、頭もうろうで何やってるんだかわかんないし。よりによって4年に一度のこの時期に病気するなんてひどい!
 だいたい、4年に一度なんてケチなこと言わず、毎年やってもらいたい。それがダメならオリンピックみたいに夏冬2年おきとか。え? だから、夏と冬で交互にやるの(笑)。それなら、暑い国の人にも寒い国の人にも公平だし。でなきゃ、トーナメントやめて、1年かけて総当たり戦とか。クラブ・リーグ? そんなの1年間休みにするんだよ。ヨーロッパの奴らはチャンピオンズ・リーグがあるからいいけど、日本人がサッカーで盛り上がれるのってW杯しかないんだもん。

 というほどまでにワールドカップが好きなんだ。ふだんはそれほど熱心なサッカーファンとは言えない私も、W杯だけは特別。というか、毎年同じ相手と繰り返し戦うリーグ戦って、何がおもしろいのかよくわかんないし。ワールドカップのおもしろさは、やっぱり短期決戦なところと、一発勝負なところと、混成の即席チームだから番狂わせやハプニングに満ちているところと、世界中がいっしょになって騒げるお祭りってところ。今回もおもしろそうな試合いっぱいあったのに、ほとんど見てない!

決勝戦のこと

 昨夜も3時に起きるには起きたんだが、やっぱり起きてられなくて決勝戦は見逃した。しょうがないから録画で見たけど、いつ誰が得点して、いつ誰が退場してとかわかって見るのはやっぱりつまんなかった。(だったら報道見なけりゃいいのに、やっぱり見てしまうんだよね)
 あ、私はオランダ応援してました。こないだまでは敵だったけど、やっぱり本田を育ててくれたのはオランダだし、去年行ったよしみもあるし、オランダはヨーロッパ(大陸)ではなぜか唯一の親英国だし、ここはやはりオランダでしょ。だいたい私は北びいきなので、北と南の国が対戦するときは北を応援することにしている。
 だけど惜しかったね。ほんとに勝敗は時の運で、ひとつ歯車が違えばオランダ優勝も十分あった試合だったけど、とりあえずスペイン、オランダどっちもよく戦った(連戦の疲れか、どっちもありえないようなミスもあったけど)とほめておこう。

ルックスのこと

 ほんとはスペインも「敵」なんで、かなりくやしいんだけど。まあ、本物の無敵艦隊負かしたのはイングランドだからいいや。(まるで関係ない強がり)
 実はスペインがいやだったのは、見た目が不細工すぎるっていうのも。なんかやせっぽちのチビが走り回ってる感じで。(実際は日本代表より大きいしたくましいんだが) トーレスみたいな優男も嫌いだしね。しかもヒーローがイニエスタでは、たとえばベッカム人気みたいな、サッカーに興味ない一般女性まで引き込むのは無理だなー。私の周囲のおばさんたちも、日韓の時は盛り上がってたのに、(日本が勝つまでは)「え? ワールドカップやってたの?」って感じだった。
 とりあえず、スター・ストライカーがなぜかハゲの醜男ばっかりのこの大会で、日本人選手が女性やホモにチヤホヤされる理由がわかったような。そう言われてみると今回の日本チーム、粒が揃ってるよね。長友や岡崎でも、少なくとも外人の目から見れば「エキゾチック」だし(笑)。

審判のこと

 ちらっと見た実況スレでは、オランダは乱闘まがいのラフプレーの連続、逆にスペインはわざと倒れてシミュレーションばっかりのひどい試合だみたいな文句ばかりが並んでたけど、嘘じゃん! ていうか、2ちゃんねるに本当のことが書かれるはずがないんだけど。オランダが本気で切れたらあんなもんじゃないよー。いつだったかのポルトガル戦(両チーム16枚のカードが出て、4人の退場者を出した)みたいに、サッカーやってるんだか何やってるんだかわかんない試合になって。もっともあれは審判もひどかったけど、今日の主審(イングランド)は荒れそうになった試合をうまく収めていた。でも2ちゃんじゃ審判がいちばんひどいとか書かれてたな。バカが。

