2007年10月の日記

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2007年10月12日 金曜日

 ああああ‥‥、なんか脳細胞が日一日と死に絶えて行ってるような気がする。それともこれってアルツの前兆か? だって、やらなきゃならないことは山積みなのに、ぜんぜん気が付かない間に時間だけが過ぎてしまってるんだもの。これが若い人なら、気が付いたら1時間たってたとか、夜が明けてたぐらいは普通だろうけど、私ぐらいになりますと、気が付いたら1週間とか2週間とかたっていて、勝手にパニックになっている。
 日記もネタがないわけじゃないのに、サボればサボるほど書く暇がなくなって、結局何も書けなくて欲求不満ばかりがたまる。なんて言ってないでとりあえず書こう。

 まず近況ですが、最近は店はほぼ開店休業。それでも閉めないのはこれが趣味だから。生活のほうはと言うと、前述のアンドレのような外国のお金持ちのために、使い走りをやってなんとかしのいでいるのが現状。
 しかし、よりによってCD屋なんていういちばん儲からない商売を始めた私はバカだった。(好きでやってるからいいんだけど) CDでも売れるのは70年代以前というのもわかってたんだけど、私は自分が80年代以降が好きなものだから。海外から高い金払ってCDを取り寄せようなんていう人は、やっぱりそれなりにオヤジなので当然だけどね。
 でもそういうのを扱う店は乱立してるから、むしろ隙間商売のつもりで始めたんだけど、それでも需要が桁違いだわ。だからといって、今さら宗旨替えするのもムカつくので、いよいよ破産するまでやるつもり、と開き直っている。そのうち、うちの購買層も年取って、お金持ちになってくれることを期待して(笑)。でもその前にCD自体が終わっちゃうか。

 で、何が売れてるかっていうと洋服。前にも書いたように、UNKLEファンのおしゃれな海外の若者たちに、裏原系のブランドを店やオークションで買いあさって送っている。このバカ高い服を、航空便送料と私の手数料を払ってもまだ現地の代理店で買うより安いなんて、あこぎな商売してるなあ。
 それならいっそ本気でやってやろうかとも思うが、私にはどうしても服にそれだけのお金を払う心理が理解できないので、商売人の意地として、やっぱり自分の納得のいかないものは売れない。いいものだってことは見ればわかるが、私がふだん着ている300円のTシャツと、1万円のTシャツをくらべて、値段ほどの違いが見つからないので。
 だいたい服なんて消耗品じゃない。それを思うとコストが高すぎると思うのだが。

 というせちがらい生活とは裏腹に、あいかわらず若い男性には変にモテるのが不思議(笑)。

 こないだも大学の仕事を終えて夜の10時頃に帰宅したら、ドアの前に置き手紙がある。ぜんぜん知らない男の子の名前で、神戸から会いに来たので電話くださいと書いてあるのだ。見ると来たのは午後5時なので、いくらなんでも帰っちゃっただろうと思って、電話すると、ずっとマンションの近くで待っていたのだと言う。ひえ〜!
 もちろん初対面の人で、前にもちらっと書いた浜田さん(Mansun好きのシンガー・ソングライター)の弟分なんだそうだ。それで浜田さんに「おもしろい人だから東京行ったら会いに行け」と言われて来たらしい。言われたからって来るか! それもアポなしで!
 しかしせっかく来てもらったのに追い返すわけにもいかず、いちおう家に上がってはもらったが、頭の片隅では、「夜中に見ず知らずの男性を、女の一人住まいの家に入れるかなー?」という疑念がチラチラ。
 しかし、見るからに若いので、おそるおそる年を聞いたら、高校生だって! いくらなんでも若すぎる! お母さんほどの年っていうけど、実は私は彼のお母さんよりずっと年なのだ。こんなアルツハイマー寸前のおばさんに会って楽しいですか?
 しかし当人はいたって無邪気に、「俺って変わってるんですよ」とニコニコしている。やっぱり変わった人に好かれるのって、私自身が変人だという証拠ですか?
 とりあえず、前にも書いたように私はお客さんは大好きなのだが、アポなし訪問だけはやめて!

 こうして息子のような年の男の子に好かれる一方、海外ではフランスのジャン=リュックとカナダのスコットがあいかわらずラブレター(のつもりじゃないんだろうが、英語は表現が大げさなうえ、そうとしか思えないほど優しい)を送ってくる。特にスコットはプレゼント攻勢にまいっている。
 彼のためにも私は洋服を買って送ってあげてるのだが、しっかり手数料は取っているのである。でもお礼に私にもFuturaのTシャツを買ってくれたから、「じゃあ、今回の手数料はなしにするね」と言ったら、「それなら代わりにUNKLEのTシャツをプレゼントさせてくれ」だって。(ちなみにどっちも手数料よりはるかに高い) なんか論理が破綻してるー!
 それで「もらえない」、「もらってくれ」の押し問答が延々と続いている。あまりにしつこいので、「あなた、強情だって言われたことない?」と訊いたら、「みんな言うけど、それが僕のいいところなんだ」と言って譲らない。何がなんでも私にプレゼントをくれたいらしい。
 普通、ここまで行けばいくら鈍い私だって、「こいつ何か下心があるんじゃ?」と思うところだが、あるはずないんである。だってカナダと日本に離ればなれなんだから、何かしようったってできないしね。純粋に私に親切にしたいらしい。その気持ちだけでもうれしいが、でもやっぱり頭の片隅で「なんで?」という疑念が。

