このページのいちばん下へ

サイト内検索 

2010年12月5日 日曜日

映画評

Braveheart (1995) 『ブレイブハート』
directed by Mel Gibson

 えー、なんでこんな古い映画を今さら‥‥と思われるでしょうが、実は、今書いているスコットランド旅行記が難航していて‥‥いや、難航というより書きたいことが多すぎて書く時間が足りなくて、というのもこの旅行は大感激の大正解だったので、それは期待してもらうとして、そういや、スコットランドの英雄を主人公にした映画があったなと思い出して、そういやアカデミー賞とかも取ったんだっけ、今スコットランド史のお勉強の復習しているところだし、ちょうどいい機会だから見ておくかと思ったし、最悪、スコットランドのあの美しい風景だけでも見られればいいし、てんでブックオフのバーゲン品コーナーで買ってきたわけ。
 ところが見たらこんなんなっちゃったので、とりあえず、この映画が好きな人、メル・ギブソンやソフィー・マルソーのファンや、心温まるヒューマン・ストーリーが好きな人は読んだら気分悪くなること請け合いなので読んじゃダメ。しかし、曲がりなりにもスコットランドだし、私の映画評はたいてい批評家目線でまじめに書いてるのに、なんでこれはこんなことになっちゃったのか? ついでに文章おかしいのはなんでなのかとか謎だけど、そんなのどうでもよくなるぐらいむかついたので、とりあえず書く。

 そもそもこれまで、なんで見てなかったのかというと、メル・ギブソンが嫌いだったからというのが大きいかな。メル・ギブソンといえば『マッドマックス』で、若い人は知らないだろうが、これは公開当時、日本でも大評判になったので、私も見て、怒り心頭に発してボロクソのこき下ろしリビューを書いたのでよく覚えている。
 (ただし、『マッドマックス サンダードーム』だけは好き。荒唐無稽もあそこまで突き抜けてしまうと、かえってファンタジーになるので、オーストラリア映画のぷっつんさがよくわかるいい映画だと思う)

 それだけでも嫌いだが、ついでに言うと、ここまで醜い俳優はいないと思ってる。ちっこい目に眉間の張り出しが猿人そのものだし、口元の卑しさがこれまたサルそのものだし、若いころから見苦しかったが、年取るにつれてもはや正視に耐えなくなってきた。それがぼうぼうの蓬髪を振り乱し、顔を青くペイントして、キルトはいて太腿むき出しで走り回るって、それ聞いただけで、くるっと回れ右して、「さようなら」ってなりますよね、普通。
 先に断っておくが、名前にサーとかついてたって、この当時のスコットランド人というのはれっきとした野蛮人である。だから髪なんか一生洗うはずないし、猿人顔でもぜんぜんおかしくはない。だけど、それならせめてゴリラ顔にしろよ。これじゃ猿回しのサルだよ! ここまで小物感たっぷりのギブソンをヒーローにしようってほうが無理。同様に、デブは歓迎(キルトはでっぷりとお腹が突き出た人のほうが似合う)、ハゲも歓迎(ショーン・コネリーのどこが悪い!)、ジジイでも化け物でも歓迎だが、メル・ギブソンだけはよせ!

 おまけにこいつはチビ。劇中で「ウィリアム・ウォレスって身長7フィートじゃねえのか?」とからかわれる場面があり、これがギブソンのチビを意識して入れたセリフなら笑えるが、チビのくせに、無理やり作った筋肉でムチムチの体がすごい気持ち悪い。おまけに年のせいで筋肉がたるんできてるので、なんか筋肉がよけい取って付けたように体から遊離して見えるのがものすごーく気持ち悪い。見ていると人間じゃなくてアクション・フィギュアかなんかみたいだ。
 とにかくこいつが画面いっぱいに動き回っているだけで、まともに映画を鑑賞しようという気が失せ、何かの冗談かいやがらせじゃないかと。
 とにかく時代劇はやっていい役者とやってはいけない役者がいるとはいつも言ってるけど、革ジャン着たチンピラしか無理なメル・ギブソンを主役にって、監督は何を考えてるんだと思ったら、監督もメル・ギブソンだからしょうがないのか。

