2006年10月の日記

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2006年10月2日 月曜日

じゅんこの怒濤のお買い物リスト

 というわけで、アンドレに触発されたので、久しぶりに自分のコレクションを調べる気になった。というのも、店の在庫管理で手一杯で、自分が何を買ったのかもよくわかってないのだ。はしからポンポンと箱に放り込んであるだけで。
 これを箱から取り出し、記録して、それぞれ所定の箱に収めるのがけっこう大変な作業なんだわ。アンドレは書類仕事をすべてヴァレリーに任せてるから楽なんだけどね。「奥さんは秘書役」と書いたが本当にそうなんだから。山口さんのコレクションを見せてもらっている間も、アンドレがディスクを調べながら口述するのを、ヴァレリーが書類に記録していって、本当に会社みたいだった(笑)。
 もうひとつ、なんであんまり音楽の話が出ないかというと、専門の音楽のことになるとつい構えてしまって、なかなか書けないせいだ。でもここは吾妻ひでおにならって一口リビューと言ってみよう、と思ったんだけど、やっぱり挫折して、ほとんどただの買い物リストだけど。だいたい、もう3か月ぐらい自分のコレクションの整理してなかったので、かなり前に買ったものも含まれてます。

(ちなみに、Strangelove Recordsにもいっぱい入荷してるので、次回の更新時に出します。ただ、多すぎてどこから手を付けていいかわからないだけで。こんなの書いてる間に仕事しろっての!)

 Mansunのベスト盤“Legacy”英国限定盤。(正確にはもう英国盤と呼べるものは小さいインディーを除いて作られていない。正しくは「EU限定盤」だが、なんかそれじゃありがたみがないので、つい英国盤と言ってしまう)
 もちろんねらいは全ビデオクリップ&ドキュメンタリーが収められたDVDだが、今は忙しすぎてもったいないので神棚に上げたまま(うそ)手を付けていない。これについてはいずれDesperate Iconsの方に書きます。

 Electronic、“Get The Message - The Best of Electronic”、英国限定盤DVD付き。奇しくもMansunと同じ時期に発売となったベスト・アルバム。こちらも目玉は全プロモビデオ。あー、Mansunと違ってスリーブもきれいだなー。実は単にビデオの一コマなんだけど、Mansunと違ってお金かかってるし。
 実を言うと、DVDはMansunよりこっちのほうがよっぽどドキドキする。何せMansunはすべて(質の悪いダビング・ビデオだけど)持ってて、穴のあくほど見ちゃったから。もちろんElectronicもテレビから落として全部持ってるのだが、元のビデオの美しさが違うもんな。(ちぇ、差つけやがって)
 しかし、冒頭の“Getting Away with It”を見ただけで私は胸がいっぱい。この曲は私が初めてイギリスに行った1989年にちょうど大ヒットしていて、向こうでさんざん見せられたからだ。ああ〜、曲自体も夢のように美しいが、これを聴くと私はあの灰色の12月のロンドンの空が目に浮かんできて‥‥
 しかし、今よりはさすがに若かったBarneyは、こうやって見ると、「美しいドレイパーさん」(笑。何がおかしいかはこの日記をずっと読んでる人でないとわからない)に決してひけを取らないじゃないですか。Desperate Iconsのほうに書いてるように、この二人はけっこう似てるんだが。しかし、Electronicって「元美少年」バンドだったんだなー、と今さらながら思い出したりして。(あいにくElectronicの時代には、二人とももうほとんど面影も残ってませんが)
 あー、でもぜんぶってのは嘘だ! “Late at Night”が入ってないじゃん! 確かあれは英国国内では発売中止になったんだけど、ビデオは確かにあって私も見たことがあるのに。

 Keaneのセカンド、“Under The Iron Sea”英国限定盤。特典としてDVDがついて、本型のケースに入っていてなかなか豪華。切り絵のアートワークも美しい。
 Keaneはファーストでけっこう感動したので半端に集めてしまったが、なぜかシングルが極端に入手困難で、アルバムばかり(そんなにいらないのに)大量にたまってしまった。
 このバンドはセカンドが勝負だと思っていた。前にも書いたが、Keaneは何ひとつ目新しいものはない。それこそ定番中の定番のメロディアスな泣かせのポップ。ただ、その曲がどれを取っても粒よりの真珠のように光り輝いていたから肩入れしたのだが。しかし、実はポップソングを安定して書き続けるぐらいむずかしいことはない。だんだん息切れして飽きられ、だめになるのが普通だが、もしもセカンドであれを上回るだけの曲を書けるなら、それこそ金に糸目を付けず、シングルも買いあさるつもりだったのだが‥‥
 結論としては、なかなかがんばったが、やっぱりファーストを超えるものではなかったな。これはこれで一定水準に達しているので、好きなバンドであることに変わりはないが、ファーストほど粒ぞろいとはいかなかった。ちょっと明るくて元気な曲があるのも気になる。あんたらは泣きっぱなしでいいんだよ。

 Hope Of  The Statesのセカンド、“Left”英国限定盤。こっちもDVD付きだが、デュアル・ディスクって嫌い。しょっちゅう表と裏を間違えるから(笑)。
 これもセカンドが気になっていたバンドだ。ファーストについて書いたように(2004年4月29日)、ここはすごい私好みなのだ。ボーカルを除いては。ただ、ボーカルが嫌いなバンドを好きになれたためしもないので、とりあえず評価はセカンドまで保留と思っていた。それでセカンドの感想だが、やっぱり同じだな(笑)。それでも買っちゃうだけの力量のあるバンドではありますが。

 Kasabianのセカンド、“Empire”英国限定盤。これもDVD付きだが、今どき珍しいナンバー入りのしっかりした紙箱に入ったボックスセット。でもこれは売る気なので開封できない。(でも売れそうにないので開けちゃうか?)
 でも店でよくかかってるので、中身はほとんど聴いてしまった。Kasabianこそセカンド勝負、ってこればっかりだが、ファーストは食い足らない部分もあったので、それがどう変わるか期待していたが、おんなじじゃん! 変わると思ったのは、ライブがCDより良かったからだが、ライブはともかくCDはほとんどあれといっしょ。あいかわらずなんかヌルくて脱力している。まあ、そこも魅力のうちなんだが、ライブの緊迫感がこれに加わればねえ。
 それと、ジャケットが例のmasked manじゃなくなってしまったのも、コレクターとしてはちょい熱意が薄れてシングルは1枚も買ってない。このトランプのデザインもけっこういいんだけどね。それでもLPはまた10インチで出たのだが、これが高い! 海外から買ってもビニールは送料が高くて同じになっちゃうし。このCDが売れたら買おう。

 UNKLEのプロモ・サンプラー、“Self Defence”。これは意外だ! 何しろUNKLEプロモと言えば(一部を除き)eBayでも入札者が押し寄せて狂ったような高値になるのが普通。ましてプロモは新譜発売前がいちばん高い。だから様子を見るつもりで入札したら、他に誰も入札者がいないで、スターティング・プライスの7ポンドで落札してしまった。
 なんでだろう? CD-Rってところでみんな引いたんだろうか? でもこのボックスセット(こちらは当然予約済み)のプロモはこれしかないみたいで、他にもう1枚出たのも同じものだったし、それ以降、eBayでもまったく見ていない。なんかすごい得した感じ。CD-Rと言っても、ちゃんとスリーブもついてるし、プレス・リリースも付いてきたし。売ればけっこうな金になるはずだが、もちろん売らない。
 ただ、UNKLEもMowax時代は、通常盤より豪華なぐらいの手の込んだプロモを出してくれたのに、これになっちゃったと思うとちょっと残念ですけどね。

 James Dean Bradfieldのソロ・シングル。Nickyとのソロ・ツアーを楽しみにしていたが、中止でがっかり。シングル・プロモも。
 Jamesのソロは“The Great Western”のLPも買ったが、これは当然コレクション用なので聴けず、CDはお金がなくてまだ買えないので聴いてない。もうビニールまで律儀に買うのはごく限られたバンドだけ。とにかく高すぎる! それ言ったらシングル2枚組も日本じゃ2000円以上で高いし。プロモまではまだとても手が出ない。Nickyのほうもおあずけ。
 しかし、シングルを聴いた感じではむむむ‥‥これについては言いたいことはいっぱいあるのでまたあとで。

 Southの“Adventures in the Underground Journey to the Stars”アメリカ盤アルバム・プロモ。しかしSouthって英米でも本当に思いっきり無名なんだな。というのも、私はこのプロモがほしくて、ずっとeBayで見張ってたんだが、やっと出た1枚はほかに入札者なしで、あっさりゲット。確かにSouthというのは検索しづらい名前だがねえ。プロモはCD-Rじゃないだけまだましだが、白い封筒に入っただけでちょっとつまらない。
 ジャケ違いの英国盤と日本盤も出たばかりだが、お金が足りなくてまだ買えない。(見たとき買わなくてはならないレア盤と違って、こういうあとからでも買える新譜は後回しなのだ) しかし、ジャケットが変わってるということは、さすがにあのジャケは評判悪かったんだな。でも、こっちのも悪趣味で音楽の内容とまったく合ってない、と言う意味では同じだと思うんだけど(笑)。つくづくジャケットアートのセンス(だけ)はない人たちだ。ところでSouthは現在Young Americanの専属らしく、アメリカ盤のほうがオリジナルってことらしい。ややこしい。
 Southは英国盤ニュー・シングルのプロモ“Up Close and Personal”もすでにゲットして、レギュラー盤の発売を待っている。本物をまだ見てないので、同じデザインかどうかわからないが、最近ではめずらしく、ちゃんとしたスリーブ付きのジュエルケース入り。(レコード番号にPROMOという文字が入っているので、通常盤とは違うことは確か)
 そうそう、South単独来日! もちろんチケットは取って、楽しみに待っている。超期待! しかしお客さん入るんだろうか?

