2006年6月の日記

このページのいちばん下(最新記事)へ

2006年6月5日 月曜日

ワールドカップのこと

 このごろはこないだ買った“Life Collection”のDVDを見ているか、テレビのワールドカップ関係の番組を見ているかで、要するに、ほとんどカウチポテトと化している。おかげで運動不足でますます太るし、体はなまるし、ろくなことがないのはわかっていてもやめられない(笑)。
 というわけで、ワールドカップだ。私はべつに日本を応援しているわけではないのだが、やっぱりテレビで中継するのでつい見てしまう。それでつくづく思うのは、日本人もフットボールがうまくなったなーということ。昔は下手っぴーで見てられないと思ってたのに、最近の日本チームの試合はけっこう見所がある。
 こないだのドイツとの練習試合での高原の2ゴール、すごかったすね。ブラジルみたいだった(笑)。ただ、もしかしてあれが今大会のハイライトだったんじゃないかという、いやな予感も。
 セットプレイに弱いのはもう体格差で、どうしようもないよね。身長や体重がどうこう言う以前に、白人や黒人と比べると、見るからに貧弱だもん。日本が勝つためには、どうしたって小回りのきくすばしこさでかわして行かなきゃならないんだけど、いいときはそれがうまく出ている。
 もうひとつ、日本人が得意なのは、一糸乱れぬチームワークってやつだけど、その意味では前監督のトルシェのやり方の方が合っていた。個人的には、トルシェみたいに独裁者として完全に選手をコントロールするタイプより、個性を重んじるジーコのやり方の方が好きなんだけど(そもそも選手として偉大すぎる人だし、ああいう人が監督に来てくれたというだけでも感動)、やっぱりああいうやり方は日本人には向いてないんではないか?
 でもとにかくうまくはなった。うまいとは思うが、強いとは思えないのが難点だけど。なんというか、ぜんぜんこわくないんだよね。というわけで、私の予想は「1次リーグで敗退」に変わりはないんだけど、どうなりますか。

2006年6月11日 日曜日

 ふう‥‥、忙しい。と言っても、もっぱらワールドカップでだけど(笑)。というわけで、今日もどうでもいいような断片だけです。

 しかし、私はべつにそれほどフットボールのファンというわけでもないし、そもそもスポーツなんてそんなに興味ない‥‥と言いながら、眠い目をこすりながら生中継見て、特番から新聞からインターネット情報からすべてチェックしてるのというのは、なんかなー。
 とりあえず、本命のイングランドは初戦勝ったからいいようなもんの、前日のドイツが派手にやってくれたから、なんとも歯がゆさが残るねえ。このチームはいつもこの調子だし(苦笑)、ウルグアイは強いチームだけど。でも、唯一の得点は、ベッカムのあまりにもベッカムらしい、目の覚めるようなフリーキックからだったからいいとしよう。
 あえて今回あまりワールドカップと騒がないことにしたのは、「今年こそは優勝」という密かな期待があるからで、もっとも毎年期待してはダメだけど(苦笑)。
 その点、日本には何も期待してないから気が楽だ。1つでも勝てればえらい!って感じで。ちなみに日本代表では、文句なしに好きなヒデを除けば、今年は玉田くんを応援することにしている。

 しかし時差はやっぱりつらいなあ。今年は大学の仕事を増やしたので、午前4時からなんていう試合は、4時まで起きてるべきなのか、4時に起きるべきなのか悩む。試合の後はどうせ興奮して寝られなくなるから、やっぱり4時起きか? ひえー!

 暇なときは、インターネットでフットボール選手の出てくるCMを見て楽しんでいる。こういうのだけDVDで発売してくれるといいのに。でも日本のCMはつまらない。特にキリンは最低。昔はこういうストーリー性のあるCMや、アートっぽいCMは日本の独壇場だったのに、いつのまにやら商品名連呼の下品なCMばかりになってしまった。

 イングランド以外で応援したいのはアフリカ勢。次のワールドカップは南アフリカだし、暑いところだと日本人には有利だし。イングランド人は暑さにむちゃくちゃ弱いんだけど。

 外人を見ていて楽しいのはお国柄が出ているからだが、ふと気づいたんだけど、日本代表監督のトルシェとジーコって、およそ一般にイメージするフランス人、ブラジル人の国民性と正反対なのがおもしろい。洗練されて気取ったフランス人のはずのトルシェは、すぐに興奮して真っ赤になってわめき散らす血の熱い人だったし、逆にいつも苦虫噛みつぶしたような顔をしているジーコは、くそまじめで冷静沈着で我慢強く、陽気で単細胞のブラジル人のイメージとは正反対だ。