 そういえば、私が応援していたイングランドと日本は早々に消えたけど、審判だけは決勝まで残ったんだな。これはこれでなかなかえらい。イングランドはともかく、日本の審判が決勝に(4審と5審だけど)出たというのは快挙だし、選手以上にほめられていい。やっぱりどっちも技術があってフェアなところを買われたんでしょうな。決勝の審判って、表彰式でメダルもらえるのね。知らなかった。西村さんって背も高くて堂々としててかっこいいな。
 そういや、「Jリーグの審判は笛吹き過ぎるんで、日本選手は接触プレイに弱い」という通説も、私は違うと思っていた。日本人はまじめにルールを守るから、きちんとルール通りに笛を吹くけど、ヨーロッパや南米はすべてにアバウトなお国柄なんで、試合の流れを止めたくないとかいう理由で、あえて目をつぶることもあるってだけでしょ。
 そういや(ってこればっか)今回の大会、カードが多すぎるとか文句いってる奴もいたけど、これもワールドカップではなにしろ全世界に見られてるから、みんなまじめにお仕事するからじゃないか。だいたいワールドカップでは毎回カード多いよ。

 ただ、やっぱり誤審はいただけないけどね。でもここでもつい、審判の肩を持ってしまう。だいたい、審判が選手並みの運動能力を求められるスポーツなんてサッカーぐらいじゃないか。あれだけ広いピッチを走り回って、あれほど展開が早くて次に何が起きるかわからないスポーツを3人で見るなんてことがそもそも無謀で、神様でもないのにすべて見てろってのは酷。だからビデオ判定の導入とかが言われるんだろうけど、イギリス発祥のスポーツだけに、伝統やナチュラルさにこだわるのもわかるから。
 しかし、だからといって、「見つからなければいいや」ってんで露骨な反則するやつは最低! 審判の判定がすべてとされるのも、あくまで選手もフェアに戦うというのが前提だから。とにかくなんか「神の手」多すぎ! 私なんかマラドーナのあれを未だに恨んでるぐらいだから、(マラドーナが嫌いなのもそのせい。たとえサッカーがどんなにうまくても、あれは許せない)、「神の手」って聞いただけで、いやーな気分になる。そういう奴らはみんな敗退したからざまーみろだけど。

NHK特集のこと

 お話変わって、W杯の開幕前と後で、日本代表があそこまで変化したのはなぜなのかという特番をNHKでやっていたので見た。それはぜひとも知りたいところで、これまで報道されなかった裏話が聞けるかと思ったから。でも新しい話はまったく聞けなくて、戦術の変化とか、守備に徹したこととか、当たり前の話で、結局謎は解けないまま。
 それ以外では選手だけのミーティングをやったとか、みんな仲良しだったとか、そういうどうでもいい話。確かに2006年のチーム内は険悪だったみたいだけど、お互いのホテルの部屋を訪問するのが、勝利の決め手とは思えないんですけど。結局、日本人って、「チームの結束」でくくるのが好きだねえ。私はむしろ、日本がいつまでたっても弱いのは、自己主張をしない馴れ合い集団で、競争がないからだと思ってるんだが。本田なんかはまさにその熾烈な競争原理を代表に持ち込んだはずなのだが、いつのまにか勝手に仲良しグループに入れられてしまった。
 あと、日本のジャーナリズムって絶対ネガティブなことには触れないのね。むしろW杯前の日本がなんであそこまで弱かったのかも分析してほしかったんだが。

 そういえば、W杯がらみでサッカー選手の特番が組まれることも多くて、けっこうそういうのを見たんだけど、なぜかどれもこれもお涙ちょうだいの人情話になってしまうのがすごいいやで、見るたび後悔する。若いころ苦労した話とか、家が貧乏だったとか、故郷のおばあちゃんがどうとか(苦笑)。そんなのどうでもいいよ。私は他人のおばあちゃんなんかどうでもよくて、むしろその選手のどこがどうすごいのかをじっくり見せてほしいのに。これならYouTubeの名場面集だけ見てる方がまだまし。
 あと、人情話はいっぱいあっても、戦術面とか技術解説の特番がまったくないのも不満。素人としてはそういうほうが見てておもしろいのに。本田の無回転フリーキックだけで1時間番組作ってよ。(決勝戦見てても思ったけど、ほんと誰もFK入らないのね。デンマーク戦の2発のFKはほんとに神FKだった) まあ、今ではテレビそのものが、見てるのは猫と白痴だけという前提で作られてるからしょうがないけどね。