 Porcupine Treeの過去のアルバムの再発盤たくさん。オリジナルはもう手に入らないうえ、ほとんど市場に出ないし高い。これは再発とは言え、すべて新録で、ボーナストラックがたくさん入って、豪華な紙ジャケ入り。しかし別テイクということはやっぱりオリジナルも買わなきゃならないということで‥‥ああ! Porcupine Treeについてはちゃんとリビューを書きたいので、また今度。

 Starsailorのニュー・シングル、例によって全フォーマット買うが、7インチ2枚というまたも変則リリース。プロモはどうせ安いからあとからでいいや。
 Starsailorは前のシングル3枚のプロモも。海外から1枚ずつ買うと送料のほうが高いものにつくので、5枚セットを買った。ダブりは店で売るからいいや。“Four To The Floor”は日本でたまたま見つけた。シングル・プロモでも、eBayで買うと送料吹っかけられて1000円以上になるのに、日本でなら300円だからなあ。でも最近はプロモを置いてる店がほとんどなくなってつらい。

 Elbow、“Leaders of the Free World”DVD付き英国限定盤。これはどっちかというと、DVDがほしくて買った。不思議で、かわいくて、ユーモラスで、とにかく変なElbowのビデオは、現在のミュージック・ビデオの最高峰だと思ってるから。(そんなに見てるわけじゃないが)
 それで、DVDは10曲も入ってるから、てっきりこれまでのクリップ集だと勘違いしていたのだが、見たらこのアルバムの全曲にビデオを付けたものじゃないか。こういうことをやる人は最近ではときどきいるが、たいていは、なくてもいいようなビデオだったり繰り返しばっかりだったりして退屈なものだ。しかしさすがElbow! どの1曲も瞬時も目を離せない。単にメンバーが談笑しているだけのところを撮っても、見事にアートで絵になっており、このビデオセンスの高さはMansunを見たあとだとよけい(笑)ぐっとくる。
 惜しむらくはこれでメンバーのルックスが、良ければとまでは言わないが、せめて普通ならねえ(笑)。なにしろ、おっさん、ハゲ、デブ、黒人の組み合わせだから。(黒人を差別するつもりはありません。ルックスはこの人がいちばんまともだし)
 実を言うと、Elbowの音楽の不思議世界は、私にはちょっと不思議すぎて、完全に入っていけるほどじゃないんだけど、でもすごいバンドだということはわかる。こういうコマーシャリズムと完全に無縁なアート系の、しかも死ぬほど地味で、死ぬほど変なバンドが高い人気を保っているあたりに、私はイギリスという国のすごさを見るのだが。

 The Dead 60s、同名のデビュー・アルバムの英国限定2枚組。私はあまりノスタルジアでレコード買うということはしないのだが、このバンドは「Clash(のレゲエ)にそっくり」というので買ってしまった。実を言うとレゲエは嫌いなのだが、Clashがやるのだけは好きだったんだよね。それで聴けば聴くほど似てるが、それでもこれはこれでとてもいいバンドで、聴いてて気持ちいい。これでボーカルがもう少し低音でハスキーだとますますJoeそっくりでもっといいのだが。

 Scritti Polittiの“White Bread Black Beer”英国盤。ウェールズの隠者Greenの7年ぶりの新譜だが、今回は全曲自宅録音ということで、この人もどんどん地味になって仙人になってしまうのかなーと思っていたが、確かに音はシンプルだけど、あの魔法の歌声はまったく変わっていないのにほっとする。ヒップホップしちゃった前作より、むしろ曲は昔に戻ったみたいで、オールドファンとしてはうれしいし。
 しかし、彼も相当な年のはずだが、あの綿菓子みたいな甘いボイスは変わらないのは本当に驚き。ちなみに新しい写真も見たが、ひげもじゃだけど、あいかわらず美しい美中年になっている。
 でも今調べたら、これDVD付きの限定盤も出てたんじゃないの! しまった!と言って、さっそく注文。ついでに8月に来日してたのも今まで知りませんでした。が-ん‥‥

 ノスタルジアで買わないと言いながら古い名前が続くが、Railway Childrenの97年のアルバム“Dream Arcade”。もっともこの人たちもまだ現役らしい。たまたま中古で見つけた。しかし私は90年頃しか知らなかったが、このジャケ写を見ると、Gary Newbyくんはほとんど変わってませんな。彼は私の「英国美少年コレクション」のひとり。本当にかわいかったんだから!

 Massive Attackのプロモ3枚。“Massive Attack Interview”は、この当時はやったプロモ・オンリーのインタビュー・ディスク。音楽も好きだが、3Dの「人」にも惚れてる私としてはうれしい。“Live With Me”は最新シングルだが、これの通常シングル買い逃した! あわてて捜してももうどこにも売ってなかったりする。輸入シングルは時期を逃すと、こうなるから気が抜けない。しかたなく(送料高いし、海外のは新品でも状態悪いからいやなんだけど)、eBayで買う。
 Massive Attackは“Safe From Harm”のCDシングルも。あー、これ12”しか持ってなかったんだよね。ラッキー!
 Massive Attack、オランダ盤ブートレッグ、“Masive Mixes”。ありがちなリミックス・ブートレッグだが、知らない曲も入ってたし、プレスCDだから。

 Cocteau Twins、“Lullabies to Violaine”英国盤初回限定ボックスセット。Cocteau Twinsこそ今さら私なんぞが‥‥って感じだが、未来のレア盤が定価で買えるうちはと思って予約購入。案の定、どこでもすぐに売り切れたようだが、私は店用に1枚キープしてありますので。なんで店に出してないかというと、待てば待つほど値段が上がるから隠匿してある(笑)。

 KLF、“ザ・KLF作品集”、日本限定ボックスセット2個。これの中古はよく見るが、92年の限定ボックスが2箱そろって、ミントで、帯もおまけのステッカーも全部ついてというのはめったにないので、高かったが見つけて即購入。もちろん、外人にもっと高く売りつける気で買ったのだが、やっぱり私も好きだったし、持っていたくなってやめた。

 Frazier Chorus(私の「無名だけど最高!バンドコレクション」のひとつで、昔4ADからデビューしたバンド)のCDシングル“Sloppy Heart”。捜してたんだよー、これは! 日本じゃなぜかFrazier Chorusのビニールはよく売ってるのだが、89年のCDシングルはもう見つけるのは不可能だと思ってた。厚紙でできたハート形の変形ジャケットに入った3インチ・シングルで、めちゃかわいいの。

 DJ Krush、“Meiso”、Mowax盤リイシュー。オリジナルはすでに持っているが、これは1年後に出たリイシュー。ジャケ違いで、これもおしゃれなデザイン。UNKLE以外のMowaxはちーとずつね。

 Richard Ashcroftのシングル“Words Just Get in the Way”。Richardの全コレはそろそろ息切れ気味。もう中古でいいかなー。でもシングルって、新品でも中古でもあまり値段が変わらない(海外から買い付けても)んだよね。

 Haven、“Wouldn't Change a Thing”、1トラック・プロモ。Havenも息切れ。でも次のアルバムまだ出ないな。まだあるのかな? 好きなんだけど。

 Coldplay“A Rush Of Blood To The Head”のプロモカセット。日本のプロモカセットはたいてい色紙のジャケが付き、写真なんかも付いてるのに、これは白い紙に文字だけで、なんだか味気ない。Coldplayはほかにもシングルいろいろ。

 Pet Shop Boys、“Fundamental”日本盤限定2枚組。これは売れるかもしれないので未開封。よってまだ聴いてない。

 Nine Inch Nailsのシングルいっぱい。

 とまあ、この辺が本来のコレクションや本当に聴きたくて買ったもので、あとはわけのわからない寄せ集め。というのも、私はなにしろビンボーなので、自分のものは格安で見つけたときだけしか買えないからだ。