 私のフットボール体験は高校のクラブのときしかない。「トレーニング」と称して練習の合間にやらされたのだが、なにしろ馬術部でまったく何の関連もないから、単にコーチが遊びたかっただけだろう。私はのっぽで足が長いので、本来この手の競技は得意なはずだが、おもしろかったのは最初の10分だけ。あとはひたすらあっちへヨロヨロ、こっちへヨロヨロ走らされるだけで、ひたすらつらいという記憶しかない。
 というのも、我々高校生は(馬術部は大学のクラブに寄生する形でやらせてもらっていた)、4時起きでずっときつい肉体労働ばかりやらされているもんだから、練習が一段落する午後遅くは失神一歩手前の状態。だからみんなそろってもつれる足でフラフラ走ってるだけのひどいサッカーだった。


 “Life Collection”を見るために、リージョン・フリーのDVDプレイヤーを買ってしまう。やっぱりこういう美しいものは、大きな画面(と言っても25インチの中古モニター)で見たくて。パソコンでDVDを見るのは疲れてしょうがないし。おまけにこれ、DVDのコピーもできちゃうスグレものなんだよね。中国の海賊盤DVDは買う気が起きないが、機械なんてなんでもいいので中国製バンザイだ。
 実は、まだDVDの出始めのころ、日本のテレビで英国盤のDVDを見る方法をいろいろ調べたんですよ。そしたらあまりにしちめんどくさいのであきらめて、「お金持ちになったらPALのテレビとプレイヤーを買おう」と思っていたんだけど、当然ながらお金持ちになんかなれなくて無理だった(苦笑)。それが今は数千円で買えちゃうんですね。前に書いたように、日本盤との差額で買えて、たっぷりお釣りがくる。
 こうなると、もうバカバカしくて日本盤DVDなんて買えないなー。ものによるけど、国内盤の5分の1ぐらいの値段で買えるんだもの。これまでも高すぎると思ってDVDは買い控えていたけど、こうなるとバンバン買ってしまいそうな自分がこわい。

 電気製品はしばしば通販で買う方が安いし、重いのを持って帰る手間がない、ということは知っていたが、今回は「本当に見られるのか?」と半信半疑だったので、秋葉原へ行って買った。もちろんBBCのディスク持って。そしたら、視聴もさせてもらえて、いろいろ細かい質問にも答えてもらえて正解だった。やっぱり、品質の確かな日本製品以外(で、軽いもの)は秋葉で買った方がいい。


 大学の仕事が忙しいせいもあり、店の方の仕事はほとんどサボっている。そうじゃなくても、仕入れたいようなものがないし、自分のコレクションも棚上げだし。ところが、注文の方は細々とだがいつも通り来るので、なぜか仕入れを控えた方が収支はいい(というか、赤字が少ない)という変な現象が起きている。つまり、いっさい辞めちゃうのがいちばん儲かる(苦笑)ような気もするが、まだあきらめるつもりがない私は、(もっぱら自分への)てこ入れのため、とうとう独自ドメインを取ることにしました。
 で、いちばん悩むのがドメイン名をなんにするかだよね。もちろんどうせなら店の名で取るのがいちばんいいのだが、Strangelove Recordsというのはあまりにも長すぎて、せっかくドメイン取る意味がない。Strangeloveだけだと、もうあらゆるドメインが取られちゃってるし。だいたい、この店名ももしかして変更するかもしれないし。
 そこで悩んだ末、いかにも芸がないけどflourella.netに決めました。こういう造語は他で使われてないうえ、Mansun自体が無名だから。今さらMansunというのもなんだけど、そもそも私がインターネットに乗り出したのはMansunがきっかけだから、これも何かのご縁でしょ。
 それで有料サーバも借りたので、近々、大移動があります。メールアドレスも変える予定なので、告知に注意していてください。

2006年6月13日 火曜日

日本vsオーストラリア戦

 なんなのー、これ? いや、前から言ってるように私は日本にはまったく期待してなかったんだけど、それというのもオーストラリアってものすごく強いんだと思ってたのよ、前評判だけ聞いて。で、始まってすぐ「下手じゃん」と思ったので(もちろん下手なはずはないのだが、それまで見ていたドイツとかイングランドとかアルゼンチンにくらべると、明らかに見劣りする)、「これなら勝てるかも」なーんて思って、先取点とったときには、ほんとにこれで行けるかもしれないと思ったのだ。
 なのにヘロヘロの逆転負け。オーストラリアなんて力で押すだけのチームじゃない。チャンスはいくらもあったのに! 高さで負けたなんて言い訳もきかない。力で負けた。だいたい、日本人は暑さに強いと私も信じてたけど、暑さなんか関係なくスタミナでも気力でも負けてる。
 見ててイライラさせられるという点では、こないだのイングランドもそうだったんだけど、あっちはさすがに1点を手堅く守るだけの力がある、っていうか、比較にならないか。世界と肩を並べるのはまだまだ先だねー。
 これじゃ3連敗しても不思議はないんだけど、そうなると、せっかく日本で盛り上がったフットボール人気もしぼんでしまうんじゃないかと心配。でも意味もなく盛り上げる方も無責任っていうか、さんざん騒いだマスコミはどう責任取ってくれるんだろう?

