2007年6月の日記

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2007年6月9日 土曜日 

 どうもー。このところずっとスランプで軽い鬱状態だったので、更新が遅れてすみません。(こんなものでも楽しみに読んでくれている方がいたとしたら) もっともこれだけ大量に書き散らしてスランプも何もないですけどね。

 なんでスランプだったかというと、単純に言って、忙しくて金欠だったからです。いつもながら実にわかりやすいですね(笑)。まあ、私の忙しいなんて、忙しいうちに入らないんだけど、いっそキチガイ的に忙しいと、人間かえって頭が冴えてテキパキ働くようになるんですよ。いちばんいけないのは、ダラダラと忙しいこと。なんかここんとこずっとそんな感じだった。メールをひとつ書き終えると次のメールが来てるとか、商品をひとつ発送し終えると次の注文が来るとか。もちろん注文もらえるのはうれしいんだけど、そのわりには儲けにつながってなくて、中にはやっかいなお客もいたりして。
 そんなこんなで、郵便局や銀行と家を往復するほかは、ずっとパソコンの前に座りっぱなし。仕事がないときはゲームなんかしてるし。それで目を開けていられなくなるとベッドに倒れ込むだけで、ほとんど誰とも会わず口もきかない引きこもり状態。それが1週間も続くと、人間たいていおかしくなりますね。でもその合間に大学の授業もあるわけで、昼も夜もない暮らしをしている人間が、いきなり正常な世界に引き戻されると、それはそれでまた調子を崩す原因に。しかも、1週間一言もしゃべらなかった人間がいきなり80人相手にしゃべりまくるんですからね。まあ、こんなのグチの種にもならないし、どうってことないのはわかってるんだけど、気候もおかしいし、なんか調子崩してしまったわけ。

 で、落ち込むとどうなるかというと、ただひたすら無気力になる。もちろん生活かかってるから仕事だけはちゃんとしている(それでもポカはやらかす)けど、それ以外はほとんど放棄状態。でも、私がどれだけダメになってるかの尺度は、音楽を聴かなくなることですね。音楽を聴いたり、音楽に感動することって、私にとってはものすごく重大なことで、それだけエネルギー消費するんですよ。その気力・体力がなくなってしまうわけ。

 あー、なんでよりによってこの時期に! というのも、現在の私のメインのアーティスト、Manics、Brett Anderson、それにUNKLEが揃って新譜を出したので。ほかにTravisとNine Inch Nailsもかなり重点的に集めてるし、Paulもようやく重い腰を上げて動き出したようだし。
 でもちょっとずつ回復してきたので、ManicsとBrettとTravis(CD買うだけは買ってある)については、近くリビューを書くつもり。

 で、本日のメインはこれ。やっぱりこれが出ないと私の日記らしくないよね。というわけで興味のない人ごめんなさい。

コレクター話

 というわけで、金がない、音楽聴けないと言いながら、買うだけは買ってるわけです。これはもう半分仕事なので(笑)。それに、コレクター友達の皆さまがいろいろ教えてくれたり誘惑してくださるので。それにしても、従来なら、今ごろは目の色を変えて買いあさっているはずが、商売の合間にポチポチと、というのはやっぱりスランプだし金欠のせいだなあ。とにかく貧乏とコレクターなんて絶対に両立しないのはわかっているので、最近はコレクター業はほとんど廃業同然なんだけど、これだけは外せないのはやっぱりUNKLE。