主演のメル・ギブソンとソフィー・マルソー
なんか見てるだけでヒシヒシと殺意がわいてくるツラだな、2人そろって。

 加えて、ヒロインのイザベラを演じるソフィー・マルソーもひどい。フランス人だからいちおうそこは納得なのだが――おっと、そういえば、なんでウィリアム・ウォレスがオーストラリア人なんだよ! というイチャモンを忘れていた。やっぱスコットランドびいきとしては、これがいちばん気になるよなあ。
 周囲の役者はほとんどスコットランド人俳優で固めてるので、よけい浮き上がりまくるのなんの。いちおう下手くそなスコットランド訛りの真似事はやってるんだが、ときどき標準アクセントに戻るし、そもそもすごい下手だし。こういうのはイギリス人俳優はうまいのに。せめてイングランド人にすればよかったのにね。(なぜかっていうと、イギリス人役者は階級ごとの訛りとか地方訛りとかができないと商売にならないからである) つーか、ウォレス本人がウェールズ人だからウェールズ人でも良いよ。

 というわけで、ソフィー・マルソーの下手くそな英語はフランス人王女なら当然だから許すのだが、顔は許せんな
 最初に出てきたときに目を疑ってしまった。これじゃプリンセスっていうより馬じゃん(笑)。と、ついヘンリー8世みたいなことを言ってしまうが、本当に馬面。なぜかこの人は日本で人気が高いようだが、どこがいいんだ、いったい? これがかわいいってどこをどう見れば? ずんどうの体型もセックスアピール皆無だし。私の印象では(衣装がそっくりなせいか)、(もともとブスな)レーア姫を老けさせた感じ。ましてイザベラらしい切れも魔性も感じられないし。

 ウォレスの殺された愛人(おっと、奥さんか。あの秘密結婚式のあたりも嘘くささ全開なんだが)を演じたキャサリン・マコーミック(イングランド人)は、ほとんどスッピンでも品のある清楚な美人で良かったのに。というか、この2人以外のキャスト、つまりスコットランド人(一部、イングランドやアイルランド含む)キャストは全部いいと言ってもいいぐらいなんだよな。

エドワード1世を演じるパトリック・マッグーハン

 その中でも容姿でも演技でも、他を圧倒しているのがエドワード1世を演じたパトリック・マッグーハン(生まれはアメリカだが、名前でわかるようにケルト系で、アイルランド人)。『プリズナー』の主役のあの人ってだけでも、ファンとしてはたまらないです。
 しかもイギリス人役者(とりあえず、私がイギリスっていうときはアイルランドもスコットランドもウェールズも含む)の常として、年取ってからのほうがはるかに重厚さと魅力を増すんだよな。この人も若い頃はかなり癖のあるエキセントリックな顔立ちだったが、年をとったらあっと驚くハンサムに。もういかにも中世の王様って感じで、貫禄十分、衣装もセリフも似合いすぎ。頭のおかしい人がチェックの毛布かぶって暴れているようにしか見えないメル・ギブソンとは違いすぎる!
 私は中世ものに関しては厳しい「王様チェック」(同様に、「お姫様チェック」や「王子様チェックもある。要するに、どれだけ本物の中世の王様らしいかということ)が入るのだが、その「中世度チェック」で近年最高点を取った『LOTR』のどの王様よりこの人の方がポイント高い。というか、イギリス系のベテラン俳優は、誰でも王様や魔法使いをやって決まるのがすごい。
 パトリック・マッグーハンは昨年亡くなったが、惜しい人を亡くしました。

 あと、ウィリアムの少年時代を演じた子役のジェイムズ・ロビンソン(グラスゴー生まれのスコットランド人)がよかった。かわいくはないけど、不敵なツラ構えがよい。と思って今IMDbで調べたら、今ではえらいハンサム・ガイに成長しているではないか。おっ、これは買い!と思ったが、ろくな作品に出てないなー。ほんと世間は見る目がないな。
 他にもウィリアムの叔父を演じたブライアン・コックス(ダンディー生まれのスコットランド人)とか、親友を演じたブレンダン・グリーソン(ダブリン生まれのアイルランド人)とか、ロバート・ザ・ブルース(後のロバート1世)を演じたアンガス・マクファーデン(グラスゴー生まれのスコットランド人)とか、見応えのある役者はぞろぞろ出ているので、主役2人がいなければ、いい映画になったかもしれないのに。