 くやしいので関係ないことを書く。オーストラリアは私には、っていうか鈴木家にとってはイギリス以上に縁の深い国で、応援したい気もあるんだけどね。でもやっぱり蛮人だよね、あいつら(笑)。でかいのも本当。縦も横も(笑)。私は外国でもかなり大きいほうで(外人選手でも、オーウェンなんか私と身長同じぐらいだし)、よく外国に行った日本人が「トイレに座ると床に足が届かない」なんて経験とは無縁と思っていた。
 なのにオーストラリアへ行って愕然。アパートの洗面台の高さが私の脇の下ぐらいで、顔を洗おうにも顔が洗面器に届かない! それにくらべると、イギリスは私にはジャスト・サイズだから好きだ。たしかにイギリスにもバカでかい人はいるが、そういう人はクラウチみたいな体型で(笑)、要するに竹馬に乗ってるみたいにヒョロヒョロなの。
 そういや、クラウチって、見るからにウドの大木みたいなので(顔つきも)、こんなの頼りになるのかしら?と思っていたが、見かけによらず足技も巧みで、敏捷なのに驚いた。 


 現在、サイト移転作業中。だけど、根本的に何もわかってない私はドメインの設定でさんざん悩む。だって、マニュアル読んでもちんぷんかんぷんなんだもん! 初めてサイトを作ったときの苦労を思い出す。でもお金払ったからには当然と思って、メールでサポートに質問すると、すぐにていねいに答えてもらえて、なんとか作業を続けられそう。
 しかし、自分が商売やってるせいで、コスト意識が強い私は、たかだか年間3000円ちょっと(サーバのレンタル料込み)のお客に、これだけ対応してくれるのはえらいと思う。私もいっぱい質問もらうけど、そういうのを調べて返事するのって大変なんすよ。私は無料でやってますけどね(苦笑)。

2006年6月13日 火曜日

 今日は早稲田の授業なんだけど、一日機嫌悪し。そう言うと学生は笑うけど。
 私の本命はイングランドだと言ったのに矛盾してるって? でも私は何によらず世界が標準なので、世界的に見れば、いやでも私は日本人なんだし、世界中のファンにあんな不甲斐ない戦いぶりを見られたと思うと恥ずかしい。負けるのは予想していたけど、負けるにしてもいい負け方とそうじゃないのがある。
 深夜帰ってきて、日本戦のリプレイを見ていると、悪いところばかりが目について、またむしゃくしゃする。日本は走ることが命と言いながら、走り回って勝手にばてて、最後は足もまったく動かなくなり、敵が楽々とゴールへ向かうのをぼーっと立って見ているなんて! せっかく先取点取って、気象条件を味方に付けようと思うなら、オーストラリアを走らせて、自分は体力温存しなくちゃダメなのに! だいたいあのゴールも反則だったなんてケチが付いて、踏んだり蹴ったり。作戦も采配もすべて裏目に出たとしか。
 こうなると、たぶん非難はジーコに集中するだろうな。私も前にジーコよりトルシェのやり方の方が日本には合ってたなんて書いたけど。
 やっぱりジーコはブラジル流のフットボールをやろうとしている。私はそれが好きなんですよ! ひとりひとりのタレントを活かし、楽しく自由な芸術的フットボールというのは。だけど、それには能力的にあまりに差がありすぎるんじゃ‥‥。やっぱり日本人って、怒鳴られながらしごかれるんじゃないとだめなのかしら?と思うと悲しい。
 このままだと、「ドイツとの練習試合がこのワールドカップのハイライト」という意地悪な予言が当たってしまうんじゃないかと心配。でも私の予言がそんなに当たるなら、縁起を担いで書いておこうかな。イングランド優勝! イングランド優勝! イングランド優勝!(笑)
 しかし、さすがにドイツ時間で仕事に行くのはきつい(笑)。今日はブラジル戦見ないで寝よう。ちなみにブラジルは好きなんだけど敵だ。
 とりあえず、日本チームはたぶんこれで1次リーグ突破はなくなったので、もう失うものは何もないんだから、負けてもよくやったと言われるようなかっこいい試合をしてほしいですね。