 なぜって、いま現在、世界最高の音楽を作るアーティストで、将来もこれを超えるものがあるかどうかってぐらいだから。と、言い切ってしまいますね。まだどれも聴いていないけど、上に名前をあげた5グループのうち(Paulだけはいちおう保留して除外)、UNKLEが最高ってことはもうわかってるし。おまけに世界でも類を見ない、熱狂的なコレクターに囲まれていて、その人たちに過大な期待を寄せられているものだから、発憤しないわけにはいかないのよ。
 そこで最初に動いたのは自分の買い物じゃなくて人のお手伝い。つまり、店のほうで限定日本盤の予約を受け付けたら、メールの洪水で沈没。おまけにレーベルが新興の小さいところだからか、いつもの仕入れ先が扱わないというので右往左往、他に当たってみても、限定の予約は数の確保がむずかしいというので、あらためて予約の人たちにわびを入れたり、対応策に追われたりしていたのも忙しかった原因。
 というのも、UNKLEの前のアルバムは勇んで大量に仕入れちゃったら、日本盤のメリットはボーナストラックぐらいしかなくて、大量に売れ残り損をしたという前例があるので。そこで今回も慎重に慎重を期して、予約を受け付けてるのだが。
 まあ、いいや。日本の限定なんてすぐに売り切れるはずないから、いざとなったら店から買って送ってもいい。Mansunの限定盤のときもそうだったけど、こういう主力アーティストの場合、どっちかというと買い手はお世話になってる人ばかりで、その人たちの手助けが目的だから、儲けなんて出なくてもいいし、とか言ってたらMansunは売れに売れてちょっとした儲けになったんだけど、これはどうかな。とにかく発売日まで気が抜けないし、発売後は気の狂うような忙しさになるのはわかってるので、それもちょっと鬱の原因。

 自分はと言うと、もっぱらHMVにおまかせ。とりあえず、買えるだけのバージョンすべてHMVで予約した。あそこの20%引きはかなりの魅力で、計算したところ海外から自分で仕入れるより安上がりだったので。限定LPなんて5000円もして痛いけど、それでも、UNKLEは必ず価格以上の価値があることと、ここで買い逃したら目玉が飛び出るような値段で買わなくちゃならなくなることは歴然としてるから。
 一方、店で買えないやつは早々とeBayでゲット。7インチオンリーの限定盤“Night's Temper”なんだけど、やけに安かったし、まだいっぱい出てるので、あまりあせることなかったか。でも届いたのを見たらやっぱりニコニコ。やっぱりUNKLEはパッケージからして違うなあ。分厚いゲイトフォールド・スリーブの2枚組。Massive Attackの3Dの手になる重厚なデザインもおっしゃれー。
 とか言いつつ、オフィシャル・サイトを見ていたら、“Surrender Sounds Session”という12インチを買い忘れてる! オフィシャルでは「超限定! おひとり1枚限り」なんて書いてあるうえ、売り切れてるしー。あわてて、こっちもeBayで注文。これも値段はそんなに高くないのだが、送料が高いので11ポンドもした。でもUNKLEなら痛くないもん。

 一方のManicsは“Send Away Tigers”の限定盤が出るの出ないのでさんざん振り回され、どうやら発売中止? なんかよう知らんわ。と、UNKLEにくらべて妙に冷淡なのは、こっちのコレクションはもう半ばあきらめムードだから。それでも、LPと、やはり7インチ限定の“Underdogs”だけは早めに確保した。

 Brett Andersonは限定は出そうにないので、代わりに1500枚限定というライブを予約注文。これがまためっちゃくちゃ高く、送料入れて5000円近くした。(いちおう1枚だけ、Strangelove Recordsのほうに在庫あります。価格は6000円です) 5月9日のロンドンでのライブをその場で販売という触れ込みなのだが、たとえCD-Rでもそんなことできるのかしら?とちょっと疑問。

 あー、なんか書いてるだけでも疲れる。しかし、この夏はサマソニで、Manics、UNKLE、DJ Shadowが同じ日に揃い踏み! ひえー! 高いとか暑いとか疲れるとか言って、夏フェスは行ったことがないし、UNKLEもオールナイトのクラブギグなんて体力保たないとかなんとか言ってパスしてきたが、これを見なかったらファン仲間に殺されそう。というか、見たい! 特に私はご本尊の大明神UNKLEを一度も見たことがないんですよ。これは行かないわけにいかないなあ。
 とりあえず、DJ ShadowはMassive Attackとのジョイントで見て、思ったよりすごくいいのがわかったし、そのDJ Shadowをはるかに圧倒してMassive Attackは良かったし、UNKLEはそれ以上なのは確実なので、やっぱすげえ! 行く! というわけで、いっしょに行ってくれる人募集中です。