 いや、それでもやっぱりダメかというわけで、次に戦闘シーンをけなす。どうやらこれがこの映画の最大の売りだったらしいので。それを知らなかったら、「歴史物で戦争シーンがこれじゃね」と切って捨ててたはずなんだけど。

 まあ、これに関しては同情の余地がないでもない。というのも、この15年の間に映画技術は飛躍的に進歩しているから。今なら役者をひとりも使わずに戦争シーン撮ることもできちゃうしね。まあ、私はそういうCGの多用には反対なので、その意味、これの手作り感がいいかと言うと‥‥
 第一印象としては、やる気のないエキストラがもたもた歩いてるのばかりが目立つって感じ。それがリビューを読むと、「実際の戦場そのものの緊迫感」とか、「スピーディーな展開」とか書いてるから、本当に同じ映画見てるのかしらん?と思ってしまう。ついでにエキストラの衣装も手抜きだと書こうと思ったが、ウォレスの軍隊って、適当な寄せ集めのメンバーだったからこれでいいのか。
 このまったりとしたスローテンポも、実際の中世の戦争なんてこんなもんだったはずだからしょうがないのかもしれないが、娯楽作品としては退屈で眠くなる。
 途中からはもう退屈して横目で見てたからいい加減なことしか言えないが、この映画の戦争って、ワーッと両方がぶつかり合う→はい、勝ち。ワーッと両方がぶつかり合う→はい、負け。ってこれだけじゃないすか?
 あと、戦闘前の「お尻ペンペン」ね。あれはいちおう嘘ではないんだが、スコットランド人の品位を貶めるようなもの、あまり見せてほしくなかったんだが。
 ちなみに中世(風)の戦争シーンに関しても最も感心したのは『LOTR』。モブ・シーンなんかCGでごまかしていても、刻々変化する戦況とかがあれだけリアルに、手に汗握る形で実現したのはすばらしいと思った。ていうか、私は戦争物は好きだが、戦争シーンが嫌いで、たいてい退屈してしまうのに、手に汗握って見ただけでも『LOTR』はすごい。これが演出の力量ってもので、この映画はそれが皆無。

 戦争がらみで、ついでだから残酷シーンについても。これも公開当時は、あえて残酷な面を隠さず描いたみたいにほめられてたが、これはやっぱり時代の差かねえ。今だったらこの程度、おそらく話題にもならないと思うが。
 特に、G・R・R・マーティンの『氷と炎の歌』に狂って以来、リアルな中世、リアルな戦闘にこだわってる私には許せないレベル。くどいようだが、中世というのは恐ろしく残酷な時代で、おまけにこいつらは本当の蛮族だったんだから、残虐行為なんて酒のつまみみたいなもの。特に最大の見せ場のはずのウォレスの拷問シーンを見せないなんて! まあ、これ映したらたぶんアカデミー賞は取れなかったが(笑)。絞首、馬裂き、斬首、腹裂き、内臓焼き、残った肉片はバラバラにして各地にばらまくって、この頃の処刑のフルコースで、なかなかこれ全部やってもらえる人いないんだけどね(笑)。
 まあ、せっかく拷問しても、されてるのがメル・ギブソンじゃぜんぜん萌えないどころか気持ち悪いから、私としてはむしろ見せなくて正解ですが。

 その3はもちろん、時代考証の間違いとか意図的な歴史の捏造。いや、時代劇でそれ言ったら終わりだってことはわかってるんだ。そういう嘘は大目に見てあげるのが時代劇の鑑賞法で、細かいこと言い出したら歴史映画なんて撮れないし、クソおもしろくもならないってことは。しかし、それにしてもこれは捏造がひどすぎる。