 Ian Brownのベスト日本盤。これは持ってたのを売っちゃったから、未開封が安くなるのを待って買った。最近は日本盤は開封しないで、聴くのは輸入盤だけ。同じくIan Brownの“Solarized”英国盤。限定でもない輸入盤は(どうせ英国盤は封がないし、日本の中古は新品同様なので)中古でいいから。

 Shackの“Zilch”。ジャパン・オンリーの紙ジャケCD。これも自分の分まで売っちゃったので買い足す。ボーナストラックが7曲も入ってステキ。ネオアコ好きなら必聴の名盤です。
 しかし、最近、eBayじゃ、日本盤の新譜がすぐに売りに出るので(しかも日本の定価で)すごくいや。それでもうちで買ってくれる人がいるのも驚きだけど。

 Carter USM、ジャパン・オンリーのカバー集『電気じかけのカヴァー戦士』。大好きでした、Carter。Carterは一時叩き売られていて、国内盤ならいつでも見つかると思って、1枚だけ持ってたのを売っちゃって、やっとの思いでもう1枚見つけた。メンバー2人のそっくりぬいぐるみのスリーブがめちゃかわいい。

 Ned's Atomic Dustbin、“Kill Your Television”日本盤シングル。なんか懐かしい名前が続くが、Ned'sもいいバンドだったんだよー。せめて日本盤シングルぐらいは集めておこうと思って。

 Stone Roses、“Sally Cinnamon”のDVD付き。たかがシングル、それにオフィシャルでもないのに高いと思って買わなかったが、未開封を安く見つけたので。
 同じくStone Roses、“One Love”アメリカ盤。これはかなりめずらしいと思う。少なくとも私は一度も見たことがない。アメリカ盤は見開きの紙ジャケに入っている。ジャケは相当傷んでいるが、選べる立場じゃないので。

 The Cure、“Friday I'm In Love”日本盤シングル。Cureは昔からファンだが、集めているわけではない。でも、時期を過ぎるとどこでも買えない、しかも売ろうと思えばいつでも売れる日本盤シングルはできるだけ集めている。
 The Cureは“Mixed Up”のプロモ・サンプラーも買ってしまった。安かったので衝動買い。あと、“Wild Mood Swings”と“Galore”の日本盤も。自分のは売っちゃったのだが、帯付きを安く見つけたので。

 The Libertines、“Boys In The Band”の限定DVD付き国内盤。もちろん、英国限定盤は持っていて、日本盤も中身は同じだと思ったので買わなかったが、安かったのであくまでコレクション用。
 Libertines関係は“What Became of the Likely Lads”のCD1(CD2だけしか持ってなかった)、Baby Shamblesの“Albion”英国盤シングル未開封(売れ残りで安かった)。
 Libertinesは大好きなので、コレクション・ページに加えたいのだが、あいにく日本盤プロモ以外はたいしたもの持ってないので恥ずかしくて公開できない。

 Cranberries、“Just My Imagination”日本盤シングル。Cranberriesも好きなんです。だから日本盤シングルだけ集めてるんだけど、なぜかこれがたくさんあるんだ。

 Oasis、“Definitely Maybe”オーストリア限定2枚組。これももしかすると、かなりめずらしい盤。“Definitely Maybe”に“Whatever”のシングルが付いた「オーストラリア」限定盤は、eBayやなんかでもよく見かけるのだが、これはアルバムにもシングルにも、はっきりMade in Austriaと書いてある。それにオーストラリア盤の“Whatever”は3曲入りだが、こちらは1曲のみ。でも他にどこでも見たことがないので、どれほどレアなのかわからない。

 Primal Screamのミニディスク“Echo Dek”。Primalは集めてるわけでもなく、ミニディスクはプレイヤーも持ってないんだが、ケースや形がかわいいので好き。こういうのは飽きたら店に出そう。

 Nine Inch Nailsの再発シングル“Head Like a Hole”。今回は薄いグリーンの透明ケースに入っている。

 Revenge、“Gun World Porn”、Monaco、2000年発売の同名アルバム 英国盤。The Other Two、“Super Highways”日本盤。New Orderのソロワークは、Electronic以外、すべてバカにして買わなかったのだが、やっぱりアルバムぐらいは揃えておこうと思って。特に今は亡きFactoryのシングルなんて、それだけでうるうるする。

 House Of Loveの“Babe Rainbow”日本盤。売るつもりで買ったのだが、これほどの名盤(泣けます)はやっぱり日本盤も持っていたくなって引っ込めた。こういう古い日本盤の帯付きはもうほとんど見ないのでなんでも貴重。ただカビがひどかった。CDのカビは台所用洗剤で洗えばきれいに落ちるのだが、ブックレットはどうしようもない。

 Rain Tree Crowの英国限定盤。最近リイシューも出たが、これは変形紙ジャケ入りのオリジナル限定盤。日本盤だけ持ってりゃいいと思ったが、見るとやっぱりほしくなる。
 Japan関係では、David Sylvianの日本盤シングル“Pop Song”、Sylvian=Frippの“Damage”英国限定盤も。彼らの音楽は私はちょっとアレなのだが、この限定盤は店に出したら外人がすぐに買っていったので、もしかしてレアなのかもしれないと思って自分用にもう1枚。立派な箱に32ページのカラー・ブックレットが入って、「24カラット・ゴールドCD」(24カラットってなんだ?)。しかしこれもカビてる。こっちはまだ浅くてかなりきれいになったけど、カビ生やさないでほしいな。私が新品で買ったものは、何十年たってもピカピカなのに。

 The Clash、“London Calling”オーストリア盤CDシングル。

 808 State、“Outpost Transmission”。808は「本命じゃないけど好きなバンド」の常として日本盤シングルだけ集めているのだが、この日本盤はかなり変わった特殊ジャケで、もしかしてジャパン・オンリーかもしれないと思って買った。ピクチャー・レーベルが上から透けて見える仕様なのだが、ブックレットがトレーの下に入っている! でもトレーに入れるには大きすぎてはみ出しているという、わけのわかんないCD。

 Swervedriver、“99th Dream”日本盤CD。Swervedriverの帯付きはなかなか手に入らない。なぜかパルコから出ていた。パルコがCD出してたなんて知らなかった。

 The Dead 60s、“Riot Radio”、British Sea Power、“Remember Me”、“Spirit of St. Louis”、といったジャパン・オンリー・ミニアルバムもコレクション用に買っている。

 My Bloody Valentineの“Isn't Anything”と“Loveless”国内初回盤。マイブラは国内価格がプレミアついてあまりに高すぎるので敬遠していたが、幸い2枚とも(プレミアなしの)普通の値段で見つけたので、やっぱりこういう基本的なものは持っていなくちゃと。

 なんかまだあるみたいだけど、疲れたのでもうやめます。

2006年10月4日 水曜日

じゅんこのダメダメ日記

 吾妻ひでおの日記を読んでいたら、また「普通の日記」が書きたくなったので書く。吾妻さんの日記2冊は時々読み返してます。確かに自分よりダメな人の日記を読むと安らぐので(笑)。

 今日は日大へ行ったら、創立記念日で休校だった。ひえー! 交通費と2時間の通勤時間損した! 遅刻しそうだったので、足が痛いのを我慢して走っていったのに。
 もちろん、文書か何かで連絡は来ていたはずだが、読んでない。店が忙しい(私のレベルでだが)と、こうやって必ず何かポカをやる。それでも店の方で失敗したり(この場合はすべて私が自費で賠償しなきゃならないから)、授業があるのに知らずに行かないよりはましだけど。

 商売の方で気にかかっていたのは、こないだMuseの日本盤プロモばかり、10万円で売ったと書いてたでしょ? あれがまだ届かないと、フランスのギョームからメールがあったのだ。国際航空小包に事故や紛失は付き物とはいえ、ひとつで10万円というのは、私がこれまで発送した中で最高額。それが消えたりしたら‥‥と、早くも顔面蒼白。マジで1か月絶食しなきゃというのは別としても、これほどレアなCDが失われるという恐怖感のほうが強い。
 しかもギョームは本当にいい人で、ほんの数回取り引きしただけなのに、「君は僕がこれまで取り引きした中で、いちばん正直で信頼の置ける人」なんて言ってくれて、「もし紛失したとしても、君の責任じゃないから弁償なんて考えないでいい」と言ってくれる。うれしいが、こういう優しいお客さんこそ失望させるわけにはいかないから、いやでも弁償しないわけにはいかないじゃん!
 ただ、これまで私が書留扱いで発送した小包で、紛失したものはひとつもないという過去の経験から、単に遅れている(たいていは税関で足止めを食らっている)可能性のほうが高い。だから、内心の不安を押し隠し、ギョームには明るい調子で「絶対届くから心配しなくても大丈夫」と言っておく。
 そしたら、今日、「ちゃんと届いた」という連絡が。あー、よかったー(安堵のあまり全身の力が抜ける)。
 というわけでこれはハッピーエンドだったのだが、いつも不審に思うことがある。いま言ったように、書留で不着だったものはひとつもない。でも、普通便では何度かある。(もちろんすべて弁償してます) 逆に私が海外から受け取るはずだった小包が紛失したことはもっとある。(まずたいてい泣き寝入り)
 だが、私の使っている書留というのは、日本で言う配達記録郵便で、別に何か特別扱いしてくれるわけじゃない。なのに、普通便だけ紛失するというのは、どうもおかしいんじゃないか? 普通便だけ選んで抜かれてるんじゃないかと疑いたくなる。書留と違って記録が残らないから証明はできないんだけど、だからよけいあやしい。
 ギョームはDesperate Iconsも見てくれて、Mansunは“Six”のシングルしか聴いたことがないけど、すばらしかったと言ってくれる。