 旧譜のたぐいは他にもいっぱい買ってるんだけど、ぜんぜん整理もできてないので、その話はまた今度。

2007年6月18日 月曜日

 はあ〜‥‥と、意味もなく疲れてるじゅんこです。よって、頭がぜんぜん働かないので、今日もなんかとりとめもない話。

サマソニの話

 「Mansunが来ても行かなかったサマソニ」に、ついに行くことに決めて、チケットも取ってしまった。もちろん東京8月12日のみ。しかし、場所は東京じゃなくて千葉なのに変なの。まあ、それを言うなら成田は東京国際空港だし、浦安ディズニーランドじゃなくて東京ディズニーランドだし、なぜか千葉は東京ということになっているらしい。だったら、まぎらわしいから東京県と改名しろ! って、そのほうがまぎらわしいか(笑)。でも、大宮や横浜にある施設が東京ナントカを名乗るなんて考えられないので、千葉の節操のなさというか、むしろ自信のなさが見える。

 もちろん私の目当てはUNKLEだけなのだが、あらためてラインナップを見ると、(それすら見ずに買っている)、すげえじゃん、これ。UNKLE+DJ Shadowの強力コンビに加え、ManicsとBrett Andersonも出る! これでほとんど現在の私の主力アーティストが揃い踏み。新人ではArctic MonkeysとKasabianも見たいし、これはかなり右往左往しそうだな。Travisが違う日なのがちと残念だけど。
 というわけで、今年は「じゅんこの初フェス観戦記」が読めます。お楽しみに。

ゲームの話

 あいかわらず、「Dragon Warcry」をやっている。と言っても、1日にほんのちょびっとしか遊べないシステムなので、ハマるというところまで行かないのがかえってありがたい。それでやっててまた気が付いたオンラインRPGの特徴。それはレア・アイテムに関してのケチさだ! このゲームは宝探しがメインと言ってもいいので、そのため私はわざわざシーフで始めたのだが、まだ一度もレアにお目にかかってないばかりか、宝箱さえランダムにしか出ない。
 モンスターを倒せば、わずかばかりのお金はもらえるのだが、宝箱はたまに出るだけ。しかも、宝箱を開けるには「開錠キット」(要するに鍵だわね)というものを買わなくてはならない。これが使い捨てなのにけっこう高く、せっかく箱を開けても、鍵代にもならないクズのことがほとんど。一発当てれば大儲けのはずのレアの出現頻度も異常に低い。
 しかも、レア・アイテムには使用期限があり、1か月たつと、効力を失ってしまう。「修理」をすればまた使えるのだが、その修理代がまたバカ高い。これで私はけっこう興を殺がれた。ゲームの中でもコレクターである私は、レアものをいっぱい集めるのを楽しみにしていたのに、そんなことをしたら修理代だけで破産してしまう。よって、レア・アイテムを手に入れた人も、すぐに売ってしまう。
 一方、同じ作者のRPG、「Final Orb」では、修理は必要ないかわり、使っていると壊れる。壊れたアイテムは消えてしまって残らない。宝箱はただで開けられるが、こちらのレアの出現頻度は異常に低いらしい。
 でもなんでそうなるのかはすぐにわかった。ひとりでプレイするゲームなら、金をいくら貯め込もうが、アイテムをいくらため込もうが勝手だが、大勢の人が交流するオンラインの場合、ゲーム・バランスが崩れてしまうのだ。つまり、レアがいかにレアであろうとも、大勢の人が何年もかけて探し回れば発見数も増えて行くし、それが市場に出回れば、自然と流通量が増えていく。でもプレイヤーは飽きて「引退」する人もいるので、総数はそんなには増えない。そうなると、人口に対して、レアがちっともレアでないことになってしまうのだ。これは他のオンラインRPGでも同じはずなので、どこもなんとかしてアイテムを消去する手段を取っているんだろうな。
 というわけで、理屈はわかるがやっぱり残念。ゲームなんてものは現実逃避のためにする私としては、せめてゲームの中ぐらいはお大尽の気分を味わいたいのに、ゲームの中でも毎日の金のやりくりに四苦八苦するなんて(笑)。それでもやるんだから、よくできているゲームには違いないんだが。
 それにひきかえシムピープルは、現実には絶対買えない超豪華な家具が全部ただ! それをいくらため込んでも誰にも文句は言われない。金なんかチートでいくらでも出せるし。というきわめてセコい理由で、やっぱりシムに戻るかもしれない(笑)。