2006年6月18日 日曜日

またしつこくワールドカップ

 現在、日本vsクロアチア戦の観戦中。でもあいかわらず、まずい攻めにまずい守備で、飽きてしまったのでこんなの書いてる。宮本はイエローカード2枚で次回出場停止になっちゃうし。
 そうそう、今大会はイエローカードやレッドカードの数が異常に多いと言って、ベッケンバウアーが文句言ってたようだが、私はイングランド流のフェアプレーの支持者なので、大いにけっこうなことだと思っている。だいたいワールドカップというと、納得の行かない変なジャッジが多かったのだが、今大会の審判はすごくよく見ていてレベルが高いと思うし。
 そのイングランドだが、2連勝して早々と決勝トーナメント進出を決めたものの、ファンとしては歯がゆい試合が続いてますね。今大会は手に汗握るおもしろい試合が多いのに、イングランドの試合は見ててちっともおもしろくない(笑)。トリニダード・トバゴ戦なんか、格下の元植民地(関係ないか)相手に、いつまでも点取れなくて。
 オーウェンはまったく精彩がないし、ルーニーは最後の方でちょこっと出てはきたものの、顔見せだけに終わったし。結局、フォワードが頼りないので、活躍しているのは中盤ばかり。ジェラードとランパード、そしてもちろんベッカム。
 今どきベッカムが好きというのは、「ヨン様好き」というぐらい恥ずかしい(笑)というのはわかってるが、それでもすばらしい選手だってことは否めない。
 とにかくハンサムで人気があると言うだけでいじめられる(笑)イングランドのことだから、私も初めのころはかなりネガティブなイメージを持っていて、フットボールはうまいか知らないが、思い上がった頭の弱いガキだと思っていた。自伝を読んだ感じでは、頭の方はやっぱりあまり良くないようだが(笑)、でも、日韓大会で出てきたときは、びっくりするほど大人になって、キャプテンらしい貫禄が出てきたので驚いた。
 それから4年、ますます成長して立派な選手になりましたな。今回は髪型もまともだし(笑)。特にあのクロスの精度は精密機械のようで、イングランド代表は楽だよ。ディフェンスはベッカムにボールを回すだけでいいし、フォワードのクラウチなんか動かなくても立ってるだけいい。そうすればベッカムが頭にボールをぶつけてくれるから(笑)。なのに動くからなかなか当たらない(笑)。
 あともちろん、顔がいいというのもポイントよ。私は常にハンサムの味方だから(笑)。と言うと、「今大会は他にも各国にイケメン選手が多いのに」と言われるかもしれないが、ダメダメ。私はラテン系がだめだし、ゲルマン系もだめだし、イングランド人(ケルト人は許す)以外好きじゃないの。(黒人はわりと好き) もっともイングランド人の典型ってルーニー(ジャガイモ面の兄ちゃん)か、クラウチ(ウラナリ兄ちゃん)みたいなのだから、ベッカムがどれだけ貴重な存在かわかるでしょ。

 まあ、1次リーグ突破だけで死に物狂いの日本と違って、イングランドはこれからまだ先長いトーナメントが待っているから、のんびりやって体力温存するというのもひとつの作戦ですけどね。その意味、1次リーグでいちばん体力を使ってないのは間違いなくイングランドだ。
 とりあえず、残った試合は負けてもいいんだから、17才のウォルコットなどの秘密兵器が出てくるんじゃないかと期待している。
 今いちばん気にしているのは決勝でイングランドの相手が誰になるのかということ(笑)。今年のブラジルはあまり迫力がないので、アルゼンチンあたりがこわいかな。だとすれば因縁の宿敵なわけで、それはそれでおもしろくなるのだが。

 え? 日本の試合結果ですか? うーん、まあ、こんなもんじゃないの? オーストラリア戦とほとんどおんなじじゃん。個人的にはman of the matchに中田英寿が選ばれたので満足。圧倒的に優勢だったのはクロアチアなのにね。
 ヒデが好きなのは、月並みだけど、頭が切れて、沈着冷静で、ものの考え方が日本人離れしていて、日本人選手ではいちばんプロらしい戦う姿勢を崩さないから。アンティーク家具のコレクションが趣味っていうのもいいなあ。

2006年6月20日 火曜日

 ところで、以前オリンピックの話で、めちゃくちゃ下手くそで場違いな選手(アフリカのスキー選手とか)がボロ負けするのを見るのが好きだと書いたが、今年の日本代表ってまさにそれかも(苦笑)。その意味では見ていてすごくおもしろいし、たった3戦でもう見れないと思うと悲しいような(笑)。それに珍プレーのたぐいも見ていておもしろいから好きなのだが、日本の試合って珍プレー集かNG集が90分続いてると思えば楽しい(笑)。
 もっとも、そういう「負け犬」を応援したくなるのは、初出場の小国やアマチュアの場合で、この人たちはれっきとしたプロだと思うと、やっぱり腹が立つけど。

