このページのいちばん下へ

サイト内検索 

2010年6月16日 水曜日

ワールドカップ カメルーン対日本
2010年6月14日 ブルームフォンテーン(南アフリカ)

ゴールを喜び、ベンチに駆け寄って、控え選手に祝福される本田圭佑
本田は救世主なんかじゃない。でもなぜかこのポーズが十字架のキリストにそっくりで‥‥

 あはははは‥‥全敗予想は見事に外れましたな、ごめんなさい。それに選手の皆さんにもごめんなさい。
 でも岡田監督には絶対あやまらない。本番の数日前に初めて試した、万策尽きたあとのヤケクソの奇策の本田ワントップで臨んだが、たまたま、というか、それが本田だったから点取れて、カメルーンの組織が崩壊したから勝てただけ。だいたい、6回もチャンス与えられれば、どんなヘボ監督でもまぐれで1勝ぐらいできるでしょ。
 だいたい偉そうにコンセプトだとかなんとかさんざん吹聴し、この2年間、俊輔システムでチームを作り上げてきたのに、本番になるとそれを全部ご破算にするという迷走ぶり。この2年はなんだったんだ!
 何が気に入らないって、この期に至るまで本田をハブっていやがったこと。単に選手を見る目がないっていうか、好き嫌いが激しくて、一度気に入らないといくら実績で証明しても受け入れないし、一度気に入るとどんなにダメでも使い続ける。もし2年前、いや1年前でもいいから、すなおに実力認めて、本田を中心にチームを組み立てていれば、本当にグループリーグ突破も夢じゃなかったのに。数日じゃなくて、まる2年の準備期間があったのに!
 しかし、何が岡田に起こったんだ? 今の今になって、はっきり嫌っていた本田をやたらめったら持ち上げ、お気に入りの俊輔や岡崎をベンチに置くとは? なんかちょっとアタマ変になってるとしか思えない。

 とはいえ、本田の得点と日本のW杯アウェー初勝利はすなおに祝福したい。だから今日はネガティブなことは書かない。〈もうすでにいっぱい書いてるやんけ!〉
 正確に言うと、ワントップと言うよりゼロトップだったな。本田だけ前に残して、彼が1点取ったあとは、残り10人がひたすら耐えて守り抜くという、爽快さもかっこよさもみじんもない試合運びだったが、日本のような弱いチームが格上に勝つにはこれしかないので、それはしょうがない。
 こういう試合は(日本を応援しないで)見てるほうには退屈そのものなので、やはり海外では退屈な試合だったという評価が多いようだが、日本人にとっては後半は手に汗握りましたね。とにかく闘莉王のオウンゴールさえ止めれば勝てる!と(笑)。

 もっともいちばん手に汗握っていたのは当人の闘莉王かもしれない。後半、何もないところで十字を切っていたが、あれは「どうか守りきれますように」と祈っていたのか、「どうかOGしませんように」と祈っていたのか。(闘莉王は敬虔なカトリック) 試合終了後は他の選手から離れて芝生にひざまづき、祈りを捧げていた。確かに彼としては感無量でしょう。16才で日本に渡り、ワールドカップに出たいがために日本に帰化し、ついにその願いがかなった上に、勝利まであげてしまったんだから。なんかこういうところが憎めなくて、いくらミスしても守備放棄しても嫌いになれない。