 ゲームに関してもうひとつ。これも手短にできるフラッシュ・ゲームもよくやっているのだが、「密室脱出ゲーム」にちょっと飽きて、最近凝ってるのは「ポイント&クリック・アドベンチャー」というもの。前にここで紹介したSamorostもそのひとつだが、国産でもすごいのを見つけた。「マキビシコミック」という、デザイン会社が広報用に作ったゲームなのだが、とにかくこのオリジナリティとグラフィックはすごい! こういうゲームは一度コンプリートすればそれで終わりなのだが、この二つはグラフィックを見るだけのためにも、またやりたいと思ってしまう。もっともマキビシはけっこう船酔いします(笑)。
 しかし、シムピープルもそうだが、フラッシュ・ゲームの世界も国際的だな。個人が作って自分のホームページで公開しているようなゲームでも、たいていは日英バイリンガルになっているし、実際、海外のゲームサイトを見てまわっても、日本のゲームは高い評価を受けている。実際、日本人が作ったものって、いかにもセンスがあって賢いなあと思わせる。やっぱりこういうのって日本人に向いてるんでしょうか? ハードウェアなんかはガサツな外国人にまかせて、日本人はコンテンツ作りに没頭すべきなのかも。

2007年6月21日 木曜日

 いよいよ、本格的な夏がやってまいりました。ていうか、梅雨はどこへ行ったんだ!って感じだけど、もう日中は焼け付くような陽射しが降り注いでいる。光と暑さに弱い私はそれだけでフラフラ。なにしろ引きこもりの日陰者で、曇っていてもサングラスかけないと、光がまぶしくてクラクラするような人間なんで。
 よって、着るものも完全に夏支度で、タンクトップにカットオフ・ジーンズで出勤している。なのに、町を行く皆さんはしっかり長袖の上着なんか着込んで、よく熱中症にならないな。あ、そうか。みんな冷房のある職場で働いてるからか。大学はねえ、7月にならないと冷房入れてくれないんですよ! 風は涼しいたって、オフィスビルとなんら変わらないコンクリートのビルで冷房なし、おまけに暑苦しい盛りの若者をぎゅう詰めにした教室がどれだけ暑いかわかります? そのくせ職員はちゃっかり冷房のきいたオフィスで仕事してるんだからな。
 おかげで倒れる寸前。にもかかわらず働いておりますよ!
 というのも、ついにUNKLEの“War Stories”が発売になったから。これの国内限定盤は、「売れ残ってもいいや」なんて思って、30枚予約してあったのだが、手に入ったのはわずか一桁。どうも予約段階で売り切れたらしく、オンラインのショップはどこにも入っていない。発売元が新興インディー・レーベルだし、2000枚限定と聞いていたから、それは予想して、お客さんたちにも「入手できなかったらごめんね」と言ってはあったのだが、この人たちは全員、長年のお得意様でお友達。「これはまずい!」と言って、今は東京中のショップを駆け回って、捜している。
 大学の仕事を終えると、ほとんど立ってられないぐらい疲れるんですよ。そのあと、重いカバンを持って、電車を乗り継いで、深夜までレコード屋まわりをして、夜通しメール書いてるんだからね。なのに、お客さんの中には高いとか文句を言う人もいて、私も「これだけやってこの値段じゃまったく割に合わないけど、ファンのためだからやってるのに!」とキレたりして。まあ、中にはこちらの事情を察して、同情してくれる人もいるけどね。
 かんじんのCDはまだ聴いてない。もったいなくてこんな状況じゃ聴けない。私はいちばんおいしいものは最後まで取っておくタイプなんで。で、逃避のため、まったく関係ないことを書く。