 お話変わって、今年は大学の仕事が増えたのだが、その中で唯一の救いというかオアシスになっているのが、日大でやってる「歴史と文化」という講義。何が楽しいって、英語使わないですむのがいい(苦笑)。つまりですねえ、私はふだん英語で食ってるわけだけど、英語が出てきただけで学生の表情がドヨーンと曇るんだよね。できないクラスは曇りっぱなし(苦笑)。学生が苦痛に感じることを教えるのはこっちも苦痛だ。
 それにくらべ、なんと! この講義を聞く学生は顔が輝いてるんですわ。もう長年教えているが、こんな経験初めて! 同じような講義は短大でもやってたんだけど、やっぱりせめて日大程度の知性がないと楽しめないみたい。
 もっとも、教えるこちらも乗りに乗ってるのは事実。なにしろ私が教えてるのは「イギリスの歴史と文化」ですからね。だから、堂々とフットボールの話もできるわけ。(もちろん学生に一番受けるのはこれ) もちろん私はスポーツの専門家とはほど遠いから、あくまで歴史と文化とのからみでですけどね。でもイギリスでフットボールが生まれた理由や経緯は、ちゃんと大英帝国や階級社会ともつながるし、れっきとした文化として国民性を反映しているのだ。
 あー、こういう話、聞きたい人は、呼んでくれればどこでも行ってやります。時給5000円ももらえれば。(これは格安よ!) それ以外にも、もちろん文学の話もできれば、ファッションの話もできれば、パンクの話もできるというわけで、楽しくってしょうがない。こういうテーマなら私は永遠に話し続けられるので、たった半期で終わっちゃうのが残念。
 ああ、そう言えば、これまで書いたことがないけど、私のオール・タイム・ベスト・フットボーラーはギャリー・リネカーです。

2006年6月23日 金曜日

ワールドカップ2006 日本vsブラジル

 を見るため、今日は午前3時起き。眠い。なのに、がんばって見ていたのは、どっちにしろこれがジーコ・ジャパンの見納めだし、万一勝てばものすごい奇跡の瞬間を見ることになるし(それとも八百長?)、負けてもまた笑いと悪口の種を提供してくれると思ったから(苦笑)。
 結果はご存じの通り、1-4で負け。でも早起きした甲斐はあったというか、私はけっこう満足している。
 第一に「応援しています」と書いた(6月11日)玉田が1点取ってくれたこと。私がああ書いたのは、単に顔がかわいいのと、彼は習志野出身なのだが、たまたま今私が教えてる日大が習志野にあるというご縁と、キビキビ走ってくれることに期待しただけなんだけど。日本人選手なんてどうせドングリの背比べなんだから、顔で選ぶ(笑)。そしたら先取点取ってくれたばかりか、オーストラリア戦の中村の「ゴール」みたいな変なゴールじゃなくて、きれいに決めてくれたし。
 Jリーグでもまったくふるわないし、出る前からボロクソ言われてた玉田だけど、このワールドカップでちゃんと仕事したFWは彼だけだったじゃないの! ざまーみろ。(三都主のスルーパスもすばらしかったけど)
 そういや2002年のときも鈴木(隆行)が好きと書いたら、ほんとに初得点したし、顔で選ぶのはけっこう正しいかも(笑)。鈴木くんもほんとに好きなんだけどねえ。選ばれなかったのが残念。これなら選ばれた選手より彼のほうがましだったかもしれないのに。

 柳沢・高原を引っ込めて、巻・玉田のツートップで臨んだ先発メンバーも満足。っていうか遅すぎ! 緒戦であれだけひどかったのに、同じ轍を踏んだジーコの責任は重大だけど。あと、元気な稲本も見たいと思っていたらやっと先発させてもらえたし、宮本が出場停止で出られなかったのもかえって良かったかも。
 私は7点とか8点取られたら恥だなあと思っていたけど、ブラジル相手に4失点ならまだ許容範囲でしょう。
 そもそも最初から、私は3連敗を予想していたので、クロアチアと引き分けただけでも快挙と思えるのだが、日本の3戦を振り返ればやっぱり決してほめられた戦いぶりではないなー。
 どう見ても、大人と子供。プロとアマ。(監督も含めて) それが実力なんだからしかたないわね。