 店ではMansun狂想曲がようやく終わる。注文もやっと途絶えたようだし。なんでこんな大騒ぎになったかというと、海外発注の場合、どうしても売れ残りを出したくなかったのだ。以前にも、予約が殺到(うちのレベルで)したために、「これは商機!」と勇んで大量に注文を出したら、ほとんど売れ残って泣くということが何度かあったから。
 だから注文が2、3件あるたびに、ちまちまと発注していたのだが、あまりに数が多いため、自分でもいったい何枚注文したのか、何枚届いたのか計算ができなくなるし、誰が振り込み済みで誰がまだか、誰に送って誰に送ってないか、と言ったことをいちいちチェックするのに、頭がワヤクチャになってしまったからだ。普通の人はこんな程度で混乱しないんだろうな。もちろん私だって、ちゃんとデータベースやワークシート使って記録取ってるんだが、自分の記録が信じられないので(笑)、いちいち確認しないとならない。
 しかし今月はクレジットの明細見るのがこわい。もちろん、ちゃんとお代は頂いてるのだが、ものすごい数買ったもんなー。あ、でもクレジットのポイント分は儲けになるか?とセコい計算をする。

 「DVD付き限定盤も出てた!」とあせって注文したScritti PolittiのCDが届く。見たら日本盤じゃないかー! 安いと思ってAmazonで注文したのだが、てっきり英国限定盤だと思ってた。それぐらい注文する前に確認しなさいって。しまった! 日本盤を定価で買ってしまった!と思ったら、割引価格で定価じゃなかった。それすら気づかず注文している(笑)。そうだよなあ。Amazonの輸入盤もっと高いもん。だからMansunがこんなに売れたのだが。
 しかし、DVDって何が入ってるのかと思ったら、Greenのお散歩風景とかそういうのらしい(笑)。くそ、見たい!が、日本限定だともしかして外人に売れるかもしれないので開封できない。

 自分の買い物でもトラブル。楽天でFutura(UNKLEで有名なグラフィティ・アーティスト)のマグカップを買ったのだが、届いたのを見ると、ほとんど目に見えないほどの小さな傷がある。最初は汚れだと思ったのだが、こすっても落ちないし、釉薬がそこだけ剥げているようだ。普通の人ならまず気づかない程度の傷だが、私はコレクションとして買っているのでどうも気になる。この店ではScottのために何十万と買っているので、文句を言うだけは言おうと思ったら、すぐに交換してくれることになった。
 ところが私は2個送り返したのに届いたのは1個だけ。また苦情を言ってもうひとつ送ってもらう。日ごろお客様に謝ってばかりいる立場なので(笑)、ミスをするのは私だけじゃないと思って、ちょっといい気分。

 マグカップは自分の普段使い用も欠いてしまったので他にも1つ買う。(もちろんFuturaは使わない。これはもしかして売れるかもしれないし) 縁が少し欠けただけだが、ちょうど口に当たるところなのでどうしても気になって。服なら穴のあいたのでも平気で着てるが、私は触覚に敏感なのだ。
 私は自分ではノリタケのマグカップしか使わない。ここの絵柄ははっきり言って好きじゃないのだが、このサイズ、この丸み、この軽さ、取っ手の形、唇に当たる感じが、どうしてもこれでないとダメ!なのだ。1500円もして高いけど、(なぜかコレクション用のマグの1500円は高いと感じないからこわい)、私は異常なお茶飲みで、起きてる時間はほとんどマグから手を離さないからよけいこだわる。
 うちの近所ではノリタケ製品はデパートでしか売ってないのでデパートで買ったが、久々にデパートなんかで買い物して感動してしまいましたね。なにしろ普段、(レコードを除けば)格安通販か、オークションか、100円ショップか、秋葉原(日用品や食料品とかも安いのだ)か、古道具屋でしかもの買わないからね(笑)。シーンとしたきれいな店内、丁重な年配の店員、クレジットカードを出すと「お待ちください」と言ってソファに案内されるあたり、王侯貴族の気分! たまにはデパートもいいな(笑)。

 暑い間はまったくなかった食欲が、涼しくなったら戻ってきた。おかげで昨夜は人並みに食べたら、たちまち胸焼けと胃痛で七転八倒する。粗食少食に胃が慣れてしまっていたらしい。でも痩せない。食べてないのに痩せないとはこれいかに? もっとも夏はほとんど動かなかったから、そのせいだろうが。医者(私は持病で定期的に医者にかかっていて、医者にも痩せるように言われている)は、膝が痛いのは水がたまっっているせいだから外科に診てもらえと言うが、私は主として運動不足と体重増のせいだと思っている。(医療費がもったいないせいもある)
 だから運動(というかリハビリ)しかないのだが、これがねえ。実はうちの隣には区のスポーツセンターがあって、プールから何から揃っているのだが、これの利用は事前に申し込んで抽選で、めんどくさいったらありゃしない。スポーツクラブは駅前にエグザス、コナミ、ティップネスと全部揃っているが、私には月1万円の会費なんてとても払えない。貧乏人は病気になってもなかなかつらい。

2006年10月13日 金曜日

 あいかわらず忙しいです。「Mansun騒動(Mansunのベスト・アルバム“Legacy”のこと)は一段落した」なんて言ってたが、甘かった。その後も注文が相次いで、うちとしては異例の忙しさ。その理由は店を見てまわってわかりましたね。他のショップはいくらで売ってるかな?と、渋谷に偵察のつもりで行ったのだが、ない! どこにもない! 限定盤はおろか、通常盤さえも売ってない。なんか侮辱されたみたいでむっとする(笑)。あのMansun人気はなんだったんだよー! 実際、まだこれだけのファンがいるのに。ちなみにHMVで予約したお客様の話では、発売延期ということでキャンセルされてしまったそうだ。わけわからん。
 ちなみにこの限定盤はアマゾンで4622円、amazon UKで買っても送料別で3554円、それをStrangelove Recordsではたったの3000円でまだ買えますよー! おまけに消費税もかかりませんよ! ついでにこれもどこでも売ってないElectronicのDVD付きはヤフオクに出しましたので見てください。

 と、以上は宣伝(笑)。こう金欠では少しは稼がなくっちゃ。というように貧乏しているにもかかわらず、たった今、ヤフオクでは5000円のポスターを落札したところ。ふー。
 モノはUNKLE。ヤフオクだからたったの17入札の5000円ですんだけど、これがeBayならもっと上がるだろうから。というのは単なる言い訳(笑)。たかがポスターに5000円! でもUNKLEはコレクター的に特別なんですよ。UNKLEものに限っては、「高いー!」と思いつつ買ったものでも、確実にそれ以上で売れるのはわかってるから。もちろんこれは売らないで、コレクター仲間に自慢するために取っておくけどね。
 しかし、私は日ごろ1000円以上の入札はしないんだけどな。アンドレのために10万円の入札しているうちに感覚鈍ったかも。反省。

 それ以外の買い物。そのUNKLEの“Self Defence”4枚組ボックスセット。かわいいピンクのボックスに入っているが、見たとたん、いやな予感がした。というのも、ボックスのふたと本体の上にまたがってステッカーが貼られている! このCDはもちろん自分が聴きたくて買ったので、未開封のままにしておくわけには行かないが、CDを出すためにはステッカーをカッターで切るか、剥がすかしなきゃならない。(もちろんコレクターにはステッカーも大切なのである)
 ここでハムレットのように悩む。切ったら終わりだが、剥がすのも問題。きれいに剥がれればいいが、ステッカーのタイプによってはきれいに剥がれないし、それは剥がしてみなきゃわからない。これならまだシュリンクラップの上にステッカー貼ってもらったほうがましだ。さんざん悩んだあげく、「ええい!」と言って剥がしにかかったが、案の定、途中でビリビリにちぎれてしまった! あーん! ステッカーだけのためにもう1セット買わなきゃならないよ!