ダイエットと食べ物のはなし 

 はい、私はまだまだ体重減らす必要があるので、いちおう「いいかげんダイエット」を続けてます。でもこないだ病院に行ったら、1kgしか減ってない! 「これでも気をつけてるんですけど‥‥」と医者に言うと、医者は「‥‥」。沈黙しないでくださいよー、先生! で、「とにかくもっと減らす必要がある」んだそうです。
 医者にそう言われるとけっこうショック。というのも、痩せなきゃいけないのはわかってはいるものの、それほどデブには見えないというのが大きい。人に「ダイエットしている」と言うと、見栄でやってると思われちゃうし。
 ちなみに私の「いいかげんダイエット」は次のようなもの。

  1. 1日2食。
  2. ほとんどベジタリアンに近い菜食中心。
  3. 揚げ物を食べない。
  4. 甘い物を食べない。
  5. 甘い飲み物を飲まない。
  6. ただし、どうしても食べたい飲みたいと思ったときはその限りではない。

 まあ、これじゃ痩せるはずないか(笑)。でもね、食べないでいるとけっこう慣れるもんですよ。トンカツとか天ぷらとか大好きなんだけどね。なければないで済ませられる。外食は最近ではめったにしないが、それでも外食するときは(もったいないけど)できるだけ残すようにしている。でなきゃテイクアウトを持って帰り、二食に分けて食べる。でもこう暑くて、しかも長時間声を枯らしてしゃべってると、甘くて冷たい飲み物とかが、ものすごくおいしく感じられるんだよね。
 運動不足も事実だが、上記のように突発的に運動はしてるんだが。だいたい、カロリーをいちばん大量に消費するのは脳のはず。頭だけはこれでもフル回転に使ってると思うんだが、頭使って痩せたという人がいないのはなんでか?

 しかし、食欲がめっきり衰える夏がやってきたことだし、これから厳格なダイエットに励もうと思ったとたん、誘惑に負けてしまった。
 私はぜんぜんグルメじゃない。苦労してまでおいしいもの食べたいとは思わないし、それ以前に高くてうまいもの食べるぐらいなら、安くてまずいもののほうがいいやなんて思っちゃうし。だいたい、まずいと途中で食べるのをやめて捨てちゃうので、ダイエットにもいいし(苦笑)。
 そんな私でもちょっとこだわりがあるのがパン。私は洋食党なので、パンは基本中の基本だからね。それに日本のパンがあまりにもまずすぎるというのもある。とにかく、うまいと評判のパン屋でも、どこもかしこも、甘くて、ブヨブヨで、水っぽい。前にも書いたと思うけど、日本人はパンを餅と勘違いしている。「もっちり」したパンとか、フワフワのトーストなんて私は吐き気がするんだが。こないだデパートのパン・コーナーを見ていたら、「可能なかぎり多くの水分を封じ込めました」なんていう宣伝文句のパンがあって、おえー!と思った。私は可能なかぎり水分を抜くために、わざわざ冷凍したりしているのに。

 だから、食べられるパンを捜すため、町を歩いていてパン屋を見かけると一度はチェックすることにしているのだが、ついに見つけた! 大学の帰り、千葉で見つけたパン屋なのだが、カレーパンがあまりにおいしそうなので買って帰ったら、うまい!
 カレーパンと言っても、あの油で揚げたやつじゃなくて、フランスパン生地の丸いパンにカレーが入ってるの。パンがしっかり歯ごたえがあってカリカリなのは当然としても、中のカレーがうまいのよ。普通のカレーパンって、正体不明のドロドロのペーストみたいなのが入ってるだけじゃない。なのに、しっかりと形のある四角く切った肉が出てきたときは感動に打ち震えた。野菜やキノコも形のまま入ってて、しかもカレーの量が多い。これまたおかずパンのたぐいって、パンがほとんどで、もうしわけばかりにちっぽけなハムとかベーコンが乗ってるだけというのが多いのに、これはパンとカレーがほとんど同量。しかもバカでかくて、ひとつでおなかいっぱいになって、それがたったの160円! えらいよ、千葉! 東京でこれがこの値段じゃ絶対やっていけない。
 すっかり感激したので、翌週またあれこれ買ってみた。ここはケーキも作っているのだが、タルトがおいしい! 私はこれまた日本のブヨブヨしたケーキと生クリームがきらいで、タルトを買っても上のクリームを捨てて、乗ってるフルーツと台だけ食べるという変態だが、普通はタルト台の上にクリームが山盛りになってるじゃない。なのに、ここのはほとんどが台だけで捨てるところがないし、しっかりした濃厚なバターと塩の味がしておいしい。