 ここで唐突だが、この程度で世界に通用すると思ってるなんて、日本のフットボール・サポーターは甘いよ! 我々競馬ファンなんか、50年にもわたって、「日本最強馬」が外国行って、離れたどん尻をバタバタと追走するだけってのを見せつけられてきたんだから。
 日韓大会でのあれはあくまで例外。なにしろホームで、しかも梅雨という外人選手にはまったく経験のない過酷な天候の中での試合だったんだから。あれから4年もたつんだから、少しは成長したかと思ったが、日本だけが成長して他国が停滞するはずはないのであった。
 しかし、日本馬も今では堂々と世界のGIを勝てるまでになったんであって、世界の壁はそれほど厚く、時間がかかるということ。
 もっとも、馬は日本国籍と言っても、日本で生まれ育ったというだけで、血統は輸入ですけどね。ということは、すぐにこの連中をブラジルに送って、現地女性に子供を産ませるのが、いちばんの近道かも。人道上問題あるような気がするが(笑)。でも、事実として、イングランド人とかドイツ人とか言っても、血統はめちゃくちゃにまざりあってるし、南米なんて人種のるつぼそのものだしね。
 それがだめなら、やっぱり世界に出て行くしかない。(馬といっしょにしちゃ悪いけど)日本馬が弱かったのは「鎖国」していたせい。弱い者同士で勝った負けたとやっていたって、全体のレベルは上がらないのだ。幸いフットボールは(野球みたいなローカルスポーツと違って)世界に開かれているので、ちょっとでもやる気のある選手はどんどん海外に送り出すべき。
 ただ、その場合ネックになるのが、日本の報酬の高さだね。競馬もまさにこれのせいで長年だめだった。だって、高い費用かけて海外遠征して負けるより、国内で弱い相手に勝った方がたくさん賞金もらえるんだもの。競馬はこれを外国馬にレース解放することで克服したけど、Jリーグもどんどん外人入れるわけにはいかないのか?
 さらに意地悪を言うと、こんなに弱い日本がワールドカップに出てこられるというのは、フェアではない。もっと強い国が出場もできないんだから。当然アジア枠は見直すべき。

 ところで期待のイングランドだが、スウェーデン戦は見れなかったが(さすがに仕事のある日に4時起きはつらいし、録画をやる時間には帰ってこれないし)、また勝てないのかよー。
 オーウェンは戦線離脱しちゃったみたいだが、どうも彼はさえなかったし、ルーニーは完全復帰したみたいだからよしとしよう。なんか不甲斐ない戦いぶりに世評は低いみたいだけど、イングランドの底力をバカにしちゃいかんよ。歴史の重みというものがあるのであって、歴史ならイングランドがいちばん長いんだから。
 イングランド以外では、トーナメントではガーナとオーストラリアを応援することにしている。ブラジルやドイツやアルゼンチンやイタリアや、その他イングランドに勝ちそうなチームはみんな嫌い(笑)。同じアジアのよしみで韓国にも残ってほしいね。

 (つづき) 日本戦では、終了後、ピッチに倒れ込んだまま、長々と起きあがらなかった中田の姿が印象的だった。(泣いていたらしい) やっぱり、本気で戦うつもりだったのヒデだけだったのかねえ。そんなはずはないんだが、負けてもミスってもヘラヘラしている日本選手が印象悪かっただけに、どうしてもそういう気がしてしまう。
 しかし、ああいう場面で、チームメートが誰も声かけてやらないのかね? 「ひとりにしてほしい」というヒデの意をくんだのかもしれないけど、やっぱり友達いないやつっていう印象(笑)。とうとう声をかけて立ち上がらせたのはアドリアーノだったらしい。(ちなみに「友達いないやつ」ってけっこう好き)

 日本の弱点は数あれど、今回も露呈したのは闘志のなさ。前半のロスタイムに追いつかれたとき、一気にガクッときて、あとはもう負けパターン。体力とか技術で勝てないのはわかるけど、なんでここまで気力弱いかね。
 海外の、特に血の熱い国の選手を見ていると、ゴール前なんて野獣そのもの、まさにケダモノむきだしの表情で、あれ見ただけでとても勝てないと思っちゃう。もっとも、その手の淡泊さというかあきらめの良さはイングランドの弱点でもあって、変に似てるんだけど(苦笑)。

 ジーコはいい人なんであまり悪口言いたくないんだけど、「名選手必ずしも名コーチならず」を証明しただけだったね。これまでもさんざん「無策」で批判されてきた人が、最後の最後まで無策のまま終わっちゃったんだから。