 しかし、UNKLEのコレクター人気ってのもよくわかりませんねー。確かにうちのお客さんは熱狂的だが、他のショップでもオークションでも、UNKLEが引っ張りだこという感じでもないし。結局、どんなジャンルでも、本当に狂的なコレクターというのは一握りなのかも。

 他に買ったのは、これもUNKLEつながりで、Massive Attackのシングル“Live with Me”。もう日本じゃ買えないのでイギリスから買ったが、来たのを見たらDVDシングルだった。あわててCDシングルも買うはめに。どうせ両方ほしいからいいんだけどさ。シングルってイギリスから買うと、送料が定価と同じぐらいかかって痛いんだよね。

 やはり日本で買い損ねたのがManicsのJamesのソロシングルのCD2。2枚組シングルはたいていセットで売ってるので、すでに買ってしまったCD1も買うはめに。これも高いものについたなあ。CD1は店で売るけど、買値より安くしないわけにはいかないし。
 Jamesの新しい7インチは2枚組で出たのだが、それにミスプレスの1枚を加えた3枚セットというのをeBayで落札して、到着を待っているところ。写真がついてないので、ミスプレスってどう違うのかわからないのだが、安かったので。

 やはりUNKLEつながりで、Southのシングルと英盤アルバム・プロモ。この辺は送料さえかからなければ安いものなのに、つくづく極東に住んでいるのが恨めしい。Southはすでに買った米盤プロモのちゃんとしたジャケット付きが出ているのを発見したが、今はそこまで買えない。

 Tears For Fears、“Secret World”。フランス限定のDVD付きも買った。

 CD以外の買い物では、ずっと捜していたのがウエストバッグ。昔はウエストバッグって不格好だと思って大嫌いだったのだが、一度使ったら手放せなくなってしまった。特に大学教師というのは、細々した品物を持って(いろんな種類の鍵とかマイクとか文房具とか)、広い教室や構内をちょこまか歩きまわらなくてはならないのである。重い本とかはキャリーバッグに入れて引いていくが、仕事中もバッグは手放せない。(大学というのはちょっとでも手から放すとすぐに盗まれるという物騒なところだし) 女物の服にはポケットがないし。
 ところが、ショルダーバッグを一日持ってると、たいして重いものでもないのに肩が痛くてしょうがない。なで肩なのでしょっちゅう肩からすべり落ちるし。デイパックなんて私はベルトの当たる鎖骨が痛くて30分も持たない。元来華奢にできてるもんで、いくら太ったと言っても、上半身にはあまり肉が付いてないのよね。その点、たくましい腰ならば(笑)、いくら重いものぶら下げても平気。落としたり、置き忘れる心配もなく、手を突っ込んで中のものを捜すのも早いし、もう普通のバッグは持てなくなってしまった。こないだも一日ショルダーで外出しただけで、腕や肩があざだらけになったし。

 それで、長年、オクトパス・アーミーのウエストバッグ(ピンクと黒のアニマルプリントのかわいいやつ)を愛用していたのだが、さすがに手垢で汚れ、タバコの焼け焦げまで付けてしまったので、新しいのを買おうとしたら、流行が終わったのか、もうどこにも売ってない。そういや、あれだけはやったデイパックももうほとんど持ってる人いないな。(逆にキャリーバッグは、私が使い始めたころは「旅行でも行くんですか?」とバカにされたが、今はみんな町で使っている) 日本人ってなんて流行に流されやすいんだ!
 かろうじて見つけたのは、見るからにアウトドア用のごつくてオヤジっぽいやつばかり。一日中身に付けてるものだから(家でも付けたままのことがよくある)、それなりにおしゃれっぽいのが欲しいのに。
 しかたなく妥協して買ったのはコムサの黒いウエストバッグ。いつもの古着屋で500円。高い(笑)。他のは全部100円なのに、これだけブランド物ってことで5倍もした。でもこれもけっこうごつくて気に入らない。(蓋が堅いのだが、私はこういうのだと物を取り出そうとしてジッパーで手を切るので)

2006年10月16日 月曜日

 最近の買い物。Embraceのシングル“World at Your Feet”。ワールドカップ2006のイングランドの応援歌はなかなか決まらなくて、結局なし崩しに、よくフットボールの応援で使われるThe Farmの“Alltogether Now”になったと聞いた(ような気がした)のだが、実はこれが公式応援歌だったことを今ごろ知ったので。Embraceのコレクションはとっくにやめて、シングルもすべて手放してしまったのだが、これはジャケットもフットボール型だし、記念にと思って買った。
 曲はいつものEmbrace節で、なかなかしっとりしたいい曲だし、ビデオは典型的なフットボール・ビデオだが、イングランドの応援歌ってなんでいつも見るからに弱っちそうなの?(笑)
 ちなみにThe Farmも大好き。本当にいいバンドでした。特に彼らのビデオはどれも笑えてかわいいので、DVDが出ないかとずーっと心待ちにしていたのだが。
 そこで検索かけてみたところ、全ビデオの入ったDVD付きのベスト盤が出てるじゃないの。さっそく注文。なんか最近狂ったように買ってばかりいるな。いや、最近増えてきた日本人のお客さんのために、輸入盤チェックしていると、自分の欲しいものばかり見つかって(苦笑)。だいたい日本じゃFarmはもうDVDどころかCDも買えない。店のためにも仕入れておこうかな。いや、売れないだろうな(苦笑)。これも欲しい方は連絡下さい。

 James(Manic)の“That's No Way to Tell a Lie”もやっとCD2が手に入ったのでビデオを見れた。曲だけ聴いたときは、「むむむ‥‥」と思ったのだが、やはりビデオを見るとなんとなく好きになってしまう。映画仕立てで、Jamesがギャングのボスと、拷問される被害者の二役に扮しているのだが、なんと日本で撮ってる! いつ来たんだ? そんな暇あるならコンサートやらんか! 日本語字幕まで付いている。ミッチさんのせいで日本に詳しいし、日本びいきなのは知ってるけどね。
 昔はJamesってハンサムで映画スターみたいなんで、映画に出ればいいのにと思ったものが、あの体型ではなー。貫禄だけはありますけど、日本人の手下の誰よりチビなのが情けない(笑)。クレーンで吊されて水に漬けられたりして大熱演なんだけどね。よくやるわな。

 新しいバンドはほとんど聴いてないんだけど、New Rhodesというのを視聴した。ブリストル出身って書いてあって、私はブリストルに特に思い入れがあるので(Massive AttackやStrangeloveの故郷)。Smiths meets Strokesなんて宣伝されてるが、確かにギターがJohnny Marrだわ。でも私はStrokesの部分がいらないなー。結局よくあるギターポップになっちゃってるし。
 Hard-Fiはかなり気に入ってる。最近のバンドの常で、やけに古い感じなのが気になるが、少なくともこのシンガーは歌うべきものを持っているという感じがするし。これはアルバム買うつもりだが、いつでも買える日本盤や新譜は、お金がないので後回し。

2006年10月18日 水曜日

(疲れてるので例によってどうでもいいような断片だけ)

 あー、なんか忙しい。もっともこの程度じゃ忙しい部類に入らないのは、自分が常勤で勤めていたころを思えばわかってるんですけどね。なにしろ、今はご飯食べる時間もあるし、夜はちゃんと眠れるし、休み時間だってあるし(苦笑)。でも基本的に仕事嫌いである私はやっぱりしんどい。

 たとえば昨日は早稲田で教えて帰宅は夜11時。それから留守中にたまったメールを開いて、返事を書き、注文を取り、発注し、オークションを調べ、入札し、お礼やおわびを述べ、振り込みのあった商品を梱包し、台帳に記録し、ついでにサイトのカタログも更新する。これが1時半まで。それから風呂に入って2時半ごろ寝る。
 今朝は8時に起き、寝ている間にたまったメールを開いて以下同文。これがだいたい昼までかかる。(うちは外人客が多いので、ほとんどのメールは深夜から早朝に来る) その間、SouthのDVDが届いたので、(待ちきれなくて)20分だけと時間を決めて見る。それから郵便局に行って昨日梱包した商品を発送し、戻るとすぐに出勤の支度をして、銀行に寄り、12時半にはSP盤コレクターの人と会ってレコードの受け渡し。それから日大に行って授業。午後8時に帰宅し、留守中にたまったメールを開いて以下同文。
 なんか毎日これの繰り返し。(授業がない日は仕入れのためレコード屋巡りに出かける) ちなみにこのスケジュールには、掃除や洗濯や料理や部屋の片づけの時間は一切含まれていない。そういう家事はすべて週末にまとめてやる。週末はそれ以外はひたすら寝る(笑)。
 このペースだと(週末を除き)、自分の時間と言えるのは夜寝る前、ベッドで本を読む30分しかない。CDは聴きながらでも仕事はできるはずだが、分刻みでバタバタ仕事しながら聴く気が起きない。まったく耳に入らないか、逆に聞き惚れてしまってミスを犯すから。