 私って、若い男性を引きつけるフェロモンでも出してるんだろうか? (ちなみに学生にもモテる) だったらなんで若いときにこういうことがなかったのよ! (もちろんいつでもボーイフレンドはいたが、彼らは下心丸出しだったし) それともお母さん代わり? でも母性愛ぐらい私に縁のないものはないし、お母さんらしいことなんかなんにもできないし。
 色気も何も枯れ果てた今ごろになってモテてもなあ(苦笑)。なんかすごく惜しいことをしたような気がしてくやしい(笑)。ついでに自分の年に見合った男性との出会いは皆無なのもくやしい。
 とりあえず、スコットは誰に対してもこんなに気前がいいとしたら、そのうち悪い女にだまされてむしられるんじゃないかと心配。あ、ちゃんとお母さんの考え方になってる!(笑)

2007年10月13日 土曜日

 どうもつまらない話(のろけじゃないです、本当に)をお聞かせしてすみませんでした。ちょうど日付けも変わったので、ここからはまじめに音楽の話。私はこれが本業なんですよ! なのに、前にも書いたように、このところ、私の好きなバンドが立て続けに新譜を出したので、たまり過ぎちゃって書くに書けない。というか、それ以前に買い過ぎちゃって聴く暇もない。
 はい、赤貧にもかかわらず、CDにだけは湯水のごとく金使ってます。これはアンドレが悪い。彼のためにいつも10万円単位で入札してるから、1万円ぐらいだと安いような気がしちゃってつい(笑)。さすがにUNKLEのレア・プロモ(2万円超)には手が出ませんけどね。
 それで今は買い集めたCDをぽちぽち聴いているところだけど、私の評価では「神」ランクなのは、UNKLE、Manics、Puressence、それにIan Brownと、だいたい普段から高く評価しているバンドだから、なんの驚きもないけど、ほんっとうにどれも甲乙付けがたいほどすばらしいんですよ。でもどこから手を付けていいかわからないから、今日はこの人の話。

Ian Brown - The World Is Yours (Polydor, 2007)

(前回のリビューは2005年11月4日参照)

 私が買ったのは2枚組の限定盤。最近は限定のあるアルバムは限定盤しか買わないのだが、高いので(英国でも3000円以上)、UNKLEに散財したあとでもあるし、あとまわしにするつもりでいた。そしたらスコットにうるさく勧められたので根負けして買った。「ここがいちばん安いよ」とリンクを送ってきて、私が「買った」と言うまで、「買わないとなくなるよ」、「すごくいいから買いなよ」と責め立てられた(笑)。私がCD買いをやめられないのは、こういう親切な友達のせいもある。
 限定はボーナスCDとして、アルバム全曲のオーケストラ・バージョンが入っている。ただ、この前のベストの限定盤がすごく豪華だったので期待したわりには、単にスリップケースに入ったディジパックというだけで、ちょっとがっかりだったな。スリーブ・デザインもちょっとBapeのゴリラを思わせるサルの顔でいまいちだし。(もっともこの人は必ずジャケットで顔出しをするのだが)

 で、あんまり期待もせずに聴き始めたのだが、なんか底なし沼に引きずり込まれるように、1曲ごとにぐいぐい引き込まれ、最後はハラハラと涙を流している自分に気づいた。
 アルバムとしては、むしろこれまでの彼のソロの中でいちばん地味なぐらいかもしれない。ほとんどすべての曲にストリングスが入り、淡々として静かなバラードが続く。はっきり言ってぜんぶ曲調がいっしょだし、ほとんど曲の区別も付かないぐらいなので、普通なら飽きると思うだろう。
 ところが聴いているとこれが、「岩にしみ入る虫の声」って感じで(適当な比喩が思いつかない)、じわじわじわと心にしみ入り、しまいには号泣させられるしろものなのだ。
 聴いててぼんやりと思ったのは、「なんかこれって禅の境地だなあ」ということ。すべての力みを捨てた(というか、この人は最初から力が抜けきってるのだが)自然体。よぶんなものは何ひとつない。参加メンバーを見ると、元Happy Mondaysとか元Sex Pistolsとかの騒々しい連中も入っているらしいのだが、とてもそうとは思えない、ミニマムでシンプルな演奏。
 この簡素さとストイックさが、妙に東洋的なものを感じさせる。ワビサビの世界と言ってもいい。
 さらにそこに乗る歌詞がすばらしい。信じられないだろうが、この人はものすごーく深い、考えさせて、じーんとさせる詞が書けるのだ。