順位のこと

 全試合が終わって、FIFAから全チームの順位が発表されたが、日本はなんとベスト8に進めなかったチームの中ではトップの成績で、つまり総合順位は9位! マジでイングランドより上なのか! 「これなら日本の方がまだ強い」と書いたのはイヤミのつもりだったのだが、まさか本当に日本より弱かったなんて! なんかあんまりうれしくない‥‥
 が、日本の健闘はすなおに誉め称えたい。だって、2006年のドイツ大会の順位は28位、今年はたぶん北朝鮮よりは上だから31位ってのが開幕前のほぼ一致した予想だったからね。それが9位!ってこれはもう奇蹟に近いよ。今大会の最大のサプライズかもしれない。

 それ以外のランキングもおもしろい。今、手元にあるのはグループリーグ終了後のランキングだけなんだが。全試合通じてのランキングは探したんだが、部分的なやつしか見つからなかった。とりあえず、最終的に全選手中、日本人が唯一の1位をとったのは「被ファウル率」で、本田。
 えー、これはどう解釈したらいいんだ? それだけきついチェックを受けて削られたってこと? ま、それも大物の証拠だし、その状態から2得点しただけでもすごいし、彼がファウルをもらうことで、日本の得意なセットプレイに持ち込めたんだから、やっぱり本田は救世主だったな。
 逆に日本が出場32チーム中最低だったのはパス成功率。だいたい予想はついたが、これでスペインみたいなパスサッカーを目指してたって? やっぱり岡田の考えって基本的に間違ってたとしか。
 ほかに日本が強そうなところというと、走行距離とスピードだが、これは長友がトップスピードで4位(こっちはグループリーグの統計)、遠藤が走行距離で17位が最高。長友が速いのはわかるが、あのぼけーとした感じの遠藤がそんなに走ってたなんて。もっともそれを言ったら、本田はトップスピードが日本人選手中3位(2位は大久保)、走行距離は2位で、「走らない、足遅い」って誰のことだよ!!! まあ、なんとなくわかるけどね。要するにちょこまか走る小さい奴のほうが足の回転が早いから早そうに見えるけど、結局はストライドの長い長身の選手に追いつかれるという。

 それ以外の日本の順位はほとんどが下の方にごちゃごちゃとかたまっていて、やっぱりチームとしては下位クラスだったことがよくわかる。それで9位ってのはやっぱり奇蹟だ。

フィジカルのこと

 しかし、チビがけなされ、長身選手がもてはやされるサッカーは見てて気持ちいいですな。特に体が大きい人間が肩身の狭い思いをして、時には不当な中傷まで受ける小人の国、日本で暮らしてる私みたいな人間には。(私なんて、体がでかいってだけで、派手だとか、生意気だとか陰口いわれたもんね)
 優勝したスペインは小さかったから、体格がすべてとは言えないが、それでも長身選手のほうが有利なのは一目瞭然。なにしろ頭と足しか使えない競技なんだから、空中戦はもちろん、足長い(リーチが長い)ほうが有利に決まってるじゃん。人一倍運動音痴の私ですら、学校体育のバレーボールやバスケやサッカーでは、頼りにされたぐらいだから。

 なのに日本人選手はどうしてもああもチビばっかりなのか? 本田(182cm/76kg)程度でフィジカルあるって言われてるんだからね。確かに日本女子は年々身長が縮んでる。昔は大学で私(171cm)より大きい女子学生もけっこういたのに、最近は皆無だが、男子はけっこう190cm代もいるのに。(私は自分がでかいので、背の高い人を見かけるとすぐに身長訊くので) 
 私だってべつに巨人じゃないですよ。なのに、男のプロのスポーツ選手で、私より背が小さいばかりか体重まで軽いのを見ると、思い切りタックルかまして吹っ飛ばしてやりたくなりますね(笑)。
 国策としてやってる北朝鮮のようなチームは、とても東洋人とは思えないような長身選手ばかり揃えていたし、日本だって野球選手や相撲取りはみんなでかいじゃない。なんでサッカーだけみんな小さい?(特にフォワード) 
 思うに、育成段階で、小さくて足の回転の早い子の方がうまそうに見える(実際、小中学校でスポーツがうまいと言われる子はたいていこのタイプだ)ので、そういう子が選抜されて、大きい子は取り残されてるんじゃないか。それでJリーグだとみんな同じレベルだから、それでもやっていけるけど、対外試合だと足も追いつかないし、コロコロ転ばされると。マリノスの新星、小野祐二もうまいけど、小さいねえ(169cm)。まだ17才だから多少は成長するかもしれないけど。