 そもそも、最初聞いたときの私の反応は、「なんでウィリアム・ウォレス?」。いや、これがアイルランド革命の闘士とか、アメリカ独立戦争の英雄というならわかるのよ。でも、ウィリアム・ウォレスって思いっきり失敗した反逆者じゃない。それでもアメリカかアイルランドなら、「彼は失敗したけど、こういう小さい犠牲の積み重ねで今のこの国がある」と言えるけど、スコットランドという国はもうないし、彼の死は無駄死にでしかない(苦笑)。だったら、悲劇として泣かせる話になってるのかと思ったら、どうもそうでもないようだし。
 話はそれるが、今、アイルランドの闘士と書きながら思い浮かべていたのはもちろん『マイケル・コリンズ』なのだが、リアム・ニーソンって、『ロブ・ロイ』の主役もやってたんだね。そっちのほうが映画としてはまだましなんじゃ‥‥と思ったら、オールシネマにすら、「同じスコットランドの実在の英雄を描いているという点で、メル・ギブソン監督・主演の「ブレイブハート」(同じ年に公開)に比べたら、全てにおいて足元にも及ばない作品」なんて書かれてる! これよりひどいって‥‥かえって興味をそそられるな。チャンスがあったらこっちも見てみよう。

 というわけで、見る前からかなり違和感を覚えていたのだが、見てますますあきれた。いや、ウォレスとイザベラがからむようなアナクロニズムのことを言ってるじゃないの。そういうのはむしろ話をおもしろくするためのテクニックとして許容する。そうじゃなくて、根本的なテーマとか、訴えようとしていることが変なのだ。

 そもそもこれを「愛と感動の物語」にしようとしているのもかなり問題だと思うが、ウォレスをスコットランドの自由と独立のために戦った義士みたいに描くのはどうかと思う。ぜんぜんそんなんじゃないですから。最後の「フリーダム!」には思わず吹いてしまった。(まさか史実じゃないよね、これ)
 そもそも民族の自主独立とか、愛国心なんてものは後世になって生まれた概念で、この時代の人たちにそんなものはない。彼らが戦うのは私利私欲や個人的復讐のためだけで、それがいけないことだという概念すらまだない。スコットランド王というのは確かにいたが、だからと言って、スコットランド人すべてが王に忠誠を誓っていたなんてことはまったくない。単に貴族同士が殴り合って、いちばん強いやつが王様を名乗ってただけで(笑)。民衆にしてみれば、王様が何人かなんてことはどうでもよくて、イングランドに支配されようが誰に支配されようが、それほどひどくなければ我慢するし、我慢できないほどひどければ反乱を起こすだけだ。
 イングランド王家を見れば、それがいちばんよくわかる。歴代のイングランド王で、イングランド人の王様なんてほとんどいない。今の王家だってドイツ系だし、スチュアート朝に至ってはスコットランド系だ。つまりイングランドがイングランド人に支配されていたことはほとんどないわけ。そもそも国籍とか人種とかいう観念が希薄だったのね。上に書いたようにウォレス自身もスコットランド人じゃないし。(Wallaceという名字は「ウェールズ人」の意味)

 確かに今のスコットランドの愛国者にとってウォレスは英雄だろう。民間人が寄せ集めの軍隊率いて、イングランド軍相手に一矢報いたなんてことは、スコットランドの歴史の中でもそうはなかったからね。でも、それも単に運が良かっただけという説があり、どうやらウォレス自身が戦術や武勇に長けていたというわけではなかったみたい。
 まして、今風の「英雄」ではまったくないです。なのに、映画ではウォレスをひたすら聖人君子に仕立て上げ、逆にエドワード1世を悪鬼のごとく描いているのは違和感なんてものじゃない。エドワードは強権的で残酷という、この時代としては名君の条件を持ってた男で、実際王様としてはかなり有能だったし、一方のウォレスだって聖人君子だったはずがない。
 もちろん古い時代のことだし、この手の英雄譚の常として、ウォレスの話にはかなりの尾ひれがついてるはずだ。だけど、映画はそれにさらに尾ひれをベタベタくっつけて、おそらく原型をとどめなくなっている。今たまたま手元にある『とびきり哀しいスコットランド史』(筑摩書房)を見ても、ウォレスはスターリング・ブリッジの戦いで倒したヒュー・ド・クレッシンガムの死体を細かく切り刻んで親類縁者に送りつけたとか、クレッシンガムの皮で剣帯を覆ったとか書いてあって、残酷なのはエドワードだけじゃなく、ウォレスだって平気で女を強姦するような男だったことは間違いない。