 しかし、忙しいなんて言えるのも、店にお客様が来てくださるおかげ。毎年、もう廃業を考えるしかないというところまで行くのだが、そうすると決まって救世主が現れる。今の救世主はMansunとアンドレだけど。(もちろん常連のお客様にもお世話になってます) もっともMansunは数こそ出てるが、1枚あたり数百円の儲けで、手間を考えればぜんぜん儲けにはなってないんだけど。

 コレクターの人と会ったというのも、もちろんアンドレのための仕事。彼はヤフオクに4枚のピクチャーディスクを出品していて、私が気を利かして、全部買うので早期終了してくれないかと頼んだのだ。そしたらすぐに早期終了してくれたのはいいが、取消料が1枚につき525円かかると言う。えー! 私はむしろ1万2千円もポンと払うんだから、値引きしてくれないかと言うつもりだったのに。(私なら絶対そうする) だいたいヤフオクじゃ、入札者のいないオークションの取り消しに料金はかからないはず。しまった! 変なやつに引っかかっちゃったか?
 いやー、なんかヤフオクというと、いやなセラーに出会う確率が高いんですよ。だから私は原則自分のものは買わないようにしているぐらいで。もっとも売買は無事成立しているので、いやなやつと感じる原因はメールの文面だけ。単に日本語の書き方知らないだけという気もするが。
 とにかく、こういう時は「恐れ入りますが」と丁重に抗議する。そしたらあっさり間違いを認めてくれて、おまけに隣町に住んでいて西葛西へはよく行くので手渡しもできると言う。しめた! 振り込み料と送料節約できる! (アンドレからはすべて込みで定額をもらっているので、浮いた分は私の収入になるのだ)
 ところが会ってみたら、相手は少なくとも70は越えてる品のいいおじいさん。私は扱う商品が商品だから、お客さんはほとんどが若い人で、年配のセラーというのは想像もしてなかったが、SP盤なんて売ってる人にはそういう人もいるということは予想してしかるべきだった。こういうことがあるからメールはバカていねいに書く方がいいんだよね。
 彼は若いころからレコードや蓄音機のコレクションをしていて、家にはまだあると言うので、写真を送ってもらって他に売ってもらえるものがないか調べるという契約も成立し、私はまたアンドレに恩を売ってめでたしめでたし。

 ところで、このおじいさん、昔の人らしくすべてが小作りなのだが、目がものすごく大きかったのが印象的。若いころはさぞ美少年だったんだろうななんて思ってしまった(笑)。いや、若い人は老人を見ても老人としか思わないでしょうが、私は自分が年取って見る影もなくなってきたので(苦笑)、お年寄りを見るとついその人の若いころを想像してしまうのよ。誰だって若い時代はあったんだからね。
 それでまた思い出したが、私の大学院時代の先輩に、お人形さんみたいに目がぱっちりして、まつげが長くて色白でかわいい女の人がいた。なのに髪は真っ白で、染めてもいない。(たぶん当時50才ぐらい) しかもその髪を若いころそのままのロングにしている。だからその人を見ると、かわいいと思ったらいいのか、老女と感じるべきなのかわからなくて頭が混乱した。
 そういや私も白髪が増えたなあ。別に今さら若く見られたいという欲望はないが、ごま塩はやっぱり見苦しいので染めた方がいいのかな? もう茶髪ははやらないらしいから、いっそ金髪に染めてやろうか。

 South以外の届きものはJames Dean Bradfieldの“An English Gentleman”7インチ3枚。このパート1は限定のレッド・ビニールなのだが、おまけの3枚目は同じレコードの黒ビニール。なるほど、これはめずらしい。売り手はミス・プレスと言っているが、私にはテスト・プレスに見えるけどなあ。
 普通、ミスプレスって言うのはレーベルに誤植があったり、印刷がずれてたりするものだと思ってたけど、赤ビニールにすべきところを間違えて黒でプレスしちゃうなんてあり? とにかく3枚で、日本で2枚買うのとほぼ同額だったので満足。

2006年10月19日 木曜日

またもコレクター話

 ヤフオクで5000円、ご・せ・ん・え・ん!した(くどいね)、UNKLEのポスターが届く。ところで、このポスターの売り手は、ハンドル・ネームからして明らかに昔からのUNKLEコレクター友達のHさん。だから、見たときすぐに「早期終了してください」とメールするつもりだったのだが、あいにく前のアドレス帳をなくしてしまい、自分の記憶にも自信がなかったのでためらっていたところ、人に入札されてしまった。その後の経過は13日に書いた通り。
 で、落札してみれば、やっぱり相手はHさんだった。どこの誰だか知らない人より、知り合いと取り引きする方がずっと気が楽なので、ほっとする。
 そのポスターが今日届いたので、さっそく震える手で筒から取り出す。ううーむ‥‥
 (ちょっとピンボケの)写真を見たときは「すげー、かっこいい!」と思ったのだが、現物を見るとそれほどでもないような‥‥(笑)。だいたい、印刷がすごく荒くて不鮮明だし。状態はかなりきれいなほうだが、少し破れもあるし。ただ印刷が悪いのはコレクターには朗報。
 実は、届く前にHさんに、「これってどういう素性のものですか?」と訊ねたのだ。するとヤフオクで買ったもので、Hさんも知らないと言う。私は日本のオークションで売られているからには、日本製のプロモ・ポスターだろうと思っていたのだが、これだけ印刷が汚いのは明らかにイギリスで作られたものに間違いない。でもイギリスのポスターにも海賊版(と言うのかどうか知らないが、ポスター屋が勝手に作って売っているもの)が多いからなあ。
 ただこれ、確かにどっかで見たことがあるんだわ。ポスターごときに私としては異例の5000円以上投じたのはその記憶があるからで。でも私の記憶ぐらい当てにならないものはない。どこだったかなー? eBayで高値で取り引きされるのを見たのかな? と、あれこれ考えているうちに、「!」と頭に電球がともった。
 あれだ、あれ! と言って、雑誌RelaxのMowax特集号を引っぱり出す。この特集の中で、初期Mowaxのレアなプロモ・グッズばかりを紹介したページがあって、それを開いてみるとやっぱり! ちゃんとこのポスターが載っている。ここのグッズは、どれも私が見たこともないものばかりで、これを見ては「欲しいなあ〜」と思っていたのだ。その記憶が頭のどっかにこびりついていたに違いない。
 というわけで、晴れてこのポスターはMowax純正のプロモ・ポスターであることが判明。それを思えば5000円は決して高くない、ということで胸をなで下ろしたのでした。ついでに自分が売るときも、雑誌という「証拠」があるしね。(というか、入札する前にそれぐらい思い出せって!)

 他に今日の届きものはSouthのアルバム・プロモ。米盤のプロモはすでに持ってるが、こっちは英盤のプロモ。ただ、写真を見ると通常盤にステッカーを貼っただけ(日本で言う見本盤)に見えるので、セラーにあれこれ問いただした。めずらしく親切な人で、詳しく答えてもらって、間違いなく正規プロモだと確信したので、落札したわけ。
 確かに通常盤とそっくりなのだが、違いはレコード番号にPROMOの文字が入っていて、ジャケットにもCDにもPROMO ONLYの文字がでかでかと印刷されている。同時期に同じものが出品されていて、そっちは商品解説に詳しく説明が書いてあり、けっこう競り合っていたのに、私は開始価格で落札できてラッキー。
 普通の英盤プロモみたいにオリジナル・デザインじゃないのが残念だが、こういう小さいインディーではそんなの作る余裕がないらしい。SouthについてはDVDを見てからまた詳しく書きます。

2006年10月21日 土曜日

足が痛いのはなし

 9月17日に書いた足の痛みが良くなるどころか悪化の一途をたどる。あそこに書いたように、ほとんど「陸に上がった人魚姫」状態で、一歩一歩が針のむしろの上を歩いてるみたい。それに17日は「座っていれば痛くない」と書いたが、今は座っていても痛い。椅子の形状にもよるみたいだが、痛くてじっとしていられないので立って歩く → 歩くと痛いのでまた座る、の拷問みたいな繰り返し。いちばん楽なのは寝ているときだが、それでもまるで山登りでもした後のように、足全体がじーんとしびれて筋肉が突っ張る不快感がある。
 膝が悪いので昔からしゃがむのは苦手だが、今は和式トイレは一切使えなくなってしまった。しゃがむだけならまだなんとかなるが、しゃがんだ状態から立ち上がるには完全に腕の力だけで体を引っ張り上げなくてはならない。身障者用の手すりのないトイレでは悲惨なことになる。
 それどころか和室では座ることもできない。これまた何かつかまるものがないと立ち上がれないのだ。椅子から立ち上がるのもかなり困難で、立ってしばらくは「生まれたての子馬」状態でぎくしゃくとしか歩けない。床にCDの詰まった箱を置いてあるレコード屋でも困る。前は膝をついて座ることで解決していたが、それすらできなくなってしまった。