 ちなみにおまけのオーケストラ・バージョンだが、私はリミックスの一種かと思っていた。そしたら、歌は一切なし、電気楽器もなし。本当にオーケストラだけで全曲を演奏しているのだ。これだけ聴くと完全なクラシック・アルバム。これこそ私は退屈しそうだが(基本的にリズムのない音楽は聴けない)、ちゃんと最後まで聴けたというだけでも、原曲の良さがわかる。

 深い! 深いぜ! なんでサルにこれができるのかは、未だに大いなる謎だが。
 批評はあまり良くないようだが、スコットに言わせると、「このアルバムの悪口を言うような奴は、彼の偉大な才能に嫉妬しているだけなんだよ」というのもうなづける。というわけで、これはガキ向けのレコードではない。音楽を知り尽くした、本物のわかる人にこそ聴いてほしい音楽。

2007年10月20日 土曜日

Windows昇天のはなし

 というわけで、またもWindowsを再インストールするはめに。なんにもしてないのになんでこうなるの?! いつものアプリをごく普通に使ってたら、突然バチッと言って画面が消えてしまい、その後は立ち上げても「ブートドライブが見つかりません」という、いつものパターン。
 もっとも、前回、半端な形で上書きインストールしたから、残った古いレジストリが邪魔しているらしく、いろいろ動作が変だったけどね。しかし、今回は修復インストールすらできない。もうハードディスクをフォーマットするしかないらしい。でもそういったゴミを一掃するうえでも、フォーマットは望むところ。と、むしろ明るい面を考えた。

 わりと余裕なのは、前回の失敗で懲りたので、こういうときのための予備のドライブを買ってあったから。ちゃんとOSも入れて、基本アプリも入れてあるので、壊れたのを抜いてパチンと差し替えるだけ。なにしろ私は商売をしているので、インターネットに接続できなくなったら終わりだ、というのは前回でよくわかったから。
 でもダメなのは、アプリだけ入れても、設定を何もしてなかったこと。特にメールの設定! これまた困らないように、そういう細かい設定は、テキストファイルにして他のドライブに入れてあったのだが、自分で書いたのを自分で読んでもなんのことかわからない(笑)。どうやら、前回、修復で半徹夜のパニック状態で書いたせいらしい。これに一晩かかってしまった。
 でもとりあえず、メールの読み書きはできるようになったので、安心していよいよ壊れたドライブのフォーマットに取りかかる。実は私は長年パソコンいじってるにもかかわらず、なーんもわからん素人なので、「ひとりでできるかな?」と大いに不安。例によって、お助けマンの弟は忙しくてそれどころじゃないと言うし。

 でもやってみてわかったのは、修復インストールより、フォーマットして再インストールのほうがよっぽど楽ということ。前は古いレジストリを消さないと、新しくインストールができないソフトとかがあって、大混乱したけど、その心配がないから。
 いちばん困ったのはハードウェアのドライバ捜しぐらいかな。もちろんドライバ類も、ちゃんと別のディスクに保存してはあったのだが、どれがなんだかわかんなーい! だってみんな暗号みたいなファイル名がついてるだけなんだもん。どうして、「ディスプレイドライバ」みたいなわかりやすい名前にしてくれないんだ!
 しょうがないから、それらしきものを片っ端から実行したら、なんとか動き出した。前回いちばん苦労したインターネットへの接続もあっさり。なにしろネットにつながってないと、アプリを入れることもできないからね。

 結局、失われたのは、メールのすべてと、ブックマークと、ATOKの辞書と、シムピープルの家だけ。と言っても、これがすべてかなりの痛手なのだが。
 たぶん私がバカなんでしょうが、Thunderbirdのメールと、ATOKの辞書のバックアップの仕方がどうしてもわからないんだよね。おかげで、お客さんたちには平謝りで、注文メールを転送してもらったりで一苦労。それでもほとんどの人は、「よくあることだよ」と快く応じてくれたのに、ひとりだけ、何を思ったか「見え透いた嘘を!」と怒って、注文をキャンセルしてきた人がいた。こんな変な人はこっちこそお断りなので、さっさと返金して終わりにしたけど。
 辞書もねえ、私は少しでも省力化のために、なんでもかんでも登録してあるので(「どうも」と打てば、「どうもありがとうございました。」と出るみたいな)、それをぜんぶ登録し直すのはえらい手間だ。次までにはバックアップの仕方を勉強しておかなくちゃ。

 あと、再インストールしたくても、ソフトそのものが消えてるのにもまいった。私はフリーウェアやシェアウェアを大量に使ってるのだが、ダウンロードしようと思ったら、作者のサイトそのものがなくなっているようなのがけっこうあったの。当然、そういうのはもうVectorにもない。幸い、もう1台のほうに入ってたからなんとかなったが、こういうソフトウェアも保存しておかなきゃいけないんだなあ。

 あとは大量のcookieやパスワードを記憶させて、ブックマークを登録し直して、と、まだまだやることがあるので、今日はこれでおしまい。

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