W杯誘致のこと

 またお話変わって、日韓共催のワールドカップは時期尚早だったんじゃないかという気がしている。あの日本代表や韓国代表でもあそこまで戦えたってところを見ればわかる通り、この地の利はものすごいものなのだ。なにしろ東アジアの異常な高温多湿の6月ってのは世界でもあまりないもので(赤道直下の熱帯雨林出身の人とかを除けば)、サッカーみたいに激しいスポーツにはまったく不向きだし、外国選手はみんな体調崩してバテバテだったもんね。
 日本も年々少しずつは強くなってるので、2022年あたりに日本でやれたらかなりのチャンスがあるとは思うが、今度はたぶん無理でしょうってわけで。今年はいいとこ見せたからちょびっと有利にはなったけど、せめてベスト4に残るぐらいじゃないと。あーあ、生きてるうちにもう一度日本でワールドカップが見たいよ。っていうか、今度やるとしたら通訳ボランティアかなんかで潜り込みたいよ。

岡田監督の強運のこと

 さんざん文句を言ってきた岡田監督だが、ただひとつ彼が「持っている」ものがあるとしたら、それは恐るべき悪運だろう。悪運と言ったのは実力を伴わない運という意味だが。(実力が運を呼び込むケースもあるから)
 そもそもこの程度の監督が代表監督をやっていられるということ自体、運がなければありえないこと。これまでもよっぽど運に恵まれてきたんだろうな。
 そもそも前回、3連敗した監督を再び代表監督に据える国がどこにあるだろう。もちろんそれには政治的思惑だのなんだのが裏にあるんだろうが、それもひとつの運である。それでも普通の国ならとっくに降ろされていただろうが、日本みたいな普通じゃない国に生まれたのもひとつの運。
 ワールドカップ前にも、サッカー協会も見過ごしにできないような、どうしようもない試合をして、解任直前まで行ったことが何度もあった。ところがそうなるたびに直後の試合に大勝して(もちろん、相手は弱小国だが)解任話はうやむやになってしまった。中でもいちばんひどかったのが、開幕直前の4連敗だが、このときはもう待ったなしで、辞めさせたくてもできない土壇場まできていた。
 そこで、これまでの戦術もフォーメーションもすべて放棄してWCに臨んだわけだが、これで惨敗すれば確実に非難の嵐、下手するとサッカー生命を断たれる事態になってたはずだが、それがトントン拍子のベスト16。解任どころかヒーローに祭り上げられてしまった。
 監督辞任後も協会の理事に収まって、今後のサッカー人生は保証されたようなもの。なんという強運の持ち主か。もちろん勝負事は運も大切な要素なので、その意味では優れた監督と言えるかもしれないが。

 辞任後の岡田監督には、ドイツとイタリアの二部リーグからオファーがあったというニュースを見た。弱小日本をあそこまで押し上げた「手腕」を買われたものだろう。
 行くべきだと思うよ。私はとにかく日本サッカーを進化させたければ外へ出て行かなきゃだめという主義だから。選手もがんばってる、審判もがんばってるんだから、次は監督ががんばるべき。もし行けば、これまでの恨み辛みは全部水に流して応援してあげる。
 でも行かないだろうな、このタコが。

タコのこと

 タコといえば、ドイツの試合結果すべてを当てた予言ダコのパウルくん。あれは絶対なんかからくりがあると思ってるのは私だけじゃあるまい。それを承知でおもしろがってあげるのが大人だけどね。

俗信の嘘のこと

 W杯後の楽しさは移籍市場を見ることである。W杯で活躍した選手はたいてい海外から声がかかるから。今回真っ先に売れたのは、世界的なストライカーを体を張って抑えた長友と、スーパーセーブを連発して日本を救ったゴールキーパーの川島というのも納得できる。ただ、移籍先は長友がセリエAだけど、昇格したばかりのチェゼーナ、川島がベルギーのリールスということで、「その程度?」って声もあるけど、やっぱりその程度だからしょうがない。2人ともまずはそういうところで力を付けて、もっと上を目指してもらいたい。
 とりあえず、ベルギーは私にとっては特別な国なのでうれしい。GKの海外移籍ってめったにないことだし、今でこそ落ちぶれてるが、ヨーロッパの中心で他人の釜の飯を食うことはいいことだと思うよ。