 でもいちばん感激したのは、揚げパン。ほら、給食に出る、砂糖ときなこをまぶしたやつ。私は学校給食にはいやな思い出しかないが、唯一うれしかったのは揚げパンが出るとき。だからついノスタルジーにかられて、店で売ってる揚げパンを買ってみたりもしたが、「まあ、こんなもんかなー」という感じ。私の時代の学校給食というのは、子供を栄養失調にさせないだけが目的のブタの餌だったから、こんなものでもおいしく感じられたのかも、なんて思って。
 でもここのを食べてみたらおいしー! 食べたとたん、昔のあの味を思い出した。他の店のとどこが違うかと言いますとね、まず、噛むと中からジュワーと油がしみ出すほど、中まで茶色にしっかり揚がってるの。よそのは外側だけ色がついてるけど、中は白くてブワブワだからね。これもあのいやらしい健康志向のせいだろうけど、昔はそんなのなかったから、油でギトギトに揚がってた、あの感じ。
 さらに、しっかり味がついている。砂糖と塩ときなこがまじりあったあの味わい。ついでに言うけど、日本のパンやケーキがまずいのは塩味がないせい。外国で食べたやつはみんなしっかり塩味がついていた。甘いばかりで、塩気がないととてもじゃないが飽きてしまって食べられない。なのにここのはほとんどしょっぱく感じるぐらいしっかり塩味がついてるのも気に入った理由。
 さらに付け加えると、日本人はよくケーキを食べて「甘くなくておいしい」なんて言ってるが、あたま変なんじゃないかと思う。甘くない(さらに塩気もない)クリームなんて、ただの油の固まりじゃん。なのに、これも健康志向かコスト削減か、砂糖やバターをケチったパンやケーキがうまいわけがない。本当にうまいパンやケーキはめちゃくちゃ健康に悪いのだ。
 おまけに、これは給食のパンにはなかったが、中にたっぷりきなこクリームが詰まっている。このクリームが、しっかり濃厚でまたうまい。

 だけど‥‥これ1個でたぶん、私の1日のカロリー・オーバーだな。死ぬほどうまいが、これを喜んでバクバク食ったらブクブクに太って死ぬ。あー、困った。4つに切って、4日に分けて食うか? でも4日も冷蔵庫に入れといたらきっとまずくなっちゃうし。少しだけ食べてあとは捨てるか。でもうまいものを捨てるのはあまりにも忍びない。と、なんともジレンマである。

 乗ってきたので、もひとつおまけに好きな食べ物の話。私はカレーが好きだ。1週間に1度は食べたいぐらい好き。というと、私の子供時代を知ってる人は驚くはず。
 というのも、私はカレーが食べられない子供だったから。子供と言えばカレーと言うぐらい、子供の好物の代表なのに変でしょ? というか、ほとんど日本の国民料理だよね。その意味でも自分は非国民だとずっと思ってた。
 ただ、私が嫌いだったのはいわゆるカレーライス。ご飯の上になんかドロドロ・ネバネバしたものが乗っていて、その見た目と食感だけでも食べられなかった。
 ところが、大人になってインド人がやってるちゃんとしたインド料理店のカレーを食べて、「カレーってこんなにうまいものだったのか!」と、目からウロコでしたね。もちろん日本のインド料理屋のカレーは日本風にアレンジはしてあるんだろうけど、少なくともあのドロドロじゃないスープ状だし、日本のパンが嫌いな私もナンなら大好き。しっかり塩味がついているし、ネチャネチャもしてないし。
 特に私の住んでる西葛西はインド人IT技術者の植民地みたいな感じなので、カレー屋が多い。それに出先でもカレー屋があるとつい入ってしまう。だけど、カレーというのも超高カロリーなんだよね。バターたっぷり使ってるし。だから最近は食べたくても我慢しなきゃならないのがつらい。
 だからそこのカレー屋のおやじ、私が前を通るたびに手招きするのはやめなさい!(笑)

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