2006年6月24日 土曜日

またフットボールがらみですみません

 私は2ちゃんねるが大っきらい――あんなの見ると目が腐るし、頭わるくなるし、悪い病気をうつされそうだから――なのだが、最近ときどき2chのワールドカップ・スレッドをのぞいている。というのも、W杯を見ると他の人がどう思っているのか知りたくなって(店の外人客を除くと、私の周囲には関心ある人少なくて)、2002年は海外のフットボール・フォーラムを見て歩いておもしろかったのだ。外人に日本がほめられてるといい気分になるし。
 ところが今回、それがゼロ! いやほめ言葉がないっていうんじゃなく、日本なんか完全無視されてて、日本の試合でも話題に上るのは相手チームのことばかり。当然と言えば当然だけどね。日韓大会はあれでも多少は見せ場があったし、ホスト国ということで注目されてたんだということがよくわかる。そんなこんなで2chに流れ着いてしまったわけ。
 で、見たらやっぱり95%は例によっての便所の落書き、あるいは「高卒ニートデブおたくの自慰」(こういう下品なのは私の言葉じゃない。2chの発言から拾った)だが、中にはけっこう笑えるものもある。
 ジーコ・ジャパンに捧げる俳句のスレッドなんて、なかなかクリエイティブじゃない(笑)。もっとも中身は川柳と狂歌だが、それでもちゃんとみんな七五調で書いてるのがえらい。だいたいパロディ系の書き込みはおもしろい。
 嘘しか書かないスレッドというのも大笑いした。つまり現実をすべて裏返しにして感想述べてるのね。それだと日本がブラジルを子供扱いしたことになり、ミスをした選手がヒーローになってしまう。ほめ殺しというか、まるで「勝ち組」(第二次大戦後、情報不足から日本が戦争に勝ったという集団妄想に取り憑かれた日系移民のこと)だな。おっとあれもブラジルだったか(笑)。
 「さすが、選手としては三流だったが監督としては超一流の名将ジーコ」とか、「W杯の常連、優勝候補の一角とされた豪州から勝ち点3を取った」とか(いずれも2chから引用)なんて、「○○氏ね」とかいうのより、よっぽどキツいぜ!

 しかしみんな怒っとるねえ。特にクロアチア戦で、シュートミス(がら空きのゴール前で、目の前のボールを離れた隅にいたゴールキーパーにパスした)をした柳沢は袋だたき。まあ、ほとんどはただ人を叩くのがおもしろくてやってるだけだと思うが、イングランドならこういうのがそのままフーリガンになるんだと思うが、2ちゃんでは「空港で選手に卵をぶつける」ぐらいでビビってるあたりがかわいらしい。
 (もちろんフーリガンがいいとは言わないが)やっぱり日本のフットボールが弱いのは、こういう精神風土の違いかねえ? これは「歴史と文化」の講義でも話してるんだが、イギリス人というのはああ見えて、根はけっこう攻撃的で暴力的なのだ。(そういう人種だからこそ「紳士」であることが珍重されるわけ) これじゃ負けてもしょうがないかなー。狼の群れにまじった羊の群れってところですかね。

 しかし「落ち武者ブルー」というのはズバリすぎて笑えない(笑)。そもそも「サムライ・ブルー」という日本代表のスローガンもまずいんじゃないかと思ってたけど。ブルーというと日本ではいいイメージが強いが、英語じゃネガティブ・イメージのほうが強いのだ。海とか空に付くならいいけど、それ以外だと、憂鬱(マタニティ・ブルー)とかエロ(ブルー・フィルム)とかろくな意味がないから。名前からして戦わずして負けてたか。

 敗退組のベスト・イレブンにヒデが選ばれる。私もいちばん働いたのは彼だと思うが、あんまり見せ場なかったので驚き。テレビに映らない場面でもがんばってたのかも。
 玉田のゴールについてはまぐれだのなんだの言われてるが、日本代表唯一のゴール、しかもブラジルから奪ったというあたりはもっとほめられていい。

 スウェーデン、ドイツに完敗。それに勝てなかったイングランドって‥‥。いくらなんでもエクアドルには負けないと思うが、先行きちょっと不安。

2006年6月26日 月曜日

ワールドカップ2006 イングランドvsエクアドル

 ひえー! ボールが飛んできたのにフォワードがいない! 何を思ったかエリクソン、この試合はルーニーのワントップで来たのだが、ロングパスの応酬になったものだから、ゴール前にはルーニーひとり。走って戻っても間に合わないことが多いし、いくらルーニーでも2人、3人のディフェンスに囲まれちゃ身動きが取れない。ここにもうひとりいれば突破の道は開けるのに。それでも2人のでっかいディフェンスを両手で押しのけて、がむしゃらに間に割って入るあたり(直後3人そろって転倒)がいかにもルーニーだったけど。
 しかし、エリクソンもイングランドじゃそうとう非難浴びてるようだけど、けっこう何考えてるんだかわからない監督だなあ。今朝の朝日に、エリクソンとジーコはタイプが似ていると書かれていていやーな感じがしたんだけど(笑)。何が似てるかというと、「明確な戦術がない」、「根拠のない楽観主義」だって。ろくでもないところしか似てないじゃん(笑) なんかますますいやーな予感。それでもこっちは日本と違って、選手に個人能力があるからいいようなもんの、楽観主義だけじゃ優勝はできないと思うんですけど。
 今日みたいに点が取れないでイライラする展開だと、当然クラウチ投入かと思ったら、とうとう最後までクラウチは入れないままだった。それで勝ったということはやっぱり成功だったんだろうか?
 というわけで、唯一のゴールは後半15分。ベッカムの絵に描いたようなみごとなフリーキック。すごい! 世界でもスーパースターと言われる人は、どうしてもというところでちゃんと決められるんだなあ。しかもベッカムはここ数日体調が悪いのを隠して出てたっていうんだから。確かに何度も両手を膝について、苦しそうに肩で息してた。でも、ボールが来ると元気よく飛び出していくから、大丈夫なのかと思っていた。でもやっぱり残り3分で交代。わかってるなら、もっと早く換えてやれよ!
 しかし、やっぱりベッカム! さすがベッカム!