 その川島のベルギー入りを報じたニュースで、彼に「ニイハオ」と呼びかけたチームメートがいたということが、例によって2ちゃんねるで取り沙汰されていた。要するに「日本と中国・韓国の区別も付かないガイジンうんぬん」ってやつで、私は「またか」と苦い顔をしていた。
 なんかこういう固定観念に凝り固まった無知な人って、自分の固定観念を裏付ける話を聞くと、鬼の首を取ったように騒ぐのね。

 確かに顔見ただけじゃ日本人と他のアジア人の区別なんて付かない。(私だってわからん) だけど、ベルギー人はこいつらがベルギーについて知ってるより、はるかに日本のことよく知ってるぞ。それもアンドレみたいな親日家で、何度も日本に来ている人の話じゃない。ご近所のおじさんおばさんだって、日本のことを実によく知っていて、私も思わず、「どうして日本のことにそんなに詳しいの? 日本でベルギーと言っても、チョコレートぐらいしかみんな知らないのに」と訊いてしまった。
 それに対するヴァレリーの答は、「だって日本は重要な国(important country)だから」というもの。大国だからベルギーでもいろいろ報道される、ベルギーは小国だから、日本人が知らないのも無理はないってわけ。
 実際、私がベルギーに滞在しているとき、日本では総選挙があったのだが、7時のニュースのトップで、日本の政権交代を報じていたな。日本で他国の選挙結果がトップニュースになるなんて、アメリカ大統領選ぐらいじゃないか。
 だいたい日本人に「ニイハオ」というベルギー人をバカにする日本人だって、フランス人やアゼルバイジャン人に「ハロー」と言うに決まってる(笑)。べつにそれも失礼じゃないし。

 結局こういうのって、単に自分の劣等感を他人に投影しているだけなんだよね。日本を知らないガイジンをバカにするような人というのは、自分が外国のことを何も知らない劣等感を投影しているだけで。

本田の移籍のこと

 で、本田はどうなるのかなあ、と、結局そこへ戻ってくる。Wカップの活躍で、ビッグクラブからのオファーの噂だけはたくさんあるが、CSKAは出す気ないんでしょ? これはガセだとは思うけど、プーチンから「本田は出すな」という指令が下ったという話も見たぞ。嘘とは思うけど、ああいう独裁国家じゃありえないことでもないのが恐ろしい。おまけにCSKAじゃボランチなんかやらされて、本田も腐ってるらしい。私の悪い予感が当たって、モスクワ行ったのは裏目に出たんじゃないかという気がしている。あのままオランダにいれば、今ごろ移籍先なんかよりどりみどりだったろうに。
 もっとも、本田の側としては、あそこで出るほかなかったのかも。なにしろ蓋を開けるまでは、日本代表に呼ばれるのか、ワールドカップに出られるのかどうかも不確実だったからね。ビッグクラブへ行くには大舞台でスカウトに印象づける必要があるが、ワールドカップで出番がないんじゃ、チャンピオンズリーグしかない。だけど、VVVじゃCLには出られないから、確実に出られるCSKAに行くしかなかったんじゃないかと。それでもCLでもW杯でもきちんと結果を出して世界を驚かせたのは立派だが、おかげでまた移籍料が跳ね上がり、ロシアから出るに出られなくなってしまった。つくづく岡田は癌だったという話。

 その後いろいろ報道を見てるんだが、CSKAでボランチを命じられたのも、要するに彼以外ボールを落ち着かせることができる選手がいないかららしい。本田はさっそくこれに反抗して、勝手に上がっていったりしてるらしいが、その罰としてか、とうとうベンチに下げられた試合では、CSKAは格下相手にグダグダになって敗戦。皮肉なことに、これでますます本田がいないとやっていけないことを証明してしまった。
 本田がいちばん輝くのはトップ下ということはオランダで証明しているし、本人もそれをやりたがっているのに、代表ではフォワード、クラブではボランチを無理やりやらされて、この人は本当に運がない。それでも結果を出すのはさすがだが。CSKAにはそのポジションに生え抜きの選手がいてだめらしいが、そんなの移籍する前にわかってたんじゃないの? ていうか、わざわざ最果ての地モスクワなんか選んだのは、好きなようにやらせてくれるという約束があったからだと思っていたが、違ったのか。
 その後は報道も二転三転して今はイタリアのACミランがかなり本気で獲得をねらっているようだが、どっちにしろスポーツ紙の報道なんてあてにならないし。とにかく、前回の移籍同様、騒いだあげくに「えーっ?」ってところでなければ、どこでもいいから早くロシアを脱出してほしい。

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