 でもいちばん怖いのは転ぶこと。いや、私はしょっちゅう転ぶので(外ではよそ見をしながらシャカシャカ歩くせい。家では床の上に物が散乱しているせい)、けっこう反射神経が発達して、どんな体勢からも安全に着地できる自信があったのだが、それは足の踏ん張りがきけばの話。普通に歩いている最中に、突然足がつったようになって、そうなると片足がまったく使い物にならなくなって、よろけるのだが、一本足(しかもそっちも痛い)ではバランスを取ることもできない。
 車が横をブンブン走ってる往来や、駅のホームや、自分の家(ここで転倒したら、間違いなく本やCDの山がガラガラと崩れてくる)で転んだらどうしよう?と思うと、恐ろしくておちおち歩くこともできない。
 だから、歩くときもおばあさんのように一歩一歩そろそろと。つかまるものがあるところではつかまり歩き。走ることは論外だし、階段の上がり下りもできなくなった。
 私は脚力にはけっこう自信があったのに! 歩くのや階段上りは20才の学生の誰にも負けないほど速かったし、長時間歩くのもまったく苦にならなかったのに、今はこのありさま。すでに杖が必要になってるし、これじゃもうすぐ松葉杖で、その先は車椅子だ。
 そうなったら大学の仕事はともかく、レコード屋は廃業しなきゃならない。いや大学だってあやしいもんだ。今はどこでも身障者用トイレとかスロープとかはあるが、エレベーターのない校舎はたくさんあるし、教室なんか詰め込みすぎで歩く通路もないようなところが多いから。

 とにかくそうなったら飢え死になので、これ以上ひどくならないうちに病院へ行くしかない。というわけで、昨日はやっと病院へ行った。実は以前も膝の痛みで近所の整形外科に行ったのだが、なんか原因もはっきりせず、湿布薬だけもらって帰されたので、今回は持病で通院している大病院に行った。ここは遠くて混んでいるんだけど、最新設備が整っていてスタッフも親切なので。
 で、えんえん待たされたあげくの診断は、変形性膝関節症。膝の軟骨がすり減って変形する病気である。
 なんだよ、結局また膝かい。前回は確かに膝が猛烈に痛かったのだが、今回はむしろ足の筋肉や腱が痛むので違うと思ってた。
 でもちゃんと病名が付いたからには、なんとかしてもらえるのかと思ったら、医者の宣告は、「体重を減らしなさい」、「運動しなさい」。ひえー!

 とりあえず、家に帰ってからネットで調べた。そしたら、そこに書いてある原因や症状がことごとく当てはまるのでがっくり。読者の大多数には縁がないと思うけど、女性は中年になるとなりやすいので、参考までに書いておくね。(詳しくはこちらのサイトで)

 慢性病だが始まる年齢は40〜50才。確かに40才ごろからいつでも膝が痛かった。
 男性より圧倒的に女性に多い。男性にくらべて筋力が弱いかららしい。
 肥満の人や、O脚の人、過去にスポーツなどでケガをした人、または過去に膝を使いすぎる仕事についていた人に多い。O脚でこそないが、他は全部当てはまりそうな感じ。肥満については言うまでもないが、私は乗馬をやっていて、大怪我こそしなかったが、何度も落馬したり蹴飛ばされたりしたし、なまじ足に自信があるから、とにかく人一倍(しかもものすごい速さで)歩く癖があったし、職業柄(教師としても、レコード・コレクターとしても)一日中歩きまわるのが商売だったから。
 それにここには書いてないが、背が高いというのも膝には相当な負担。なんでかというと、足が長すぎるのでバスや飛行機の座席で必ず膝がつっかえ、非常に窮屈な思いをするのである。それもバス旅行や海外旅行では8時間以上もその状態で、痛いなんてもんじゃないのだ。

 このサイトの初めに書いてあることを引用すると、「膝痛は病院に通い、医師に治療をまかせておけばよくなるものではありません。「本人の治そうという意思」が何よりも大切」なのだそうだ。はいはい。治そうという意志ならたんまりあるよー。痛いのいやだもん。
 で、問題は「減量」と「運動」だ。

 しかし、ダイエットするぞ!というのは、前々からここにも書いてたが、実を言うと、あまり危機感がなかったのよね。最大の理由は、背が高いせいか、そんなに太っているようには見えないこと。いや、そうじゃないことは自分が誰よりよく知ってるのだが(笑)、他人からは「(年の割には)まだそんなにスリムなのに!」と言われてしまうのが良くない。
 実際、自分が太ってから「他のおデブさん(笑)」が気になりだして、町を歩いてても太った人がいるとついジロジロ見てしまうのだが、実際たくさんいるよねえ。たっぷんたっぷんと脂肪の塊が歩いてるように見える人。私は断じてまだそうは見えない。でも体重はそういう人より私の方があるんだよねえ。
 実を言うと、太ってからの方がかっこよく見える部分(胸のあたりとか)もあるぐらいだ。少なくとも裸は痩せてたころより今のほうがよっぽど見栄えがする。(想像もしたくないでしょうが(笑))
 それに、生まれつき痩せてた人間というのは、「痩せるのなんか簡単。いつでもできる」という思い上がりがあって、それもよくなかった。私なんか太りすぎを気にする人を見るたび、「太るのは食べ過ぎるからで、食べなきゃいいのに」といつも思ってた。
 でも実際、食べてないのに痩せないということがあるなんて!

 食べてないというのはこういうことである。たとえば昨日は、8時起床。起きてすぐ例によってメール書きをしているうちに、午前11時までの病院の受付時間に遅れそうになったので、朝食抜きで病院へ。そこでえんえん待たされて、家に帰ってきたのが4時半、速攻で商品の梱包をして、郵便局に発送に行き、スーパーに寄って買い物をし、ようやく晩飯にありついたのが午後7時。ここまで、病院で買って飲んだグレープジュースを除き、一切飲まず食わず。もちろんこの日はこれ一食。
 これで痩せないというのは、もうよっぽどカロリー消費してないとしか。
 最近は外食もやめている。いや、忙しくて疲れてるので、自分で作る意欲は毛頭ないだのが、外食はどれも多すぎる。そこでテイクアウトを買って帰り、一食分を二食に分けて食べるということをしている。
 そのせいか、さすがに最近は体重増は止まったが、痩せないのはもうよっぽど動いてないとしか。まあ実際、足が痛いのでなるべく動かないようにしているのも事実。これじゃ悪循環だ! まとめ食いがいけないと言う人もいるが、その一食の分量だって、普通の半分ぐらいだし、カロリーから言ったら絶対少ないはずなんだが。

 ならばあとは運動しかない。とにかく医者に言われて観念した私は、病院からの帰り、その足で近所のスポーツクラブを見てまわった。いや、怠け者の私は強制されなきゃ運動するはずがないので、「高い会費を払ってる」というのは強力な強制力になると思って(笑)。
 それでいろいろ見学させてもらったり説明を受けたりしたのだが、私としては「‥‥」。だってさー、ピラティスだのハリウッド・ヨガだの、いろいろしゃれた名称はついてるが、これって要するにどれも「体操」じゃない。体操と言われるとやる気が起きないのを、ちょっとおしゃれな環境で、しゃれたウェアとか着て、音楽とかに乗ってやることでごまかしてるだけみたいな。体操ならべつにひとりで自分ちでもできるなあ。
 もうひとついやな感じがしたのは、なんだか「学校」みたいってこと(笑)。自分が教師で、毎日学校で教えているのに矛盾しているようですが、私は学校が大嫌い! そもそもほんの小さい子供のころから、「みんなといっしょに同じことをやる」のが大嫌いなうえ、「先生に教わる」というのがすごく嫌い。(確かに大学院まで行ったが、英語も含め、私の学問はほとんど独学に等しい) 今さら、人にああしろこうしろと指図されたくねーよという感じで。
 魅力なのはプールと風呂だけかねえ。泳ぎは下手だが、水に入るのは大好きで、水泳や風呂は膝にもいいんだが、それだけのために大枚払うのもちょっと考えものだねえ。

 そんなわけで、家に帰ってから前記のサイトを見ると、ちゃんと変形性膝関節症を治す体操のやり方も書いてあるではないか。そこでそれを寝る前に30分ぐらいやったのだが、そのせいか、なんか今日は調子がいい(笑)。こんな簡単に治っちゃうものなの? いや、もちろん膝はまだミシミシいうが、あんまり痛くないのだ。
 というわけで、当分体操は続けよう。減量に関しては、あー、ぼちぼち考えます。

2006年10月28日 土曜日

(今日は書評&映画評)