 それで思い出したが、エドワードの息子のエドワード、後のエドワード2世の扱いもひどい。もっともこっちは史実に近いはずだが、いくらなんでもあんなバカ殿みたいに描かなくても!と、つい思ってしまうのは、私がデレク・ジャーマンの『エドワードU』のファンだから。史実を歪曲って言えば、あの映画のほうがはるかにひどくて、単なるゲイの妄想だが、妄想もあれだけ美しければ許す
 エドワード2世がバカ殿だったのは事実だからまあ許すとしても、その妻の王妃イザベラを心優しい天使のように描くのはやりすぎだ。だってイザベラって言えば稀代の悪女じゃない! あんな男のところに嫁いできて、気の毒な面もあるにはあるが、だからといって愛人とつるんで夫を滅ぼし、あまつさえ国まで売ってのけた売国奴の売女じゃないさ! (と、イングランド愛国者でもある私は感じてしまう) エドワード2世なんか、焼け火箸を肛門に突っ込んで串刺しにするという、ウォレスの最後よりはるかにひどい拷問で殺されたんだからね。
 だからかえって、この映画の最大の嘘――イザベラがウォレスと寝て彼の子を身ごもり、それを病気で口のきけなくなったエドワードの耳元にささやく――が変に真実味を帯びてしまうぐらい。これはありえないことだけど(イザベラが嫁いできたのはウォレスが死んだあと)、あの女ならそれぐらいやってもおかしくないと思えてしまう。

 ロバート・ザ・ブルースも「根はいい人」に描かれてるが、これもなあ。彼は結局、イングランドについたり、スコットランドについたり、フラフラと両陣営の間で綱渡りしてた日和見主義者なんだけど、映画ではそれは父親のせいということにしてしまっている。この手のいい加減なスコットランド貴族が、目先の利に目がくらんでスコットランドを売り渡してしまったために、この国は消滅したことを思うと、よけい好きになれない。

 この映画、脚本家の名前もウォレスというアメリカ人で、子孫なのかと思ったら、ウィリアム・ウォレスの存在も知らなかったそうだ。それがたまたまエジンバラを訪れてウォレスの銅像を見たのが、興味を持ったきっかけというのだが、想像するに、何も知らない素人が、思い入れと思いこみだけで勝手なウォレス像を作り上げたってことだろう。同名のよしみでご先祖さまだと思えば、つい美化したくなる気持ちもわかるし。
 それと監督と主演のメル・ギブソンについては、とにかく熱演だったのは事実だし、あれだけ激しい演技しながら監督も務めるのは大変だったことは間違いないから、それはご苦労様と言ってあげよう。
 だけど、この薄っぺらい嘘くささは、いかにも歴史ってものがないオーストラリア人とアメリカ人が作った映画って感じだよね。『エドワードU』にしても、こないだ書いた『Tudors』にしても、妄想満開の作り話ではあるが、本質はきっちり押さえてるし、決して薄っぺらにはならないのに。

 が、これを書くために適当にウェブを検索していたところ、後年のメル・ギブソンが、「ウォレスはただの残酷な野蛮人でヒーローでもなんでもなかった。あの映画はすべて嘘っぱちだった」と述懐している記事を発見。お前が言うな!!! つーか、そんなことも知らないで撮ってたのか!

 最後にとどめ。それでもスコットランドの美しい風景は見られたからいいやと思っていたら、この映画のロケ地はほとんどがアイルランドだって。スコットランドにそっくりなんだなー、とわかっただけが収穫か。
 あ、言い忘れたが、バグパイプ風の音楽もきれい。だけど、話の中身があんまりというお粗末でした。

 このページのいちばん上に戻る

ひとりごと日記トップに戻る

inserted by FC2 system