 スウェーデン戦は見逃したのだが、おかげで日本ばかり見ていた後でこれを見ると、選手全員のうまさに感動してしまう(苦笑)。まあ、トラップもできない日本選手をさんざん見たせいかもしれないけど。
 しかし、イングランドは下手だのつまらないだのほざいてる2chのバカどもは何を見てるんだ? まあ、今日は確かにミスもあったし、動きも鈍かった(やっぱり暑さのせい?)けど、それでも全員が決めるところはきっちり決めて、ちゃんと勝つもんな。客観的に見たらつまらない試合だったかもしれないけど、私はイライラハラハラしながら見てるので、最後まで楽しめた。
 不安があるとすればやっぱり攻撃力不足。なにしろオーウェンの脱落で、FWはルーニー、クラウチ、それにまだ姿を見せないウォルコットの3人しかいない。今年のイングランドは攻撃が売りじゃなかったの?
 でも明るい材料もあって、ベッカムの代役として登場した19才のレノンは、たった3分間だったのに、テレビに映る時間はいちばん長かったぐらいで、積極的かつ果敢にボールにからんでいく姿が印象的だった。これは将来が楽しみ。

ワールドカップ2006 オランダvsポルトガル

 イングランドの次の対戦相手ということで、注目して見ていた試合。ところが結果はご存じの通り、イエローカード16枚、退場者4人という、めっちゃくちゃな大乱戦に。何これー! 両チームとも完全に理性を失ってたというか、こんなのフットボールじゃないよ。ところがFIFA会長のバカ・ブラッターはこれを見て、「今日は主審がイエローカード」だって! 私は注意してみていたが、どの反則も明らかにイエローどころかレッドカードでもおかしくないようなのばっかりだったぞ。
 野次馬である私は、普通だとこういうめちゃくちゃな試合は楽しいのだが、今日は見ていて不愉快だった。闘志がありあまってラフプレイになるならまだ許せるが、明らかにフェアプレイ精神に反するような行為が多かったから。オランダもポルトガルもそんなチームじゃないと思っていたが、これがほんとのご乱心。特に、試合が中断しているときに相手に暴力をふるうなんて最低!
 見ていて悪質なのはオランダのほうだったので、ポルトガルが勝って良かった。こっちのほうが戦いやすいし。ついでにレッド2枚で敵戦力が落ちたのも助かったけど。

 そういや、イングランドはどの試合でも、カードはもちろん、ファウルの数も敵チームの半分ぐらいしかない。さすが、「本物」のフットボール精神は死なず。それをつまらないというやつはプロレスでも見てればいい。ちなみに私がいちばん好きと書いたギャリー・リネカーは、生涯にわたって、レッドカードはもちろん、1枚のイエローカードももらわなかったというフェアプレイの権化みたいな人だった。

2006年6月27日 火曜日

 ジーコがなんと考えようと、日本人にブラジルみたいなフットボールは無理だ。日本代表が1次リーグを勝ち抜くためには、それこそなりふりかまわず、倒れるまで、必死で走り続けるほかないというのは、さんざん言われていたのに、(強いと思われていた)暑さにバテバテになり、のたのた歩いていた日本チーム。
 片や、(暑さにはめちゃくちゃ弱いイギリス人なのに)、ゲロ吐きながら87分走り続けたベッカムさん。(しかもその状態で得点) イギリス人の辞書には根性なんて言葉はない。金や名誉のためでもない。(すでにセレブだし、腐るほど金持ちなんだから) 彼が走り続けたのは、トップ・プロとしてのプライドと、代表選手として、キャプテンとしての責任感。この違いだけ見ても、日本のトーナメント参加なんて冒涜でしかないのがわかるはず。
 ついでに、金持ちだからとか、ポップスターと結婚してるからとか、顔がいいからと言って、ベッカムの悪口を言うやつは死んでしまえ。

(いよいよ始まった耐え難い暑さと、いよいよ佳境に入ったワールドカップのために、連日寝不足でフラフラなので、文章が荒れてるのはかんべん)

このページのいちばん上に戻る

inserted by FC2 system