 ああーっ、久々にSFの、いや文学の想像力の怒濤の醍醐味を味わわせてもらった! 実を言うと、最近、新刊はクソみたいな小説しか読んでないの。この本は出て早々に買って神棚に上げてあったのだが、それというのも、すばらしいことはわかっているので、読んじゃうのがもったいない、つらいときや苦しいときに読んで元気を出そうというもくろみがあったから。
 ところが、うっかり(笑)スティーヴン・キングの『スザンナの歌』(『暗黒の塔』第6巻)なんか読んじゃって、(もちろん読む前からわかってたんだが)、その小説のあまりの下手くそさと下品さと陳腐さに吐き気がしてきて、とうとう神棚から下ろしてしまった(笑)。
 おっと、書名を書いてなかったな。その本とはダン・シモンズの『イリアム』です。でも本の話に行く前に、映画評をやろうと思う。というのも、この本、タイトルからわかるように、ホメロスの『イリアス』を下敷きにしているのだが、最初のほうのトロイア戦争の合戦シーンを読んだだけで大興奮し、「そういや、『イリアス』って最近映画化されたな」と思ったら、無性に見たくなって借りてきてしまった。
 いや、最近のハリウッド製史劇だから(昔のハリウッドの「歴史超大作」はけっこう感動しましたけどね。もうだめね)、これまたゲロを吐くのは予想していたが、先にそっちを見ておけば、かえってますますシモンズの偉大さに感激するだろうし。それにいくら良く書けているとはいえ、やっぱり小説じゃなかなか「絵」が見えない。その点、最近の映画ならCG使っていくらでもリアルに作れるから、当時の衣装とか、トロイアの城塞を見るだけでも予備知識として役立つと思って。登場人物が多すぎて、なかなか名前を覚えられないのも難点だが、絵が付いていれば覚えやすいし。というわけでまずは、

Troy (2004) Directed by Wolfgang Petersen 邦題 『トロイ』

 実は私は歴史劇がすごく好きで、なのにこれは見なかったのはブラッド・ピット、それだけ。はい、嫌いなんです。もちろん悪い役者とは思わないし、あの下品で粗野な下郎面に見合った役柄ならかまわない。実際、『ファイト・クラブ』なんかはもう彼以外考えられないと思うぐらい適役だったと思うし。でも、コスチューム・プレイにはそれなりの気品というか、風格というか、威厳がほしいんだよねー。
 しかし『イリアム』でも、アキレウスはほとんどイカレた狂戦士って感じだったし、まんざら合ってなくもないかという感じで見たのだが、やっぱり違うー! そもそも、古代ギリシアが気に入っているのは、人間の肉体的美しさというものを過度に尊ぶ文化だったからで(笑)、中でも半神半人の英雄アキレウスはそれこそ生身の人間とは思えないほどの美貌と肉体の持ち主であって当然なのに、ブラッド・ピットがそう見えるかというと、見えるわきゃねーよ! まったく似合わないブロンドの長髪も、『アレキサンダー』のコリン・ファレルと同じで、おえっ!だし。もっとも、「ブラピだけはかっこいい」なんていう感想も多数あるようなので、まあ美意識の相違ですかな。

 とにかくブラッド・ピットのギャラを払うので予算を使い果たしたのか、他のキャストも総コケ。キラ星のごとく居並ぶ武将陣は、見る前から楽しみにしていたのに、どいつもこいつもぜんぜん神話の英雄になんか見えないよ! 特にもうひとりのヒーローであるヘクトルを演じたエリック・バナ。私のイメージではアキレウスが華麗な美形なら、ヘクトルは剛の者って感じだったのに、なんか線が細くてちっとも強そうに見えないし。もっとも、腰抜けパリスにオーランド・ブルームというのは、けっこう当たってるような気がして笑ったけど。
 キャストで唯一の儲け役はショーン・ビーン。やっぱり英国役者は重みが違うという以前に、やたら血の気の多すぎる連中の中で、オデュッセウスはクールで知的でかっこいいから。個人的にはこの人、べつに好きじゃないんだけどね。ところで、オーランド・ブルームやショーン・ビーンが抜擢されたのはやっぱり『指輪』のせいだろうか? よほどコスチューム・プレイができる役者がいないんだなー。
 英国役者と言えば、プリアモス王の役で、ピーター・オトゥールが出ている。だいたいイギリス男は年を取った方が味が出てくるのだが、彼は年取って水気が抜けたら、あの妖艶さが消え失せ、ただのヨボヨボのおじいさんになってしまった。もっともプリアモス王は息子を殺され、尾羽打ち枯らした姿が印象的なので、これでいいのか。息子を殺したアキレウスの手にキスする屈辱的なシーンなんかは、彼のマゾっぽさがよく出ていて、昔を思い出してちょっとドキドキした(笑)。(『アラビアのロレンス』はマゾ映画として見ると楽しいよ)
 もうひとり、なつかしいイギリス人女優が出ている。アキレウスの母、テティス役のジュリー・クリスティー。この人の若いころは本当にきれいだった。イギリス女は年取ると魔女っぽくなるのだが、この人もそうで、女神にふさわしい。
 美しさと言えば傾国の美女ヘレネのダイアン・クルーガー。ドイツ人だが、確かに古典的美女で、きれいだし色っぽい。でもキャラクター的にNG。『イリアム』を読んでしまうと特にそう思うのだが、「私のために人が大勢死んで‥‥」とめそめそ泣くような女じゃぜんぜんダメ!

 続いてストーリー。これがおもしろくないわけはないのだ。『イリアス』が3000年の時を越えて語り継がれてきたというのは、おもしろいからに他ならない。個人的に『イリアス』のどこがおもしろいかというと、英雄たちの物語もさることながら、そこに神々が介入して、人間と神が入り乱れての戦争になるところ。とにかくギリシア神話の神々が好き。人間以上に人間的で、非情で冷酷な面と妙にかわいらしい面を合わせ持っているところが。
 これには大いに期待していた。たとえ人間側がタゴサク揃いであろうとも、いくらなんでも神々はそれにふさわしいルックスをしているんじゃないかと思ったし、今ならCGを使って、派手な神通力の効果も出せるだろうし。
 だから神々の登場を心待ちにしながら見ていたのだが、いつまでたっても出てこない。変だなーと思いながら見ているうちに終わってしまった。うそー! これじゃ『イリアス』じゃないじゃん! もちろんクレジットではinspired by Iliadというだけで、そのままだとは書いてないが、この戦争自体、神々が仕掛けたものなのに。
 それで神々を排除してしまうと、ストーリーも大幅に変わってしまったり、つじつまが合わなくなってしまう。なんかなー。

 だから、これをホメロスの『イリアス』だと思ったら間違いなのだ。あくまでオリジナル・ストーリーだと思って見ればいいのだが、今のハリウッドのライターにホメロス以上の物語が書けるかと言えば、それこそ凡夫が神に挑戦するようなもの。
 『イリアス』はトロイア戦争の最後の場面を描いているが、映画はパリスがヘレネをさらってくるところから始まる。(当然ながら金のリンゴの話もパリスの選択の話も出ない) 10年も続いた戦争なのに、映画ではほんの数日の小競り合いにしか見えない! とにかく戦いのスケールがぜんぜん見えない。
 戦闘シーンも完全に期待外れ。小説は絵が見えないなんて言ったのは誰だ! これならシモンズの戦闘シーンのほうがはるかに手に汗握る。映画でこの手の戦争を描いて、やっぱりいちばんうまかったのは『指輪物語』だなあ。
 細かいアラを捜すときりがないのだが、個人的にはパトロクロスのキャラクターが違いすぎるのが気になってしょうがなかった。アキレウスの無二の親友で(ということは古代ギリシアなのでやっぱりホモ達?)、アキレウスには及ばないが勇猛な武将のはずなのに、映画では青二才のガキ。テティスだって女神なのに、映画じゃただの老母だし。
 トロイア陥落後も、パリスやヘレネやアンドロマケ(ヘクトルの妻)やその息子は逃げ延びたように見せる「ハッピーエンド」もいやらしい。パリスは負傷してそれが元で死ぬし、ヘクトルの赤ん坊は城壁から投げ落とされて殺されるし、女たちは奴隷にされて、さんざんにいたぶられるのに。健全ファミリー向けってことですかね。ヘクトルとパリスの妹で、重要人物であるカッサンドラは、存在すら抹消されているのは強姦シーンがまずいからか?

 しかしまあ、話としては『アレキサンダー』よりはよくできている。殺し続けるしかないアキレウスの苦悩なんかよく描けてるし。(そんなこと絶対感じそうもないキャラクターなんだが) ただ、エキゾチックな画面の絢爛豪華さは『アレキサンダー』のほうがはるかに上。(というか、それだけの映画だった) 少なくとも『アレキサンダー』は男たちが美しかったし。
 まあ、監督がウォルフガング・ペーターゼンなんで、毛頭期待はしてなかったけどね。

Ilium by Dan Simmons (2003)
『イリアム』 ダン・シモンズ (早川書房 2006)

 と、ここまで書いて疲れ果てたので、続きはまたあとで。

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