 ついでだから他の好きな選手のことも書こうか。前にも書いたが、阿部が好き。ハンサムだしうまいのに、なんか気が弱くて人が良さそうなところが。しかし、いつのまにか彼がレギュラーになっていたのにも驚いた。オシム以後、ずっと呼ばれてなくなかった? わけわからんがうれしい。
 戦力的にはダメダメモードに入っているが、岡崎も憎めない。なんといってもあのパアーッとした笑顔を見ると憂さが吹き飛ぶ。ただ、ずっとあの笑顔が見られないのが残念。どうも、「下手くそだけど泥臭く一生懸命やる」のが売り物の選手って、W杯じゃ通用しないんだよね。巻がまさにそうだったけど。
 逆にいつもキリッとしてるのが長谷部。古典的な日本美男子顔で、まじめな優等生だし(でもけっこう気が強い)、日本じゃ誰にも愛されてるようだけど、ああいうタイプは私は疲れるのでお友達にはなりたくないな。でもキャプテンは合ってるかもしれない。
 川島は闘志むきだしなところがゴールキーパーにぴったり。やっぱりGKはあれぐらい気迫がないと。(イングランドのグリーンは顔立ちからして優男で迫力ないなー) GKはずーっと川口・楢崎固定で、若手が出てきていなかったので、(これも遅かったが)将来楽しみ。なんでもないボールでも親の仇みたいに体を投げ出してむしゃぶりつくところが若くて微笑ましい。
 松井はよく知らないが、本田とは合いそうだと思っていたら、絶妙のコンビでしたな。やっぱり海外で実績残してる人は大舞台で違う。
 長友は小さい体でがんばるというところがいかにも日本人好みだが、海外の強豪相手にどこまでそれが通用するかと思っていた。でもエトー相手に通用しちゃったね。えらい。
 遠藤も大久保も中澤も駒野も嫌いじゃないし、なんだ、岡田の選手選考にはさんざん文句を言ってきたが、結局残ったのはわりと好きな選手ばっかりじゃないか。ていうか、親がバカでも子は育つというか、経験的に言ってダメ親ほど子供はしっかりするみたいなんで。

ネットでも話題になった、エトーと本田、謎のラブシーン。
なんかわかんないけど、おもしろいので記念に。うれしそうだね、2人とも。

 でもやっぱり本田がいちばん好き。本来なら日本のエースとして、華々しく迎えられるはずが、なぜか代表に合流したとたん、意味不明のいじめにあったりバッシングされたりして、彼も苦労したと思うが、そんな細かいことは意にも介さず、大目標に向かって突き進む勇気と決意の強さには感心させられる。
 決して世間で言われるような自己中でもビッグマウスでもなく、周囲への気配りもあるし、(得点後、最初に控え選手のところへ行くのもいいなあ)、発言は考え抜かれたもので、頭も良さそう。(何も考えずにアホな発言ばかり繰り返す監督の下だとよけいに)
 それだけに岡田に対しては不平不満も大いにあるだろうが、そのむちゃくちゃな采配にも甘んじて従って結果を出してみせるのもすごい。
 そうそう、その本田のゴールについても。なにしろ全試合で日本のシュートは3本(本田が2本で長谷部が1本)という、お家芸の拙攻を見せた試合だったが、その1本を確実にモノにするあたり格が違う。ああいうとっさの判断って、日本のフォワードに欠けてるもので、本職のフォワードだったら、誰もあれ入れられなかっただろうな。
 体も強いし、心も強いし、スタイルいいし、ファッション・センスもいいし、人柄もいいし、もう言うことないですな。あえて唯一の難点といえば、大阪人だってことだけか(笑)。すいません。私は生粋の東京人なので、大阪弁を聞かされるとなーんかバカにされてるような気がしちゃうんですよ。本田の発言も文章で読むとえらくかっこいいんだが、生で話すのを聞くとなんか違和感が‥‥

 ここでいきなり思い出したが、私のジンクス生きてたよ。ワールドカップ日本代表では、私が応援する選手が必ず得点するってやつ(2002年鈴木隆行、2006年玉田)。まあ本田は当然という気もするけど、鈴木や玉田はほとんど期待もされていなかった。それを思えば、当然の結果でしたな。

 とにかく、本田にとっては小さなゴールだったけど(残念ながら上のリーグへ行くにはこれだけではまだまだね)、日本にとっては大きなゴールだった。鈴木なんかあの一発でいまだに語り継がれるんだからね。
 そこで次はオランダ戦。巷ではここは捨ててデンマーク戦にすべてを賭けるべきだなんて声もあるけど、そうはしてほしくないな。少なくとも本田はオランダで無双してたんだから、彼にとってはオランダなんかぜんぜんこわくない。(守備の選手にとっては十分こわいだろうが) とにかくオランダには個人的にも去年の借りがあるんだから、ここでも一発決めてもらいたいものである。

 このページのいちばん上に戻る

ひとりごと日記トップに戻る

inserted by FC2 system